あけましておめでとうございます。2020年になりました。
私は、1年間の相場を予想できるほどの能力を持ち合わせていませんが、いろんなものを見る限り、2020年も米国株市場は、ゆるりと上昇していくんだろうなと感じています。
2019年は悲観的な予想をしていましたが、懸念してたリスクはかなり後退したように思います。
2020年は米国株とインフレ率は上昇して、一方で国債は売られて利回りが上昇するのが一般的な市場の見方のようです。私も概ねそのような展開になるのだろうと思っています。アメリカ株はよく買われていますが、バブルではありません。
基本的な認識はこうです。アメリカは景気拡大期後半に見られる、株の上昇局面にいる。この時期の株価の上昇は、後に泡と消えることがあるが、2020年に大きな株価の下落が起こる気配はほとんど感じられない。といったところです。
つまり、全額株に投資するのではなく、資産の中でも一部で米国株を保有して、上昇していく株を眺めて楽しむ程度が2020年の私の投資スタンスになると思います。
この記事のポイント
- 2019年景気の悪化を予想していたのは、FRBの金融引き締めと中国の景気減速が理由だったが、2つともリスクは後退しつつある。
- 2020年はアメリカ経済の景気は1.8%成長に減速するものの、景気後退とは程遠い状況。
- ただ、ニューヨーク連銀の景気後退予測モデルでは2020年夏に30%程度の景気後退を予想している。一番の懸念材料はこのデータ。
2019年に景気の悪化を予想したアメリカと中国の事情
思い返すと、2019年の1月は今後の経済は悪化すると予想を立てていました。その時は、アメリカの中央銀行FRBは景気の加熱を抑えるような政策を取っていた上に、中国の景気の急減速が報じられていました。
>>今後の経済は悪化を予想。要因はFRB資産圧縮と中国景気減速。
しかし、2019年にFRBは景気の加熱を抑える政策を180方向転換して、中国も製造業を中心に景気の低迷に底打ちが見え始めたことで、2019年に心配していたリスクがだいぶ後退したように見えます。
FRB、引き締めすぎた2018年と180度方向転換した2019年。
2018年12月まで、FRBは「政策金利の引き上げを続けますよ」「中央銀行が買った国債の処分もやっていきますよ」と株に良くない影響を与えるもの(金融引き締め)を2つも実施していました。この2つの政策を2019年に180度方向転換して、株に良い影響を与えたのが2019年でした。
中国に関しては2019年にデフォルトになった債権が急増したなど、まだまだリスク要因はありますが、少くともアメリカ国内の景気減速のリスクは格段に小さくなりました。
景気後退リスクが交代した2020年
2020年に景気後退(マイナス成長が2四半期続くこと)が起こるかというと、私はその確率はかなり低くなったように思います。
- 市場に資金が足りなくなるような金融危機の兆しは今のところない。(レポ金利急騰もFRBが抑え込んだ)
- 2000年のITバブル、2006年の住宅バブルの崩壊のような前兆もない。
Factsetの予想では2020年のアメリカは1.8%成長とかなりの低成長を予想していますが、今のグラフで前回の金融危機の2009年と比べるとずっと楽観的な数字だというのがわかります。
ニューヨーク連銀の景気後退モデルが警告を放っている
ただし、1点だけ注意したい点があります。過去にかなりの高い確率で景気後退を予測してきたニューヨーク連銀の景気後退予測モデルが2020年夏ごろに、景気後退入りする確率30%ほど見込んでいることです。
この確率は、リーマンショック時と同じ程度まで上昇しています。
詳細:『2020年夏に米景気後退か。ニューヨーク連銀の予測モデルが警告』
2020年年初の今は、アメリカ市場はかなり順調に見えます。しかし、私はかなりこの景気後退モデルの警告を警戒しています。なので、アメリカ株は全額で投資せずに、一部の資産に限定して上昇を楽しむ程度に止めようと思っています。
私は2007年から投資をしていますが、景気後退期の投資はリーマンショックの1回しか経験していません。景気の悪化局面での投資は、初心者同然なので、そのへんをわきまえてリスクは抑えた投資をしようと考えています。