パンデミック時の追い風が弱回るアマゾン、救いはクラウドAWSの好調【2021年4-6月期】

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アマゾンが2021年4-6月の決算を発表しましたが、良くない点がいくつか見られた決算でした。

今期の売上は予想に届かず、7-10月期の売上見通しが前年比+10%から+16%になるというのはアマゾンにしては低い成長率になります。

前年の2020年がパンデミック時のインターネット通販の需要拡大で特別に好調だったのですが、その追い風は弱まっているようです。

救いはクラウドコンピューティングのAWSの成長が加速している点で、利益率が高いこのサービスの成長でアマゾンの利益は予想以上に伸びています。

この記事のポイント

  • アマゾンの4-6月期決算は売上が予想に届かず、また来期7-10月の売上見通しも予想を下回ったために、決算発表後は株価が売られている。
  • 前年がパンデミック時の需要増加で好業績だったので、しばらくアマゾンは売上の成長率鈍化に悩みそう。
  • 悪い材料が目立った中でも、利益率の高いクラウドの売上が加速して利益を伸ばした。クラウドの成長が続くなら、長期的にはこの銘柄は有望。

予想に届かなかったアマゾンの決算


4-6月期のアマゾンですが、残念ながら売上は事前予想に届きませんでした。

  • 売上:1130.8億ドル(予想1152億ドル)
  • 一株利益:15.12ドル(予想12.30ドル)
単位B:10億 21Q2 前年比
収益 $113.1B +27%
営業利益 $7.7B +32%
一株利益 $15.12 +47%

上の表を見ると、アマゾンの売上は前年比で+27%も伸びていて、通常時のその他の企業に比べれば十分成長しているように見えます。

しかし、パンデミック時のネット通販の需要の追い風を受けて高い成長率が続いた前期までと比べると、成長率はかなり落ちているように見えます。

売上金額はコロナ前の2019年に比べると2倍に近くに伸びているので、需要が落ち込んだわけではなさそうです。しかし、前年の売上が高い壁となって前年比成長率の伸びは鈍化しているようです。

営業利益を見てもパンデミック前よりもずっと大きい金額を稼ぎ出しているのですが、売上同様に前年の好成績のせいで成長率が鈍化して見えているのだと思います。

今後数四半期のアマゾンの成長率はさらに鈍化へ


アマゾンのCFOも成長率が鈍化する点はしっかりと認識しているようで、決算で発表された7-10月の業績見通しもかなりの低成長な数字を出してきました。

第3四半期(7-9月期見通し)

  • 売上:前年比+10%から+16%相当の1060-1120億ドル(予想1192億ドル)

7-10月の売上見通しは前年比+10%〜+16%で、1-3月期まで前年比+44%で成長してきた姿とはかなり異なります。

アマゾンの成長鈍化を投資家は嫌ったのか、決算発表後に株価は下落して反応しています。

決算発表後に7%以上下落しているアマゾン株

成長率鈍化の中でも加速するAWSの売上


ここからはアマゾンの売上をもう少し分解していきたいと思います。

アマゾンの売上構成はとてもシンプルで次の3つに分かれています。

  • AWS:アマゾンが提供するクラウドコンピューティングの売上
  • 北米:AWS以外の北米での売上(英語表記はNorth America)
  • 北米以外:上記2つを除いた売上(英語表記はinternational)

この中でも売上規模が圧倒的に大きいのは「北米」、生み出す利益が大きいのは「AWS」になっています。

それでは今期の各部門の売上を見ていきます。

売上 21Q2 構成比 前年比
北米 $67.6B 60% +21%
北米以外 $30.7B 27% +26%
AWS $14.8B 13% +37%
合計 $113.1B 100% +44%

以下のグラフを見るとわかるのですが、パンデミック時には大きく伸びていた「北米」「北米以外」の売上が大きく落ちています。

また、ネット通販に吹いていたパンデミック時の追い風は勢いを失っているのですが、クラウドコンピューティングのAWSは売上が加速していて違いが生まれている点は、たいへん興味深いです。

パンデミックの前後で多くの変わるものと、変わらないものがあったと思いますが、クラウドはますます多くの企業が力を入れて活用を進めているようです。

さいごに

この記事では、アマゾンの成長率の鈍化が始まったという内容を書いていきました。

成長鈍化の原因は2020年の好業績が高い壁となって、前年比の数字が低く見えてしまうためで、これは今後も数四半期続くものと思われます。このため、しばらくアマゾン株は低迷するかも知れません。

不安材料が多かった今回の決算の中で、数少ない良かった点はクラウドコンピューティングAWSの売上成長率の加速です。

AWSは売上規模でアマゾンの約10%程度しかないのですが、営業利益の半分以上をたたき出すほどの稼ぎ頭です。

アマゾンの売上と利益の構成比

パンデミックでクラウドの必要性は世の中の企業に再認識されたはずなので、今後もクラウドの売上は堅調に推移するはずです。

今後の数四半期は売上成長率が低迷して、アマゾン株がさえない動きをするかも知れませんが、株価が下がることがあれば長期保有目的でチョコチョコと買い増しをするのも手だと思います。


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