Uberの企業の価値
Uberは2019年上場してから株価は全くさえません。もともと前評判が高すぎた上に、決算では赤字を出したまま成長率が鈍化していて、一向に黒字化する見通しが立っていないことから、投資家が失望して売っているように思います。
参考記事:Uber2019年2Q決算、配車ビジネスの売上成長わずか2%増にとどまる。
しかし、Uberの価値は成長率だけではありません。私は長期的にこの企業は、10年後と20年後に2回花が開くタイミングが来ると思っています。10年後は自動運転タクシーサービスの広がりでコストが劇的に改善されること、20年後は自動運転ヘリコプターの普及で新しい売上拡大チャンスがあるからです。
これから20年かけて移動サービスは車とヘリと2つの自動運転が始まるようになりますが、その両方に積極的かつ計画的に投資をしているのがUberです。これらの投資はピタッと当たれば、Uberは黒字化と大きな利益を手にするはずです。
20年前を振り返ったときに、「名前は知っていたけど、こんなに伸びる企業だとは思わなかった」という企業の名前に、今ならアップルやAmazonが上がりますが、20年後に振り返ったときにその候補の1つになるのはUberだと思っています。
参考記事:自動化が進む移動サービス– 2020年代の変化を見据えた投資テーマ(2)
参考記事:空をかける移動サービス– 2020年代の変化を見据えた投資テーマ(3)
まだ10年、20年先の投資テーマで読めない点が多数あるので、今からの投資はまだオススメませんが、その動向は追いかけていく価値がありそうです。
Uberが見据えるヘリコプター事業
そんなUberが最近進めているものの一つに、Uberのヘリコプター「Uber Copter(ウーバーコプター)」というものがあります。
このサービスはUberでヘリコプターをチャーターできると言うものなのですが、2019年7月9日からマンハッタンとケネディ国際空港を結ぶ路線でUberのプレミアム会員とダイヤモンド会員向けに限定公開されていたサービスが、10月7日から一般ユーザにも公開されることにありました。
改めてこのサービスを調べてみると、驚くのはヘリコプターの利便性です。
鉄道では1時間、車では2時間かかることもある距離をUber Copterを使えば、わずか8分で移動することができます。ただし、どこの正解でも共通で、時間は短くなれば料金があがる設定になっているようで、1人あたりの価格は200-225ドルだと言います。
改めてみると、値段が高いですね。ただし、ニューヨークを活動の拠点にする世界で活躍するような多忙な人々には1時間を2万円で買えるなら安いと見ると思います。
要は時給2万円を超える人なら、払う価値があるサービスなのですが、ニューヨークの人なら結構な需要がありそうです。このUber Copterのサービスは2023年までにロサンゼルスを含む、世界3都市でサービス開始を目指しているようです。
ちなみに、Uber Copterではなく、UberAirという開発中のサービスを耳にしたことがあるかもしれません。両者は関連があるものの、同じものではありません。
Uber Copterは今のところ、ヘリコプターのチャーターサービス企業のHelifliteからの提供でサービス展開をしていますが、Uber Copterの運航をもとにして、Uber Airのシステムを作りあげる予定です。そして、2023年には、Uber Airを試験展開する計画がされています。