はじめての株式投資

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投資のはじめの1歩

これから投資をはじめようと思っている人、株に興味があるけどやったことがないという皆さんに対して、株式投資に必要な知識をかけ足で見ていこうと思います。

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Part1: なぜ投資をするの。預金じゃだめなの。

なぜ投資を行うのでしょうか。

預金ではダメなのでしょうか。投資によってわざわざ大切なお金が減るかもしれないリスクにさらすよりも、預金・もしくは定期預金に預けておくのではいけないのでしょうか。たしかに、預金をしていれば預けた金額が減る事はありません。でも、物価が上昇してしまった場合、同じ100万円でも買える物が少なくなる現象(インフレ)がある事を見逃してはいけません。一般的に2%のインフレが30年続くと、同じ金額でも買える物が半分になる、つまり持っているお金の価値が半分になると言われています。経済の歴史の中を見渡すと、このインフレという現象はほとんどの年・時代で起こってきました。景気低迷時期には先進国は日本も含めて経済の発展のために意図的に低率のインフレの状態を作り出そうとすらしています。インフレが経済の歴史の中で一般的な現象ならば、その中で預金の形で資産を持っていて、ちゃんと資産が守れるか少し疑問が残ります。

預金では資産を守れない

ここでジェレミー・シーゲル博士による研究を紹介します。シーゲル博士は株、長期国債、短期国債、金、預金の5つにそれぞれ1ドルずつを1802年に投資したとして、200年後の2001年にその価値がいくらになるかを計算するという壮大な研究を行いました。インフレを考慮して、200年後も1ドルの価値があれば資産を守れていると言えますが、博士の研究結果では預金では1ドルの価値を守ることはできませんでした。(1ドルの資産は値上がり後も一度も途中で売却する事なく、また配当や利子などは全て再投資するというルールで運用したと仮定して計算をしています)

物価の上昇を考慮に入れた各資産の価値を以下の表にまとめます。

資産 1802年の価値 2001年の価値
1ドル 599,605ドル
長期国債 1ドル 952ドル
短期国債 1ドル 304ドル
1ドル 0.98ドル
預金 1ドル 0.07ドル

調査した200年間で、1ドルの預金の価値は利子があったのも関わらず0.07ドルへと大きく価値を下げているのがわかります。これは平均して1年当たりの2%弱預金の目減りが起こっているのですが、決して異常な速度のインフレが起こっているわけではありません。この記事を書いている2014年現在の預金の利子はほぼ0%に近く、物価は2%を目指して上昇していることを考えると、この物価上昇と預金の状況が200年続いた結果、1ドルの預金は0.07ドルの価値になると言えます。

預金によって数年度、数十年後も同じ金額が保たれているとしても、その価値は今よりも低くなってしまうのでは資産を守れているとは言いがたいですね。

ちょっと考えてみたいとのですが、なぜ私たち日本人は資産の多くを預金で持つ習慣が身に付いているのでしょうか。日本の預金総額は800兆円にも上るとされていますが、この金額は世界一で、貯金の割合も世界に類を見ない比率なのです。バブル崩壊前では、預金でもある程度高い金利がついていたこと、また経済の発展とともに賃金があがっていたため、資産を守る事よりも、働いて賃金をあげることに注力しがちだったのかもしれません。バブル崩壊後はご存知の通り、不動産や株の投資は危険、預金が大事という価値観が広がり、またデフレが起ったことで、預金で資産を守る事がより重要になったため、資産の多くを預金で持つ習慣がついていたのだと思います。

ですが、これから近い将来に日本はインフレと円の価値の下落という2つによって物価の上昇(現金の価値の下落)を起こす可能性が高いです。

苦戦して入るものの、日銀は2%の物価上昇を目指すと断言していて、デフレを脱却するまで今の政策は続く見通しです。また円の価値については(1)日本は先進国の中では類を見ないほど巨額な国債を発行していて円の信用をいつ失ってもおかしくない点(円の価値がさがってもおかしくない状況)、(2)経常収支が悪化して赤字になる期間が増え、円が売られやすくなっている点(円が売られて価値が下がりやすい状況)など、今後円の価値が下がると予測されるニュースには事欠きません。

話をまとめます。歴史を振り返るとこの200年間は平均して2%のインフレが起こっているため、預金では自分の資産が守れない事をシーゲル博士の研究の数字を使って見てきました。また、これから日本はインフレや円の価値の下落が起こる可能性が一段と強まっていて、大事な預金の価値が減る傾向が加速する恐れがあることに触れました。今まで投資をするというとどうしても「儲けたい」「一山当てたい」という山っけのある動機が乱れ飛ぶイメージがありますが、自分の資産を守るという点から預金では不十分だと気づく事が、必然的に投資を選択する第一歩になるのではないかと思います。

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Part2: 何に投資をするのか。

実際に投資を始めるとして、何に投資をしたら良いのでしょうか。さて、シーゲル博士の数字をもう一度見てみましょう。株、長期国債、短期国債、金、預金の5つにそれぞれ1ドルずつを1802年に投資したとして、200年後の2001年にその価値がインフレを考慮していくらになるかを計算したものです。

資産 1802年の価値 2001年の価値
1ドル 599,605ドル
長期国債 1ドル 952ドル
短期国債 1ドル 304ドル
1ドル 0.98ドル
預金 1ドル 0.07ドル

多くの人は表を見た時に、預金の価値の低さよりも、株による運用のリターンの高さに目を奪われたのではないでしょうか。1ドルの価値が、200年の株の運用によって約600,000ドル にもなっています。私も初めて見た時には目を疑いましたが、六百ドルではないです。六十万ドルです。預金と比較して、ここまで差が出るとは思ってもいませんでした。ご存知のように、このブログではアメリカ株に投資をしていますが、私が株に投資している理由の1つは、株独自のこのリターンの高さにあります。

しかし「儲かるから株をやる」というだけでは説得力として不十分です。『Part2: なぜ投資をするのか』で話をしたように、資産を守れる投資を目指している場合、どんなに株が儲けが大きくても、損する場合の金額も巨大だったとしたら、投資対象として不向きだからです。

ここで、シーゲル博士のもう一つの研究結果を紹介したいと思います。1802年から2001年までの200年のうち、ある期間のリターンの最小値と最大値を調べたのが以下の表です。

リターンの最大最小 1年 10年 30年
-38.5 ~ 66.6% -4.1 ~ 16.9% 2.6 ~ 10.6%
長期国債 -21.9 ~ 35.1% -5.4 ~ 12.4% -2.0 ~ 7.4%
短期国債 -15.6 ~ 23.7% -5.1 ~ 11.6% -1.8 ~ 7.6%

株は1年単位で見ると最高で66%も値上がりする年がある一方で、最低で-38.5%も値下がりする年があり、予想通り、他の資産に比べて変動が大きい事が分かります。しかし、もっと重要なのは、10年、30年と長期に資産を保有した場合の値です。株は10年単位で見た時、もっとも成績の悪い期間でも-4.1%しか下落をせず、これは他の資産の値と比べて一番良い成績を残すという事です。さらには、30年単位のデータを見ると、株の最低成績は他の資産を上回っているのは当然で、さらに最低の成績でもリターンはプラスになっています。これは、200年間でどんなに不況の30年を選んできても、リターンはプラスだったことを意味しています。ここから得られる結論として、長期投資には株が向いていると言えます。これこそが私が株で投資する第2の理由です。私は、長期的に資産を守りつつ・増やす投資を目指しているので、必然的に長期投資の株が選択肢に残りました。

さて、ここまでに触れていないその他の投資対象についても少しだけお話ししたいと思います。まずFXについてですが、私は今のところ、これをやるつもりはありません。理由はレバレッジの扱いが難しく、なおかつ失敗した際に取り返すのが難しい大損をするからです。レバレッジとは自分の持っているお金の数倍のお金を運用する事で儲けが大きくなるのですが、損した際の損害も大きくなります。レバレッジを管理できる人ならいいですが、FXをやった事がない人にはお勧めはしません。レバレッジをかけないなら、外貨預金とかわりませんし、それでは資産が守れないのは上で説明した通りです。

また不動産については、資金の規模の面でも、手間の面でも、投資というより事業と言えそうです。投資の収益だけで生計を立てるなら、投資対象として良いのかも知れませんが、社会人として仕事をしながら投資をする身としては、手間がかからない投資のほうが嬉しいです。私は今、基本的に一月に1回程度の株の購入しかしませんし、それ以上に投資に手間暇をかけるつもりもありません。(趣味として投資本の読書などはしますが。)なので、今後も不動産投資はやらないと思います。

また保険会社が提供する年金保険についてですが、これはリターンが少ないのでやりません。この記事を書く前にも調べてみたのですが、35年間払い続けて支払い総額の25%増の金額が受け取れる大手会社の年金保険がありました。でもこれならば、国債を買って、満期までまったほうがリターンが大きいです。そして国債を買うなら、長期的にリターンも大きく、リスクも小さい株に投資した方が合理的です。

以上見てきたように、株のリターンの大きさと長期投資でのリスクの小ささから私は株を投資対象に選んでいます。また、日本株ではなくアメリカ株を選ぶのはいくつか理由があります。次はなぜ、日本株ではなく、アメリカ株に投資するのかを見ていきます。

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Part3: 日本株にはないアメリカ株の3つの魅力

前回のポストでは、何に投資するのかを見ていきました。このサイトで私は米国株に投資しているわけですが、なぜ、アメリカ株なのか。日本株にないアメリカ株の魅力について紹介したいと思います。

  • 世界の成長を取り込む企業が集まるアメリカの市場
  • 株主に価値を還元する風土がある(配当金と自社株買い)
  • 日本より株について書かれている本や研究が盛んで勉強がしやすい

(1)世界の成長を取り込む企業が集まるアメリカの市場

今まで米国株に投資をしたことがない人は、アメリカの企業なんてよくわからないよと思うかも知れません。でも、よく見渡してみるとよく知っている企業がたくさんあることに気づくはずです。コカコーラ、マクドナルド、P&G、ディズニー、Google、アップル、Facebookなど、これらは皆さんよく知っていると思います。

こういった世界中で活躍し、世界経済の成長を取り込んでいる企業がこぞって上場している市場がアメリカの市場です。海外に進出するだけなら日本企業も行っていますが、日本の株式市場とアメリカの株式市場の大きな違いは、世界で展開している規模の大きさ(コカコーラの製品は世界で毎日億19億本飲まれ、IBMは世界176カ国・地域に進出しています)とそのような企業の数の多さです。

アメリカも日本も自国のGDPの成長率はさほど高くありません。とはいえ、新興国に直接投資をするにはリスクが高いです。世界の成長を取り込んでいるアメリカ上場の企業は投資対象として、バランスが取れていると思います。

(2)株主に価値を還元する風土がある(配当金と自社株買い)

日本と米国の企業で一番の違い、そして投資先としての最大の魅力はこちらかもしれません。アメリカの企業は、「会社は株主のもの。会社の利益は株主に還元する」という文化があるため、利益を株主に還元する動きが大きいです。企業の経営陣も株で報酬を得て株主の一員となっているため、株価・配当を意識した経営をする企業が多数あります。会社の利益を株主に提供する主な手法が配当と自社株買いです。

株主は企業が出した利益の一部を配当として現金で受け取る権利があります。アメリカの企業の多くは配当を重視しており、めったなことでは配当を減らすことがはありません。また、日本でも花王など一部の企業は毎年配当を増やす(増配する)企業もありますが、アメリカはそういった企業が大勢あります。

銘柄 テッカーシンボル 連続増配年数 年間平均増配率(1999-2013)
P&G PG 58 10.00
3M MMM 56 6.09
コカコーラ KO 52 9.38
ジョンソン&ジョンソン JNJ 52 11.84
キンバリークラーク KMB 42 8.42
ペプシコ PEP 42 11.12
ウォルマート WMT 41 17.25
マクドナルド MCD 38 23.35
エクソンモービル XOM 32 8.11
アフラック AFL 31 18.18
AT&T T 30 4.61
マコーミック MKC 28 10.48
シェプロン CVX 26 8.61

また、株主に利益を還元するもうひとつの方法の自社株買いとは、会社のお金で自社の株を買うことをいいます。これにより市場に出回る株の総数が減るため、株主の一株あたりの利益を増やすことができます。一株あたりの利益が増えるわけですから、一株あたりの価値である株価も当然あがりやすくなります。アメリカ上場の企業はこれらの配当金と自社株買いで株主に利益を得上げる風土が有り、多くの日本の企業にはない魅力です。

(3)日本より株について書かれている本や研究が盛んで勉強がしやすい

株について本で勉強しようとするとする時、著名な本の多くはアメリカ市場の株投資について書かれていることが多いです。ウォーレン・バフェット、ベンジャミン・グレアム、ジェレミー・シーゲル、ピーター・リンチなど、著名投資家の本は、繰り返し読む価値があるものが多いですが、その多くはアメリカ上場の株について考察しています。

参考のためお勧めの本を列挙します。

  • 賢明なる投資家(ベンジャミン・グレアム著)
  • 株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド(ジェレミー・シーゲル)
  • ウォール街のランダム・ウォーカー(バートン・マルキール)

このサイトでもこれらの本で書かれていたことを度々紹介していますが、読むたびに発見があるので、手元において気が向いたときに繰り返し読むのがいいと思います。先人たちの考えに触れて、自分の投資スタイルを見直し、実践すれば独学で投資を模索するよりも早く。これらのためになる本を実践できるのもアメリカ市場だと思います。

最後に米国株投資の短所についても触れたいと思います。

皆さんが一番の短所に感じているのは、言語の壁ではないでしょうか。企業の投資家向け情報をを公式サイトから閲覧しようとしても、英語が壁になって読めないなら気がめいってしまいます。ですが、私が実際に投資をしてみて思うのは、投資のスタートの時点ではほとんど英語力がなくても、どうにかなるということです。もちろん英語力があれば、色々な情報にアクセスできるようになるため、がんばって読もうと思いますが、投資をやっていく中で、必要な単語や言葉を覚えていくのが自然だと思います。また、最近では証券会社が外国株投資のための様々な情報を日本語で提供してくれているため、売買をしていて困ることもないと思います。最低限必要な情報も簡単に日本語で得られると思います。

もうひとつの短所は企業に触れる機会が限られているということです。言語の問題よりもこちらのほうが、大きいのではないかと思うのですが、アメリカ上場の企業のため、会社の大半ははじめは聞いたこともない企業だと思います。Appleやスターバックスなど日本で展開している企業は、サービスも魅力も実感ができ、企業の魅力も体験できますが、名前も知らない企業の何が魅力なのかよくわからないことも多いと思います。ですがこちらは、何も急いで解決しなくても時間が解決してくれるでしょう。長いこと株をしていれば、いろんな企業の名前・サービスを耳にすることがあるので、その中で少しずつ知識を広げていくことになると思います。

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Part4: どの株をかったらいいのか

以前からブログを読んでいる読者にとっては、この記事は既出かもしれません。ですが、初めてこの記事を書いた2014年5月以来、考えを改め再考している箇所もあるため、既読の方はその違いを読み取ってもらえればと思います。

さて、今日のテーマは「どの銘柄を買うか」です。これこそ時代を問わずみんなが抱く本質的な疑問ではないでしょうか。

株を運用している時に考える事、悩む事は多くあります。例えば「株・債券などのリスク資産と現金の割合」、「値上がりした株をいつ売却するのか」「値下がりした場合に買い増すか、損切りをするか、どのように対処するのか」など。でもこれらの問題の中でも、特に本質的なものが銘柄の選択、つまり「どの株を買うのか」だと思います。それは、株を買うとは利益を得る権利を買うことに他ならないため、株の利益の根源は「買う」という行為から生まれるからです。買うべきものが見つからないなら買うべきではなく、現金と株の資産の配分を考える必要がありませんし、値上がり後、値下がり後の対処法を考える必要もありません。

では、ここからが本題です。どの株を買えばいいのでしょうか。それがわかれば苦労しないよ、という非難の声が聞こえてきそうです。ですが、私個人の見解では、正解はないどころか、1つではなく複数存在するように思えます。その正解の一つは私たちにもなじみがある数字、ダウ・ジョーンズ工業株価平均に見てとれます。

1つ目の解:ダウ30銘柄を保有する

ダウ・ジョーンズ工業株価平均は1896年5月26日に初値40.94ドルをつけ、2014年5月9日では16,583.34ドルにまで上昇しています。約118年間で16542.4ドルの上昇、400倍超。年率に換算すると5.22%です。この指数には、配当金が含まれていませんので、もしダウ銘柄と同じものを保有していた場合の利回りは約7%ほどになります。

十分なリターンではないでしょうか。年率7%とは今100万円を投資したとして配当金を再投資するだけの運用で、30年後には761万2217円にもなるのです。平たく言えば7倍です。今、お手持ちの資金を7倍して下さい。それが30年後の自分が受け取る金額です。少なくとも私には十分です。私が考える銘柄選択の正解の一つは、ダウと同じ銘柄を持ち続けることです。これは100年を超える歴史に裏付けされた手法で、リーマンショックを含むいくどもの世界的金融危機や、20世紀の2度の世界大戦の混乱をも耐え抜き、文字通り戦火をくぐり抜いた代物です。

2つ目の解:とにかく銘柄を増やす

では、このような優れたダウ平均銘柄を生み出したダウ・ジョーンズ社やウォール・ストリート・ジャーナルの編集担当者達は天才なのでしょうか。もちろん、ずば抜けた優秀な人達ではありますが、特別に天から備わった才能を持っているという訳ではないようです。ここで一つ注目に値する事実が、この30銘柄で構成されるダウ平均が、S&P500などの他の米国市場指数とほぼ同程度のリターンを残すという点です。つまり、年率7%を得るには、何も特別な30銘柄が選択できなくとも、一定以上優良な銘柄を多数持てば実現可能だという事実です。私の考える銘柄選択法の正解の2つ目は、「リターンを米国市場平均に近づけるためにとにかく銘柄を増やす」です。銘柄選択法の正解1つ目も、2つ目も実は同じことを言っています。米国市場平均の年率7%を実現するための方法として、1つ目の方法はダウ30銘柄を買う、2つ目はとにかくたくさん買うということです。

「なんだ、ダウ銘柄は特別じゃなかったんだ。ただの市場の平均だったんだ」という理解でいいと思います。ただし、30種の銘柄だけで市場平均と同じリターンを得られたのは、やはりダウ・ジョーンズやウォール・ストリート・ジャーナルの編集者達の頭脳の功績です。また30銘柄あれば市場平均に近づける事を、歴史を持って証明したところにダウ平均の価値があります。

そしてこの私はといいますと、基本的にはダウ採用銘柄だけでなく、「とにかく銘柄数を増やす」という方法を採用しています。最終的には50以上80程度まで銘柄数を増やし、市場平均に連動したポートフォリオを作るつもりです。ダウ採用銘柄だけに絞らないのは、ダウ銘柄は好景気時に株価が上昇がしにくい傾向があり、周りが儲けている時に、自分だけ劣っているのは精神衛生上よくないと思ったからです。その分、危機の時には大きく評価額が下がる恐れもありますが、ずっと売らないことを決めているなら、大きな株価下落はバーゲンセールと考えられるので、それはそれで歓迎です。

ここで一つの疑問が生じます、米国市場平均の5%に配当金を合わせて7%のリターンを得たいなら、個別銘柄に投資する必要はなく、米国市場平均に連動したインデックス投資信託やETFで良いのではないかと。確かにその通りです。しかし、手数料という大切な点を忘れては行けません。投資信託、ETFを作った証券会社の裕福な給料は、私たちの支払う決して安くない手数料から得ていることをお忘れなきよう。また、投資信託やETFで運用をお任せしていて楽しいでしょうか?各銘柄の値上がり・値下がりに一喜一憂したり、支払われる配当金にワクワクしたり、次に買う銘柄にあれこれと頭を悩ましたりとする時間が投資の楽しみのはずです。長期投資で楽しいことは何より大事です。30年、50年と続ける長いものになるので、すべておまかせでラクラクもいいですが、自分で成し築きあげる喜びがあるほうが、実りある時間が過ごせる気がします。

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Part5: 長期投資の投資スタイルについて

目的によって投資のスタイルがかわるので、ここではあくまでも私がなぜ今のスタイルに落ち着いたか理由を書きたいと思います。まず前提として、次のことを念頭においています。

前提:株価はいつ上がるか・下がるかはわからない

大前提なのですが、これを基本に考えていきたいと思います。株価があがるもしくは下がるタイミングは恐らくこれからどんなに勉強しても、経験を積んでもわからないと思います。それがわかるようになっていれば、今までそのような先人が現れているはずですし、全世界中の投資家にわからず、自分だけが株の予測が正しくできることはないだろうと思っています。

スタイル1:株は買うのみで売らない(安く買って、高く売るという幻想)

基本的には途中で売るような企業なら最初から買わないつもりで、購入しています。今のところ、この投資スタイルをはじめた2013年5月からは一度も売却していません。

安い時期に株を買って、高い時期に株を売ることは不可能ではないと思います。例えば、リーマンショックなどでは連日のように世界中の金融の首脳たちが経済政策を話し合い、マスコミに発表している姿から不況を感じ取り、そのようなタイミングで株を買うことは可能です。また、失業率の改善のニュースから、好景気を感じ取り、不況時に買った株を売却することは可能なはずです。おそらく不況時よりは株は上がってるはずです。問題はそのような買い方は、たいていの場合に市場平均(ダウ工業平均・またはS&P500)よりも儲けが少ないことでしょう。

なぜそういいきれるのか、ひとつ目の理由は不況だと判断できてもその不況がいつ底を打つのか、その時点では誰にもわからないためです。「10%下落したら買おう」、「20%下落したら買おう」という考えが浮かんでも、20%下落したら、安全だとという保証はありません。現にリーマンショック前のダウ平均は2008年9月15日の11,421ドルから2009年3月9日の6,547ドルへと43%下落しています。なので、景気の底がわからないので安く買うことが難しいので思いのほか安値で変えないという事情があります。

ですが、もっと難しいのはいつ売るかです。景気の底がわからなくても、市場平均を下回ることはありませんが、いつ売るかで失敗すると市場平均を大きく下回る恐れがあります。リーマンショック時買った株が50%も値上がりしたと言って売った人は、その時は喜べたかもしれませんが、2014年には17,000ドルを超えたニュースを横目に、「ずっと持っていれば2.5倍になったのに。」と嘆いていることでしょう。株価が下がるタイミングがわからない以上、基本的には売らないことが次善の策になりそうです。

生活資金と投資用のお金は別に持っておくのが鉄則なので、生活のために持っている株を売ることも今後ないと思います。もし売るとなれば、仕事をやめた定年後・引退後でかつまとまったお金が必要な時、必要な額だけ売却となると思います。

スタイル2:定期的に追加投資を行う

買ったまま放置するだけでは、市場平均を上回るのは難しいでしょう。私たち、個人投資家にとってプロでもコンスタントに上回るのが難しい市場平均の成績を超えるには、値下がりした株を買うことが大事です。大規模な資金がない個人投資家は必然的に、投資できるお金が手元にたまったら、追加投資をするスタイルになると思いますが、そのスタイルこそが市場平均を上回るきっかけを与えてくれるはずです。

大事なことですが、もちろん配当金は全額再投資です。この配当金がダウやS&P500を上回る源泉になるからです。これも定年・引退するまで変わらないと思います。

スタイル3:株にかける時間は極力少なくする

一日中チャートを眺めていても飽きませんが、ずっと見ていてもそんなにかわるもんじゃないです。ボーっと株をチェックしているだけで、何十年が過ぎ、お金は手に入れてもその間の生活が空っぽだったなんてことになったら、何のために投資をしていたのかわからなくなります。数日、数週間ほおって置いても大丈夫なように、分散された銘柄選択をしておきましょう。

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Part6: 長期投資家、2つの心得。

ここでは長期の個人投資家の方へ、きっと心構えをしておくといいことを2つほど紹介します。その2つはこちらです。

  • 生活が劇的に豊かになることはない
  • 損しても動揺しない覚悟

生活が劇的に豊かになることはない

投資をやる前は、多くの人が大金持ちを夢見ます。が、しかし。実際に投資をすると何と地味なことか。月に1回から2回しか購入もせず、一気に大きく値が上がる事もなく、日々の値動きはわずかに増えたり、減ったりと、正直じれったいです。長期で投資をするはずが、あまりの味気なさに、気づくと刺激を求めて短期売買に走った経験がある人も多いのではないかと思います。

私自身、実際に投資をしても、生活が豊かになったと実感することはないです。少し変わったと言えば、街に自分が投資している会社の商品が増えてきたことくらいでしょうか。iPhoneに入った音楽を聴きながら、スターバックスに入ってコーヒーを注文し、アメックスのクレジットカードで支払いをする。家に帰れば、ジョンソン&ジョンソンのコンタクトレンズをはずして、お風呂ではP&Gのシャンプーで頭を洗う。ちょっとずつではありますが、「自分の会社」の商品が増えてきて、「おっ、この商品の会社も株主は自分だぞ」と小さな優越感に浸れるくらいです。現在の投資スタイルを確立して1年、初めて投資というものをしてから7年の現時点では、生活が豊かになった感じはまったくありません。

長期投資をする人は、投資をしたってすぐに何も変わらないもんなんだと認識しておくといいと思います。でないと、あまりに退屈な投資スタイルに飽きて、つい投機的な短期な投機に誘惑されてしまうので、ご注意を。

株が下がっても動揺しない覚悟

長期投資家にとって、一番大事なのは株が下がっても動揺しないことではないかなと思っています。値下がりした時こそ、バーゲンです。株も普段の買い物も、安いときが買いどきなのは同じはずです。服も靴も、野菜も魚も安い時にこぞってみんなが買いに走るのに、どういうわけか株のことになると世の中の多くの反対の行動をとってしまいます。私も含め、みんな損するのが怖いと思っているからです。

買ったり売ったりで利益を出すスタイルを捨てて、長期的に利益を出そうとしている人にとって、本来株の売却はほぼ考えなくていいはずです。ある産業が衰退するような大きな技術革新などで全く企業の収益の見通しが立たなくなる場合は別ですが(例えば、電気が普及した後のろうそく販売の会社など)、それ以外に売ったほうがいいような状況が生まれてしまったら、それは買った時点でもはや間違っていたのでしょう。

では不況時にどれくらい株価は下がるのでしょうか。リーマンショック時のダウ平均の株価の推移を見たことがある人は、株価は40%程度下がっているのが見れると思います。100万円投資している人は40万の損、1,000万円投資している人は400万の損です。(もはや人ひとりの年収ですね。)そんな巨額なお金を失って、動揺するなというのは難しいです。この損失の大きさが、人々を株の売却に走らせる怖さです。ですが、明日、来月、近い将来に、大きな下落が起こった時に、世の中の多くの人のように売りに走るのではなく、いつもの月のように給料日後に変わらず追加購入する心の準備をしておけたら、市場平均を上回るのはきっと容易いです。できたら、株のバーゲンが始まったときに、普段は高くて手が出ないけど、安くなった時に買いたい銘柄をいくつかリストアップして備えておくと万全です。

蛇足ですが、不況時ではなく、好景気のときはどうしたらいいでしょうか。個人的な意見では、好景気でも基本的には、毎月変わらず一定額を買い続けるのがいいと思います。理由は(1)いつまであがるかわからないので、不況を待っているうちに大きな上昇の波に乗り遅れることがないようにするため,また(2)不況が来るまで待っていて買わないで、その間の配当金を逃すことのないようにするためです。

最後に

「お金は全てではない」と言った言葉は誰が言ったのかわからないくらい有名な言葉です。この言葉には、いわずもがなお金は大事であるという前提があります。

お金は大事であるはずなのに、なぜかお金について親以外から教わった経験が私にはありませんでした。私がお金に対する考え方が変わり始めたのは、大学4年の頃だったと思います。金持ち父さん・貧乏父さんを読んだことがきっかけです。

あと5年早く今の投資スタイルを確立していれば、今頃いくらの資産になってただろうと皮算用することがよくあります。振り返って見れば、私にとっては投資を始めた頃の数年はまったくパッとしない数年間でした。中でもリーマンショック時のFXの失敗はいい思いです。回り道もたくさんし、ようやく近年投資のスタイルが確立してきたと思います。後から振り返ると、それらの回り道は必要な勉強だったのだろうと思います。

私にとっては経験をしないとわからなかった苦い経験でしたが、できれば経験せずに一足飛びに今の投資スタイルを確立したかったと思うのも事実です。他の人の投資スタイルなどがもっと学べたら、今より時間がかからずに、苦労もせずに資産を形成できていたかも知れません。このサイトで実践している投資は、数ある投資スタイルのうちのたった一つでしかありませんが、読者の皆さんの参考に少しでもなれればと思います。

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