# 2019年1月28日追記しました。
今月の購入銘柄候補
今月も少額ではありますが、追加投資をしようと考えています。
結構悩みましたが、今月はマイクロソフトの購入を考えています。
マイクロソフトを買う理由は、はやり最近のクラウドビジネスの好調さです。クラウドはアマゾンが業界1位をひた走っていますが、マイクロソフトは2位の位置をしっかりとキープできていています。
また、今後3年間で売上規模が2倍に膨らむチャンス溢れるクラウド市場で、「2番手」としての位置取りをほぼ確実にしており、既に持っているアマゾンはそのまま保有しつつ、今月はマイクロソフトの購入をしようと思いました。
今まで過小評価してきた理由
実は、マイクロソフトは今まで全然魅力に感じていない銘柄でした。記事の序盤から、いきなり愚痴っぽくて申し訳ないのですが、マイクロソフトの製品はあらゆるところがイケてないと思っていたのです。
Internet Exploreはネットを見るだけなのに、何でこんなに起動が遅いんだろうと思いますし、高速で作業したいからコマンドプロンプト(windowsをキーボードで操作する画面)を開いても、これまた使いにくいし、本当に困った製品を出す会社だと思っていました。
そんなわけで、2013年から米国株に投資をして以来、マイクロソフトはまったく見向きもせず、銘柄候補に入れてきませんでした。
でも、私も年をとり、少しずつ社会に揉まれて人の目線になって考えるようになって、そこまでマイクロソフト製品がダサいと思っている人は少数派なんだと、だんだん見えてきました。
私がマイクロソフトがイケてないと思ったのは、IT企業の開発・研究者として社会人をスタートしたときに、プログラミングにwindows製品が全く向いていなかったからで、オフィスで書類作成や事務作業する目的では、Windowsで十分で何の問題もないなと、今では思うようになりました。
クラウドで存在感を発揮するマイクロソフト
さて、私の個人的な偏見を取り去ったところで事実(数字)を見てみると、最近トレンドのクラウド市場では、マイクロソフトはずいぶんと良い位置につけています。
この分野のリーダーはアマゾンですが、マイクロソフトも負けじと追いかけていて、成長率を見る限りクラウド提供会社では今一番勢いのある印象すらあります。
(実際にマイクロソフトのクラウドのアジュールを使ってみるとイマイチだと思うものもあるのですが、そんなものはご愛嬌です。)
そもそもクラウドビジネスって何?
さて、クラウドという言葉をさらっと使ってしまいましたが、このクラウドとは一体何でしょうか。簡単にいうと、インターネットに繋がったアマゾンやマイクロソフトのマシンを使うことです。
クラウドが登場するまでは、今まで高いお金を出して企業はオフィスの中にマシンルームを作り、大規模なマシンを何台も設置していました。(銀行用の大型マシンだと1台で1億円するものもあります)
でも、これはマシンを買う初期費用の他に、マシンルームの賃貸料、電気代、毎月のセキュリティ対応など、管理のための多くの費用と手間がかかります。
この手間暇から解放されるために、近年はアマゾンやマイクロソフトが保有しているマシンの一部をインターネット経由で使う、クラウドサービスを多くの企業が多く取り入れています。
また、クラウドを使うと、「費用が安い」&「管理がいらなくて楽」だけでなく、既にアマゾンやマイクロソフトで動いているマシンに繋がせてもらうだけなので、「早く使い始められて、いつでも解約できる」というメリットや、アマゾンやマイクロソフトが管理しているので「安全」と言ったメリットもあります。
最後の安全性については、違和感を感じた方も多いと思います。「インターネット上のマシンを使うなんて、危険だ」とずっと言われてきましたが、実は自社のマシンルームでアマゾンやウィンドウズと張り合うだけのセキュリティ対応を取るのは、実は技術的に相当に難しいです。
今まで先進的な企業以外は「クラウドは危険」と思って多くの企業が導入を踏み切れていませんでしたが、近年誤解が解けつつあり、今後企業のクラウド利用が加速することが見込まれています。
米金融大手ゴールドマン・サックス・グループが先月実施した調査では、企業の最高情報責任者(CIO)が今年、より多くのコンピューター作業をアマゾンのAWSやマイクロソフトの「アジュール」といったパブリッククラウドサービスに移管するつもりであることが分かった
(ダイヤモンド・オンライン)
拡大するクラウド市場を数社が総なめ
そして、このクラウドはかなり確率で今後大きく成長することが見込まれています。調査会社のガートナーの推計だと、2018年4.1兆円の市場が、3年後の2021年には2倍を超える8.4兆円になる見込みです。
(※クラウドの中でもIaaSと呼ばれる、マシン1台まるごと使えるタイプのクラウドについての推計です)
さらに、ガートナーの予想によると、この市場の上位10社の市場シェアは2016年には50%だったのに対し、2021年には70%近くにまで集中が進むそうです。
つまり、市場が拡大する一方で、売上は企業は数社に集中されるという、いわゆる勝ち組だけが”美味しい”思いをする状況が生まれています。現在その美味しい企業への道でリードしているのが、アマゾンとマイクロソフトです。
クラウド2番手としての確固たる地位
このクラウドビジネスの勝ち組は、おそらくこのままアマゾンが首位を走ると思います。この分野に関しては、一日の長があるからです。そして、実際にアマゾンのクラウドを使って開発をしていると、本当に使いやすいサービスを作っています。私は今も日頃からプログラムを書き、アマゾンのクラウドで動かしているのでよくわかります。
そして、アマゾンの次に優位なのは、これからクラウドを導入する企業にマッチするマイクロソフトです。
既に先進的でITに敏感な企業はクラウドを導入しており、これから本格的に導入するのは必ずしもクラウドにそこまで詳しくない企業になります。そうした企業の大規模システムの導入の決裁権を持っている人達は、ワードやパワーポイントを通じてよく名前を知っている、マイクロソフトには大きな信頼があるからです。
実際、私も日系大手企業にクラウドシステムの導入検討の話をする際には、必ずといっていいほど「(アマゾンでもいいが、)マイクロソフトやNTTなどの日系のクラウドと比較検討してくれ」と言われました。
また流通業業界では、目の敵にしているアマゾンのクラウドを使うことは嫌がる傾向があります。ウォールマートがアマゾンのクラウドではなく、マイクロソフトのクラウドを採用したのはその最たる例です。現時点では、アマゾンが受注を逃している企業の受け皿として、Windowsの知名度を生かして、マイクロソフトが確固たる2番手の地位を確立できているように思えます。
また、近年はあまりにもクラウドがアマゾンに偏りすぎるのを恐れて、アマゾン以外のクラウドを契約したりすることもありますが、この場合でもマイクロソフトは絶好の位置にいます。
ちなみに、Googleもクラウドの分野では現在4位に甘んじていますが、近年の成長率から見るとIBMを抜いて時期に3位に上がる見通しです。しかし、クラウドへの投資に関してはアマゾンとマイクロソフトの2つで十分かと思います。Googleが今から、上位2社に追いつくには差が開きすぎています。
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追記情報(2019/1/28):
この記事をアップした翌日の19年1月25日に、アメリカ投資情報紙バロンズもマイクロソフトを推す記事があがりましたね。Officeの定期購入(サブリスクリプション)ビジネスとクラウドの好調さから、テクノロジーカンパニーの中ではもっとも良いポジションにいるとしています。