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Facebook暗号通貨2019年6月に公開へ。Facebook経済圏の構築なるか。

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Facebookは2019年6月にも独自の暗号通貨を発表するとThe Informationが伝えています。

Facebook Plans Outside Foundation to Govern Cryptocurrency(The Information)

これは大変興味深い動きだと思っています。

「暗号通貨?まだ、そんなインチキなものに投資して稼ごうとしているの?」という方もいると思いますが、私が考えているのはFacebookの暗号通貨に投資して儲ける話ではなく、Facebookに面白いビジネスが広がる可能性がありその結果として、Facebook株が今後儲かるのではないかという話です。

Facebook暗号通貨の取り組み

Facebookは2018年5月から、PayPalのDavid Marcusを迎え入れて、暗号通貨の基礎技術になるブロックチェーンの研究リーダーに据えて、暗号通貨への本格参入を目指してきました。

Facebookが2019年6月に発表しようとしてる暗号通貨は、Facebook・Messenger・WhatsAppなどをFacebookが持つSNSアプリを使った支払いや取引などの決済を行うことができるほか、様々な国の通貨と交換することも可能になる見通しです。また、ATMのような物理的なマシンで自国の通貨でfacebook暗号通貨を購入する機械を設置する計画もあります。

拡大する国際決済市場にも参入か

さらに、取引手数料なしでボーダレス通貨として機能するように設計されていることが報じられており、毎年2桁成長を続けて拡大している国際送金・国際決済市場で使われる可能性があります。

私も先日、海外の証券会社から日本の銀行に送金をしましたが、1週間かかった上にさらっと25ドル手数料が引かれる残念な経験をしており、Facebookの暗号通貨でのやり取りであれば、即送金、取引手数料なしで処理できなら喜んでFacebook通貨を選択します。

通貨を利用する個人ユーザーは原則として取引手数料の負担はなく、Facebookの暗号通貨を利用する企業が1社あたり1000万ドル(約11億万円)を暗号通貨の運営団体に支払う仕組みだとことです。企業が支払うお金は、通貨の発行などに当てられる模様です。

Facebook経済圏の構築なるか

さて、暗号通貨に参入するFacebookですが、今後この会社はどういう進化のロードマップを描こうとしているのかを最後に考えてみたいと思います。

パズルのピースは次の4つです。いずれも最近のFacebook社の状況やニュースです。

  • Facebook社は、Facebook、インスタグラム、WhatsAppなど世界最大のSNSアプリを持つ。(情報ネットワーク)
  • Instagramアプリ内で商品が購入できる機能を開発し、次世代のショッピングサイトのような機能を持ちつつある。(ショッピング機能)
  • WhatsApp Paymentは、アプリでつながった友人の銀行口座に直接送金するサービスを開始。(送金・決済機能)
  • [NEW]暗号通貨に参入(支払い)

上の4つのピースをまとめて、1枚の絵を作ってみると次のようになります。

”何か新しい商品が発売されたことをInstagramやFacebookで知って、そのアプリ上でクリックするだけで買い物ができようになる。その支払はFacebook暗号通貨で支払って、リアルタイムに商品を提供する会社の口座に反映される。”

この1枚の絵の中で重要なことは、Facebookが「ヒト・モノ・カネ・情報」全てを掌握している点です。数多くつながったヒトづてに知る新しい情報を得て、そのアプリ内で商品(モノ)をすぐに購入でき、暗号通貨(カネ)で支払いまでできる。

購買行動には商品を知る最初の段階から支払いまで複数ステップがありますが、その全てをFacebookが提供する、Facebook経済圏を築こうとしているのかすら思えます。

このFacebook経済圏は、うまく行けばかなり強固なプラットフォームになり、その成功の暁には長年Facebookに収益をもたらす可能性があると考えています。

Facebook経済圏は、Facebookアプリだけにとどまらない

さて、現時点で1000万ドルを支払って、Facebook暗号通貨の経済圏に参画する企業は、Uber,Lyft,eBay,VISA,マスターカード、Paypalなど幅広い企業が参加することが伝えられています。

すると、UberやLyftの運転手として稼いだ報酬を暗号通貨で受け取って、eBayで買い物したり、必要に応じでPaypalで自分の銀行口座に米ドルで出金するということも今後自然に起こりうることです。もはや、Facebookのアプリを介在しないで通貨が独り歩きするしていく可能性すらあります。

その際のFacebookのメリットってなんでしたっけ?という別の疑問も出ますが、まあ覇権を握れるなら握るに越したことはないです。

長々と書きましたが、結論を一言で言えば、次の景気後退で株価が下がった段階でFacebookは買い推奨銘柄だということです。


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