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民間企業から労働者への賃金支払額のグラフを眺めてみる

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昨日のブログでは、FREDというサイトでアメリカの民間企業から労働者への総賃金の伸びのグラフを作成しました。

せっかくグラフを作ったので、もう少しだけこのデータを掘り下げてみたいと思います。

  • 「労働者数」「週労働時間」「週給」を掛け算することで、民間企業から労働者への賃金支払い額をグラフ化した。
  • 景気が弱まってくれば失業率よりも早く、賃金支払い額の伸びが鈍化を示すはず。
  • 現時点で支払賃金の伸びはコロナ前の水準にまで戻ったが、この水準でとどまるかどうかは不透明。伸びの鈍化は続いており、23年第4四半期の伸びは年率でコロナ前を下回っている。

企業から労働者への賃金支払総額

私はこれからアメリカの景気は悪くなっていくと思っているのですが、アメリカの失業率は低いままで推移しています。

ただ、人員削減をしなくても、労働時間を抑えたり昇給を抑えたりするような失業率には現れない雇用の弱まりは始まっているかもしれません。それを調べるために、昨日のブログでは企業が労働者に与えた総賃金の伸びをグラフ化してみました。


出典:FRED

上のグラフは前年比で伸びを確認しているものなので、最近の傾向はどうなっているのかをもう少しだけ調べてみようと思います。

まずは何も考えずに、過去1年間のデータで前月比の伸びをみてみました。

どうも各月によって支払う賃金の伸びはバラツキがあるようで、残念ながら上のグラフからは傾向が見て取れませんでした。

こういうときには数ヶ月分データをまとめて傾向が見られるか見てみるといいかもしれません。というわけで、続いて四半期ごとの賃金の伸びを見てみましょう

今度は少し傾向が見られるようになったかもしれません。2023年第2四半期までは賃金の伸びは鈍化が続き、アメリカで特に景気が強かった2023年第3四半期はやや回復したものの、第4四半期にかけて再び伸びが減速しているようです。

最新の2023年第4四半期のデータで前期比・年率4.0%の伸びを記録しています。コロナ前の平均は5%前後なので、23年第4四半期の伸びはそれよりもやや雇用が弱かったことになります。

また、12月までの前年比5%とくらべても、2023年第4四半期の賃金の伸びはやや弱かったと言えそうです。

毎月のバラツキが大きいデータなのでこれから先にどうなるかは読みにくいですが、第4四半期のような賃金の伸びが鈍化する傾向が続くなら前年比の伸びもゆるやかに低下していくのでしょう。

さいごに

ここでは民間企業の賃金支払総額の伸びから、雇用の強さを確認していきました。

前年比では既にコロナ前と同じ水準の前年比5%の水準まで下がっていますが、最近では毎月の支払賃金の伸びにバラツキはあるものの、依然として賃金の伸びの鈍化は続いているような印象を受けます。

とはいえ、伸びの鈍化はまだ緩やかなので経済の悪化が近いようには見えません。だから、(何かのショックなどがなければ)アメリカの景気はまだしばらく持つのではないかと思います。

前日にも書いたように、いつから企業が支払賃金を絞るスピードをあげるかを注目していきたいと思います。


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