前月よりわずかに悪化したADP雇用統計。政府発表の雇用統計にも不安を残す内容に【19年10月ADP】

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アメリカの政府発表の雇用統計は、発表された内容の良し悪しで相場が大きく動く重要な指標です。その政府発表の雇用統計を前に、民間ADP社が独自に調べた雇用統計を発表しました。

政府雇用統計の先行指標として見られるADP雇用統計ですが、雇用者数の増減の結果は事前予想は超えたものの、前月より1万人下回る結果でした。

  • 予想:12.0万人増
  • 結果:12.5万人増で予想を上回るものの、前月13.5万人は下回る

出典:ADP National Employment Report: Private Sector Employment Increased by 125,000 Jobs in October(ADP)

グラフを見ても、今回のADP雇用統計は予想は上回りましたが、2018年までの堅調さに比べるとやや低調かなと思う形をしています。

ムーディーズのチーフエコノミストのマークザンディ氏も同じ用に2018年から2019年にかけて雇用が弱くなっている点に触れています。

Job growth has throttled way back over the past year. The job slowdown is most pronounced at manufacturers and small companies. If hiring weakens any further, unemployment will begin to rise.

この1年で雇用の伸びが衰退しています。雇用減速はメーカーや小さい規模の企業で著しいです。雇用がさらに弱まれば、失業率が上昇し始めるでしょう。

ただ、悲観的な内容ばかりでは内容です。ADP研究所のコメントによると、製造業は弱さを見せたものの、ヘルスケアセクターや中程度規模の企業では底堅く利益を上げているとのことです。

10月は1週目から発表された経済指標の結果が立て続けに悪い内容で、市場もかなり乱高下したのですが、その間小さい企業はダメージを追ったものの、比較的規模が企業は利益をまだ上げていたようです。この部分はいいニュースです。

ADP雇用統計とは

そもそもADP雇用統計について、もう少し説明を加えておきます。既に知っているよという方は、この章は読み飛ばしてかまいません。

ADP雇用統計ですが、アメリカ政府の雇用の発表の数日前にオートマティック・データ・プロセッシング社(ADP)が算出して発表する雇用者数データです。

ADPは給与計算を代行するビジネスを手がけていて、全米で数多くの従業員データを持っているので、それらのデータを用いた雇用統計を作成して発表しています。

【初心者向け】主要な米国経済指標を知ろう。

政府発表の雇用統計のほうが重要度は高いですが、その先行指標としてADP雇用統計には毎月注目が集まっています。

本場は11月1日発表の政府雇用統計

ただ、このADP雇用統計よりももっと重要なのは、11月1日(金)に発表される政府発表の雇用統計です。ADPはやや前月の悪い流れを引きずった感じがありましたが、事前予想は超える内容でした。ヘルスケア分野や規模の大きな企業ではまだ堅調さも見られています。

しかし、政府の雇用統計で悪い結果が出てしまっていては、再び暗雲が立ち込めてしまいます。

引き続き、気を引き締めて2日後の政府雇用統計を見たいと思います。最近は、雇用者数の伸びもさることながら、賃金上昇に注目が行くことが多いです。

雇用は既に歴史的低水準にあるので、個人の賃金が上がってくれればアメリカの消費と景気が良くなるだろうという考えからだと思います。なので、雇用者数だけでなく、賃金上昇率も予想を超える伸びを見せているかもチェックしたいと思います。


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