今週発表されたアマゾンの決算を振り返っていきます。
既に各所でニュースになっていたり、株価の動きでどういう内容だったかを知っている人も多いと思います。
株価が示すとおりに、決算は良くなかったです。7-9月の業績はまだしも、10-12月期に低成長の見通しが示されたことでアマゾン株は大きく売られたように思います。
この記事のポイント
- 7-9月期の売上は予想を下回った。利益の源泉になっているAWSは予想を下回る成長率だった。
- 10-12月期のアマゾンはかなり低調な成長率にとどまる見通し。低成長を嫌気して株価が売られた。
7-9月期の業績
アマゾンの業績ですが、7-9月の売上は予想を下回ったようです。
- 一株利益:$0.28(予想値と比較不可)
- 売上: $127.1B(予想$127.46B)
単位B:10億ドル | 22Q3 | 前年比 |
---|---|---|
売上 | $127.1B | +15% |
営業利益 | $2.5B | -48% |
一株利益 | $0.28 | -10% |
まったく明るいニュースがないわけではありません。
7-9月期の売上前年比は+15%で、これは1-3月期や4-6月期より高い数字を記録しています。
しかし、営業利益は伸びていません。売上は伸びているはずなのですが、営業利益は大きくマイナス成長が続いています。
となると確認したくなるのは、営業利益です。最近の四半期ごとの営業利益率を以下のようにグラフにしてみましたが、低下傾向にあります。
インフレに勝てていないのか、それとも売れなくて値下げなどを迫られているのかわかりませんが、利益率が悪化しているのは悪い知らせです。
AWSの調子も下降気味
最近の営業利益の悪化と関係しているかも知れませんが、アマゾンの利益の源泉になっているクラウドサービス(AWS)の成長が鈍化しているのも気になります。
今回のAWSの売上はアナリスト予想を下回っているのも、良くない点です。
- AWS売上:$20.5B(予想$21.1B)
低調な10-12月期の売上見通し
色々と話しをしましたが、最も今回投資家を失望させたのは10-12月期の売上見通しです。
10-12月期の売上見通し
- 売上見通し:$140B〜$148B(前年+2%〜+8%)
もしも、売上見通しが$140Bにとどまれば、前年比わずか+2%成長止まりになってしまいます。
ここまで低成長になってしまうと、アマゾンに成長を期待して投資していた投資家の一部は離れてしまうと思います。この業績見通しの低さが株価の下落につながったと見て間違いなさそうです。
思い返してみると、マイクロソフトも10-12月期の業績予想がかなりの低成長であることが発表されて株価が決算発表後に大きく売られてしまいました。
一昔前まで、GAFAM(Google/Amazon/Facebook/Apple/Microsoftのイニシャル)と言えば、高い成長率を誇る旬な大手ハイテク企業でしたが、今はかなり苦しい時期を迎えていると思います。
ちらっと思うのですが、次の景気後退を経て再びアメリカの景気拡大期になったときに、アマゾンは再び以前のような株価の上昇を見せるのでしょうか。
問題ないとは思いつつも、少し心配なのは2020年以降で人を大量に雇っていることです。
2017年にも従業員を急増させたことがありましたが、その後2018年や2019年の株価はS&P500と比べてパフォーマンスが良くなかった記憶があります。
(もっと詳しく調べる必要がありますが、)2018年や2019年は人件費が増えてコスト体質になっていたために株価が伸びなかったとするならば、今回も同じことにならなければ良いなと思っています。