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ようやく割高感が薄れてきたアドビ【22年第1四半期決算】

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アドビの決算発表があったので、ここで振り返っておきたいと思います。

アドビの株を持っている人や購入を検討している人にとっては、ロシアとウクライナの戦争の影響がアドビにどう影響するかが気になるところかも知れませんが、直接的な影響は少ないと思われます。

それは今回の決算期がウクライナ戦争を数週間しか含まなかったという意味ではなく、そもそも売上に影響が出るロシア、ウクライナ、ベラルーシでの売上規模が小さいことによります。

この記事のポイント

  • 売上も一株利益も予想を上回る業績だった。
  • ウクライナの戦争が開始されてからロシア・ベラルーシでの新規販売を中止し、ウクライナでのサービス延長を
  • 2021年11月から約4割株価は下落した。まだ割高だが、かなり良いペースで割高感は解消されている。

予想を上回った決算


2022年第1四半期(22年3月4日までの3ヶ月間)の決算は予想されていたものよりも良い結果でした。

売上も一株利益も事前のアナリスト予想をちゃんと上回りました。

  • 売上:$4.26B(予想4.24B、前年比+9%)
  • 一株利益:$3.37(予想$3.34)

ただし、成長率は少し前のアドビを知っている人から見るとかなり物足りない印象があるかも知れません。

今期は売上がわずかに+9%にとどまりました。

成長率の鈍化の原因については前年が好調だったこと、世界の景気拡大がやや鈍化してきたことが原因な気がします。

ウクライナ戦争の影響

冒頭にも書きましたが、ウクライナ戦争の影響が気になる人も多いかも知れませんが、アドビの売上にはそれほど大きな影響はないと思われます。

アドビの動きを確認しておくと、ロシアとベラルーシには新規販売の停止、ウクライナにはサブスクリプション(定期購入)を自動的に契約を延長をする処置をしているようで、その分の売上が減少する見通しです。

  • ロシアとベラルーシでのアドビ製品の新規購入を停止
  • ウクライナでは、アドビ製品のサブスクリプションを自動更新(契約延長)

これらの3カ国の対応でアドビの売上7500万ドルの影響を受けると言いますが、2021年の世界でのアドビの売上に比べると0.5%にしかならないので、直接的な影響は少ないと思われます。

割高感が消えてきたアドビ


すでにアドビに投資している投資家やこれから投資を考えている人にとっては、ウクライナ戦争よりも気になるのはアメリカの政策金利の引き上げ(利上げ)かも知れません。

政策金利の引き上げは、割高な株ほど株価が下がりやすいので、去年2021年まで割高だったアドビの株は大きな影響を受けます。

実際に2021年11月以降にアメリカの利上げ予想が次々と引き上げられて、22年3月までにアドビの株は約40%下落しています。

また、下の記事で書いたようにこれからますます金利の引き上げが行われる予定なので、アドビの投資家は戦争よりも金利の行方が気になるところです。

>>2022年内に9回分の利上げを予想する市場

ただし、既に40%も下落したので、これから起こる下落はこれよりも少しマイルドになるだろうとも思っています。

2021年まではアドビ株は割高だったのですが、40%下落したことで割高感はだいぶ薄れてきました。割高度合いをはかるPERを以下のグラフで見ても、コロナ以前の状態に戻ってきています。

アドビは安定して稼げる良い企業なので、この株がさらに下がることがあれば購入を検討して良い段階に来ていると思います。


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