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急落するアメリカの住宅価格、インフレはもはや脅威ではない。

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ケースシラー住宅価格指数が発表されたので、様子を眺めてみたいと思います。

このデータは3月末の今ごろになって1月分のデータが発表になるなど遅いのが玉にキズですが、アメリカの住宅価格の傾向を見せてくれる大事な指標です。

これを見る限り、住宅価格はちゃんと低下を続けているように見えます。

消費者物価指数ではどうも住居費の伸びが続いているようですが、住宅価格が下がっているのでいずれ住居費も下がり、消費者物価も失速するだろうと安心させてくれる結果になっています。

この記事のポイント

  • ケースシラー住宅価格指数は予想をわずかに下回る伸びになった。
  • 2022年7月以降、住宅価格は急激に低下を続けている。
  • 消費者物価を押し上げている住居費も、急低下する住宅価格に連れていずれ低下する見込みで、そうなればアメリカの消費者物価は大きく低下する。

急低下を続ける住宅価格

1月のケースシラー20都市住宅価格指数の結果は予想よりもやや伸びが緩やかでした。

  • 予想:前年比+2.60%
  • 結果:前年比+2.55%

思い返すと、1年前の2022年3月には前年比で+20%を超えるほど住宅価格は伸びていたのですが、完全に勢いはなくなったように見えます。

今はコロナ前の20年1月よりも低い前年比になっています。

その上、これから前年比のデータはますます成長率が悪化していく模様です。

上のデータは前年比なので、好調だった2022年前半のデータが前年比のデータによる押し上げを受けています。

22年7月以降は前月比でマイナスの成長率が続いているので、あと数ヶ月すれば前年比の成長率はマイナス圏に突入するはずです。

インフレはもはや最大の脅威ではない

インフレの再燃はないかを確認する意味でこのケースシラー住宅価格指数を見てみましたが、やはりインフレ再燃の兆候はありませんでした。

最近このブログではよく話していますが、すでにインフレはアメリカの最大の脅威ではなくなったと思っています。

住居費は最近のアメリカの消費者物価指数を押し上げている最大の要因でしたが、この記事で見たように住宅価格は急激に落ち込んでいるので、その影響を受けて消費者物価の住居費もどこかのタイミングで急落すると思われます。

そして、これからのアメリカでは恐らく別の問題は顔を覗かせるはずです。

その問題は昨日の記事(以下リンク)にも書いた急激な金融引き締めによる景気悪化で、これから2024年まではリセッションやデフレがアメリカの最大の関心事になると思います。

>>歴史的な規模でばらまかれたドルがかつてないスピードで回収される


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