次世代通信5Gで何が変わるのか。10年後はスマホを持たないサービス化の時代へ。

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※2/20記事を更新しました。

5Gは結局何が嬉しいのか

2019年にはWi-Fi次世代規格Wi-Fi 6が本格スタートし、さらに2020年には次世代携帯電話通信5Gの一般利用が始まり、通信速度が10倍以上に早くなります。

この1-2年で身の周りの通信環境が劇的に変化するわけですが、こうした通信速度が速くなるタイミングになるといつも疑問に思うことがあります。

これ以上速くなって、何が嬉しいのか」と。

いま、ドコモやソフトバンクなどの通信会社のサイトを訪れると「5Gになって変わる私達の生活」という趣旨の様々な特集を組んだサイトを見ることがきできます。その中で紹介しているものを見ると、次のようなものです。

「これからはARやVRが流行る!」
「スポーツ観戦を4K/8K動画で楽しめる!」

通信会社の展示会などではVRを使ったスポーツ観戦体験などを5Gのデモで見るのですが、観客としてデモを体験して後に、口では言えないもののいつも思うことがあります。

「これって、そんなに嬉しいことですか?もっと何か劇的に生活が変わることがあるんじゃないですか?

過去10年の変化から通信速度が生活に与えた影響を振り返る

2010年にドコモのFOMA(3G)からXi(4G LTE)に変わる時に、当時の私はどうしても通信速度が早くなると何が嬉しいのかわかりませんでした。

しかし、今この記事を書いているのは2019年です。2010年から2019年の約10年分の出来事を振り返ることで、2010年当時感じていた「4Gになって高速通信が可能になったら、生活の何が変わるか」の疑問に答えることができます。

この10年間での主な劇的な変化は以下です。

  • スマホが大流行(PCで作業した大部分をスマホに移行。もはや持ち歩くPCになった)
  • 音楽・動画ストリーミングサービスが流行(動画だとしても見たい時にいつでも、どこでもダウンロード)

スマホは複数のアプリが絶えず通信を発生させるので、もし3Gのままだとしたらスマホを使う度に画面が固まる耐えられないストレスがかかっていたはずです。4Gで通信が高速化したからこそスマホが流行り、(1)いつでもどこでもネットに繋がるようになりました。また、4Gの高速回線だから(2)動画のような大容量データをダウンロード可能になりました。

4Gが起こした変化1:いつでもどこでもつながる

現在のLTE(4G)と呼ばれる通信回線が普及する前の2000年代、当時は流行っていたSNSのmixiやインターネット電話のskypeも、夜自分の部屋でPCで見るものでした。時間を合わせてskypeにログインして、友人もオンラインになるのを待って、会話していたものです。

でも、今は違います。持ち運べるPCのような存在のスマホが流行したことで、いつでもどこでも自分も相手もオンライン状態になり、好きなタイミングでLINE電話をします。

4Gが起こした変化2:音楽のダウンロードから動画のダウンロードへ

また、音楽や映画の楽しみ方も劇的に変わりました、昔は「着うた」などで月に何曲かダウンロードし、手もとのガラケーの中に入っている音楽を効いていましたが、今はApple MusicやYoutubeなどで”好きな時に好きな”音楽や動画をダウンロードして、それを見聞きしています。

つまり、3Gから4Gに代わったこの10年間は、いつでもどこでもオンラインになって人とつながり、webサイトを見れるようにし、動画のような大容量データであってもその場でダウンロードできるようになった10年でした。

5Gで何が変わるのか

では、3Gから4Gへの過去の変化を振り返ったとことで、その延長としての5Gが作り出す未来では何が起こるのかを考えてみましょう。私の予想では、今まで以上にインターネットにつながる時間が極端に長くなり、動画以上に大容量のデータがダウンロードされるようになります。もっと具体的に言えば、動画以上の大容量のデータとはスマホです。スマホすら常時持ち歩かなくなり、必要なときにだけ近場にあるシェア用のスマホにダウンロードされるようになると思います。

5Gが起こす変化1:起きている時間は全てオンライン

we are socialで公開されている調査によれば、2018年の平均的な世界の平均的なインターネットの利用時間は6時間42分だったそうです。4Gから5Gに代わり、今まで以上にいつでもネットに繋がる時間が長くなるのは自然な流れです。ただし、この数年で巨大化して持ち歩きにくくなったスマホをいつも手に持って、見続けるのは現実的ではありません。

これからの10年で今以上にネットに繋がる時間が増える時、使われる機械はスマホ以外の別のものになります。

スマホの代わりに持ち歩く機械は、”OK, Google”で起動するGoogleアシスタントのような音声アシスタントが搭載されたイヤホンマイクやネックレスが流行るのか、何が流行るのかは現時点ではまだ見えていません。人前で”OK, Google”と言いづらい時には、指輪型で指を動かすだけで”OK,Google”の代わりになり、指の動きでコンピュータからの問いかけに「はい」「いいえ」を返答できるなど音声入力を保管できる道具が必要になるのかもしれませんが、次の10年で確実に流行るのは音声入力です。

最近の音声技術の発展はめざましく、少なくとも英語では現時点の技術でも音声指示だけで、次のことができるようになっています。

普段は、音声や簡単なジェスチャーだけでネットに繋がり、写真や動画を見るように画面が必要な時だけ、スマホを見るようになる変化は次の10年で起こると思います。

5Gが起こす変化2:スマホをダウンロードする

今までの10年はPCを持たなくなり、スマホで多くが完結する世の中に変わりました。今では、PCでないと効率が悪い時にだけPCで作業するというのが当たり前になっています。次の10年では、音声を中心にネットに繋がってスマホすら常時持たなくなり、動画を見るなど画面が必要なときだけスマホを使うようになると思ってます。

また、既にスマホをいつも持ち歩く習慣を失った場合、たまに開くスマホは自分専用のものではないかも知れません。

家のダイニングテーブルに置いて家族でシェアするスマホでも、オフィスのデスクや置いてあるシェア用のスマホでも、カフェのテーブルに埋め込まれたタブレットでも5Gで高速なダウンロードが可能になれば、自分のスマホでなくても、ログインした瞬間に自分のスマホの設定・アプリ・データを瞬時にダウンロードできるようになり、自分のモノに早変わりできるようになるからです。

ただし、5Gになったとしてもスマホまるごと全てを一瞬でダウンロードするにはさすがに通信速度が足りません。Youtubeのような動画がすぐに再生しなければいけないシーンからダウンロードし、再生しながらも裏でダウンロードを続けているように、スマホもホーム画面や直ぐに必要なアプリだけ優先的にダウンロードする仕組みの工夫は必要だと思います。

5Gが起こす変化3:スマホのサービス化

ここまでで5Gになると、(1)今後は音声入力できるGoogleアシスタントのようなものが搭載された機械を身に着けて、起きている間いつもネットに繋がるようになること、(2)画面が必要なときだけスマホ(スクリーン)に自分のスマホデータをダウンロードして使うようになる変化をお話しました。

最後に付け加えることがあるとすれば、「スマホを買う」という行為が変化すると思っています。

どんなスマホでも、自分のスマホデータを瞬時にダウンロードできるようになった場合、スマホの機械本体よりも自分のスマホデータこそが価値あるものになります。人は価値あるものにこそお金を支払うので、人々は「スマホ本体」ではなく、「自分のスマホデータを安全にクラウドに保存して、どこにでも瞬時にダウンロードできるサービス」にお金を支払うようになります。

iPhoneを買って1回きり10万円支払う今のスタイルから、価値が少なくなったスマホの本体は限りなく低価格で購入し、スマホダウンロードのサービスに毎月数千円のお金を支払う形に変化します。

スマホサービスを提供する企業としても、今度発生する膨大なネットワーク通信費を1回きりのスマホ本体台でまかなうのが難しいからです。

(日本企業にとっては辛いことかもしれませんが、スマホの部品などのモノづくりで儲ける時代は終わりを告げます。次の10年で儲かるのは、スマホのサービスをクラウドで提供する会社になります。)

スマホサービス化に取り組む企業候補

5Gの本格リリースのタイミングで通信環境は整うと思いますが、問題は技術的に難易度が高いこのスマホサービス化をどの企業が着手するかです。私の予想では、アップル、グーグルが最有力候補です。

5Gと言えどもスマホやPCのデータ全てを瞬時にダウンロードするには通信速度が足りないことは先程触れました。この技術を実現するには、必要なタイミングで必要なアプリとデータだけダウンロードするようにOSレベルでのプログラム改修が必要です。なので、iPhone用のiOSを開発しているアップル、アンドロイドOSを開発するグーグルが自然と候補に上がってきます。

このOS改修は大規模なものになるので、今から着手したとしても数年かかると思われます。ですが、これはスマホのサービス化(サブスクリプション化)と呼べる大きなチャレンジです。毎月世界中のユーザから数千円を課金できれば、スマホ市場はまだまだ大きくなります。定額制料金は一度会員になれば解約や起きにくいことに加え、ユーザが離れない程度にじわじわと値段をあげられるため、収益を上げやすいからです。

ここで成功した企業はスマホの勢力図を大きくかえるチャンスを持っていると思います。


参考記事:

スマホがサービス化する理由、そう結論づけるに至った考えの過程。