アップルの1-3月期決算が発表になりました。
相変わらずの低成長ですが、思っていたほど悪くなかった模様です。
この記事のポイント
- 1-3月期の業績は予想ほど悪くなかった。マイナス成長ではあるが、売上も一株利益も事前のアナリスト予想を超えた。
- 4-6月期の業績見通しについても、経済の悪化がなければ1-3月と同程度のものが予想されるとCFOが発表した。
- 4-6月期は恐らくアメリカでの大きな景気の悪化はまだない。なので、4-6月期もアップルは低成長で落ち着くと思われる。
予想ほど悪くなかったアップルの1-3月期
2023年1-3月期の業績を振り返っていきます。
- 一株利益:$1.52(予想$1.43)
- 売上:$94.84B(予想$92.96B)
今回のアップルはアナリストが予想していたほど悪いものではありませんでした。売上も一株利益もちゃんと事前の予想を上回っています。
とは言え、それほど立派な数字ではありません。売上も営業利益もマイナス成長でした。
単位B:10億ドル | 23Q2 | 前年比 |
---|---|---|
売上 | $94.8B | -3% |
営業利益 | $28.3B | -6% |
一株利益 | $1.52 | 0% |
成長率の推移を見ていると、マイナス成長率は(一時的かもしれませんが)息を吹き返したようにも見えます。
まとめると、アナリスト予想を超えたこと、前回決算よりも成長率が改善したのはよかったものの、アップルの1-3月期は低成長に苦しんでいると言えそうです。
iPhoneは善戦、Macは苦戦
製品別の内訳を見ていると、iPhoneはまずまず頑張り、Macは苦戦していると言えそうです。
スマホは世界的に売上落ち込んでいる中で、iPhoneはプラス成長をなんとか維持しています。ただ、Mac(PC)は全四半期によりも成長率を落とすなど、なかなか厳しい様子が見られます。
4−6月期のアップルについて
1-3月のアップルは思っていたほど悪くなかったことは、ここまでで書きました。
では既に1ヶ月を終了した4-6月期の業績についてはどうでしょうか。
アップルの決算発表の場でCFOがいくつか4-6月期のコメントをしているので、取り上げたいと思います。
- 経済の見通しが悪くならなければ、4-6月期の成長率は1-3月期と同じくらいの前年比成長率になると予想している。
- 現時点では経済の逆風によって、アップルのサービスビジネスに含まれるデジタル広告とモバイルゲームの分野で苦戦が見られる。
「経済の見通しが悪くならなければ」という条件付きですが、どうも4-6月期の業績は1-3月期と同じような成長率で着地しそうだという話が出ています。
私の予想になってしまいますが、4-6月期でアメリカの景気が大きく崩れるとは思っていません。景気が崩れるのは年後半になってからのはずです。
アトランタ連銀のGDP予想モデル(GDPNow)でも4-6月期は+2.7%で成長すると予想しているので、4-6月のアメリカの景気はまだ持ちこたえると思っています。
なので、アップルは恐らく4-6月期も低成長が続くというのが基本シナリオになりそうです。
なお、これくらいの低成長ならアップルにわざわざ投資する必要はあまりないとも思っています。いずれにしろ、米国株への投資の再開はアメリカの景気が底打ちしてからで、それにはもう少しだけ時間がかかると思います。