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4月のアメリカの長期金利の下落は一時的か否か。

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この記事では、最近ではあまり多くの人が話題にしなくなった長期金利について書いていきます。

2021年の初めの頃は、「これから金利は上がっていくはず」というかなり強い予想を私はしていました。

そのため、2021年に入ってからは長期金利が上昇すれば金利収入が増える銀行株を保有したり、反対に金利の下落で株価が下がりやすい割高なハイテク株を売ったりしてきました。

この投資は3月までは上手く行っていたのですが、4月に入ってから長期金利の上昇は止まり、しばらく1ヶ月ほど思惑が外れています。

私はまだ金利は上昇する余地が十分あると思っていますが、4月に見られた長期金利の低下が一時的なものなのか、それとも3月をピークに今後は下落していくのかはっきりとした予想が立てにくいため、どちらに転んでも良いように備えつつ、しばらく金利の動きを見ながら投資をしたいと思います。

この記事のポイント

  • 1-3月まで上昇していた長期金利は、4月に一転して下落に転じた。
  • 4月の長期金利の下落は「1-3月まで急上昇した反動による小休止」なのか、「既に景気のピークが近いことを見越してトレンドが下落に転じはじめた」のか判断が難しい。
  • 以前より長期金利が上昇する予想が確かなものではなくなってきたので、金利が今後さらに下落した場合に不利になる銀行株を一部売りつつ、金利上昇時には買いのチャンスが訪れるはずの割高な銘柄などもウォッチしたい。

上昇が止まった4月の長期金利


1-3月のアメリカは長期金利が急上昇していたのですが、最近はどうも少し一服した印象があります。

景気が良くなると金利は上昇するので、アメリカでワクチンの接種が進むにつれて1-3月の長期金利は上昇を続けてきました。

しかし4月になってからの長期金利を見てみると、3月よりも低下して安定した動きを見せています。

長期金利が上がると割高な株ほど売られる傾向があるので、3月までは金利の行方を警戒していた投資家も多かったのですが、最近ではめっきりに話題に登ることも少なくなりました。

関連記事(※金利が急上昇した日にどの銘柄が下落):

ピークをつけたのか、それとも一時的な金利の下落か


問題は4月の長期金利の低下は一時的でこれからも投資家は警戒したほうが良いのか、それとも既に下落トレンドに転じたのかです。

私は4月の金利上昇は一時的で、アメリカでワクチン接種が進んで集団免疫を獲得すると言われている7月にかけて景気が強くなれば、さらに金利が上昇する確率のほうが高いと思っています。

2021年はGDP成長率が6%超えになると言われる好景気で、経済が本格的に再開する前の3月時点で既に消費者物価が2.6%もあるのに、長期金利はわずかに1.5%で今後も下がっていくというのは、どうにも違和感があります。

しかし、もしも2021年の好景気がかなり短く、今後1-2ヶ月のうちに経済成長のピークが来るのだとしたら、好景気を折り込み終わった長期金利が既に下落に転じはじめていても不思議ではありません。

関連記事:

金利の上昇を見越していた銀行株の一部売却を検討


私は今後も金利は上昇すると思っていますが、以前ほど強い自信はなくなったので、少しだけ保有している株も調整しようと思っています。

具体的には、長期金利の上昇を見越して買っていた銀行株を一部売却するつもりです。

まだ決めかねていますが、売却を検討しているのはJPモルガン・チェース(JPM)と、金融業界ETF(VFH)です。

その他にも、金融業界の株はウェルズ・・ファーゴ(WFC)やトレアン・インシュアランス(TIG)も保有していますが、両社はまだ他の金融株よりも伸びしろがあると思っているので保有を続けます。

売った後にどの銘柄を買うかはまだ決めかねています。

先日の記事で書いたようにIBMは買うつもりですが、それ以外には以下のようなものを調べています。

今後注目していく株

  • 景気拡大ペースが鈍くなっても、高い利益成長が見込める株(ただし米国の成長株は割高で、米国外も検討の余地あり)
  • 景気鈍化時でも業績を落としにくい、生活必需品や製薬会社の株
  • もしも、コロナ感染拡大でインド株価が下げるなら、長期投資前提でインド株インデックス
  • もしも、金利が上昇して割高感が解消されるなら、安定して利益成長している高利益体質な銘柄(ビザ、マスターカード、MSCI、アドビなど)

IBM以外の銘柄については、長期金利の様子もにらみつつ、もう少し考えて見たいと思っています。

起こってくれたらありがたいのは、5月以降の再び金利が上昇して、割高で手が出なかった銘柄がある程度しっかり下落してくれることです。そのタイミングで銀行株から、狙っている銘柄にスイッチできれば、これほどうまい話はありません。

関連記事:

ただ、そう上手く行くとは限らないので、無難に景気拡大のピーク後を見越して生活必需品や製薬会社の株を選択することになるかも知れません。


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