Appleの利用者数は確実に増えているようです。
eMarketerの調査によると、アメリカのモバイル決済アプリの中でApple Payはもっともも利用者数が多いアプリになったとのことです。長年、モバイル決済の先駆けとしてスターバックスアプリが最もアメリカで最も使用されている決済アプリだったのですが、そのスタバアプリを抜いたようです。
アプリ | 利用人数 | 利用率 |
---|---|---|
Apple Pay | 3030万人 | 47.3% |
Starbucks App | 2520万人 | 39.4% |
Google Pay | 1210万人 | 19.0% |
Samsung Pay | 1080万人 | 16.8% |
出典:Apple Pay Dominance Drives Mobile Payment Transaction Volume(eMarketer)
(※複数アプリ利用者がいるため、合計が100%を超えています)
モバイル決済市場全体も力強く上昇
アップルにとっては、さらに嬉しいことに、このモバイル決済市場は2019年に41%も伸びている成長ビジネスです。eMarketerの予想では、今後5年間はこの市場が急速に伸びてくると予想しているので、その中でモバイルアプリ利用者を拡大できている点は、アップルにとっては嬉しいニュースです。
サービス化を図るアップルに追い風
さて、アップルについては、2018年10-12月期の決算でCEOのティム・クックが「これからのアップルはサービスの会社になる」と宣言をして、ビジネス変革の真っ只中にあります。
ティム・クックCEOが「サービス」と言っているのは、写真などの保存のためのクラウドストレージサービス、音楽・動画・雑誌・ゲームの定期購読サービス、そしてApple Payの手数料もサービス売上に入ります。
以下、2019年4-6月期の売上ですが、AppleはiPhoneに次ぐ第2の収益源として、サービス売上が拡大しつつあります。
単位:100万ドル | 2019年6-9月期 | 2018年6-9月期 | 前期比 |
---|---|---|---|
iPhone | 25,986 | 29,470 | -11.8% |
サービス売上 | 11,455 | 10,170 | 12.6% |
Mac | 5,820 | 5,258 | 10.7% |
ウェアラブルデバイス・ホーム製品 | 5,525 | 3,733 | 48.0% |
iPad | 5,023 | 4,634 | 8.4% |
サービス売上が伸びているとはいえ、まだアップルの売上規模の半分にも満たない規模です。しかもサービス売上成長率も+12.6%と決してまだ高くありません。これの成長を加速させるため、2019年では、次々と新サービスをリリースしました。
- 動画ストリーミングサービスApple TV+
- 雑誌ニュース配信サービスApple News+
- ゲーム配信サービスApple Arcade
- アップルのクレジットカードApple Cardとウォレットアプリの刷新
このうちにApple Payの利用金額を増やすきっかけになるのが、Apple Cardとウォレットアプリの刷新です。
アップルカード、米国で発行開始。決済サービス企業へと進化を遂げるアップル。
この新サービスとモバイル決済市場の追い風を受けて、アップルは無事にサービス化が進められるのか、今後数年のアップルの決算はiPhone売上だけでなく、サービス売上に注目が集まります。
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アップルという企業を知らない人はいないと思います。しかし、アップルが今何に取り組んでいて、なぜ株価が上がっているかを説明できる人は少ないでしょう。「アップルのビジネス動向(定性)」と「近年の株価と業積の変化(定量)」の両面を見つつ、アップルの今の姿を追いかけます。