アメリカはGDP全体のうち、個人消費が7割を占める消費大国です。この国の調子がいいかどうかは、個人消費の売上にかかっています。
その個人消費の強さを表す米国の小売売上高の11月の結果が発表されました。
結果はあまり良くなかったです。緩やかな成長は続けているものの、予想を下回る結果になってしまいました。
2019年11月米小売売上高
- 米小売売上高(前月比):予想0.5%増に対して、結果0.2%増。
- 米小売コア売上高(前月比):予想0.4%増に対して、結果0.1%増。
この結果の見方ですが、自動車関連の売上を含まないコアと呼ばれる方の数字(結果0.1%増のほう)を重視することが多いです。
販売店のセールなどの影響で数字が大きく変わる自動車関連の売上を含まないコアのほうが、アメリカの消費をより反映すると見られているからです。
コア売上高は前月比でわずかに0.1%と、かなり低調な成長率にとどまっています。
上のグラフで見るとわかるように、小売売上高は月によってバラツキがある指標なのは確かです。でも、2019年11月は株価が歴代最高値を超えていたのに、消費がほとんど伸びていなかったのは予想外でした。
この数カ月間、アメリカの製造業が感じている景気は悪化し続けていて、それが米国民の買い物欲を押し下げているという声もあります。
個人的には、アメリカ経済のうち製造業に占める割合は10%強なので、製造業の影響はアメリカ人の買い物欲を削ぐまで大きな影響にはなっていないはずだと思っているのですが、いずれにしろ11月の低迷は気がかりです。
やはり冴えない2019年11月の景気
このブログをずっと見ている人は「またか」と思ったことでしょう。
2019年11月は株価はとても好調で何度も歴代最高値更新していたのですが、予想を下回って前月よりも悪化している経済指標がたくさん見られます。
11月米経済指標 | 予想以上 | 予想未満 |
---|---|---|
前月以上 | 雇用統計 ミシガン消費者信頼感 |
– |
前月未満 | – | ISM製造業 ISM非製造業 コンファレンスボード消費者信頼感 ADP雇用統計 コア小売売上高 |
2019年10月にアメリカ経済の景気は少し上向いたはずなのですが、11月はどうもまた景気があまり強くない様子が見えてきています。
あまり景気が強くないと言っても、まだ悪化しているというのは早い段階です。ただ、景気の伸びはかなり緩やかになってきた印象があります。
個人的には株価はまだ伸びそうな気がしています。でも、そろそろ年末から年始あたりに一旦下落して、しばらくして値を戻す調整局面もあるのかなと思っています。