昨日の記事では「現在のアメリカ経済をどう見ているか」を書いていきました。
この記事では、どんな資産にまだチャンスがあるかを探っていきます。
この記事のポイント
- 米国株:まだ少なくとも半年は上がる余地がある。
- 新興国株:長期的目線の投資なら米国株よりもリターンは大きいかも知れない。ただ、中国株はまだ下がる恐れがあるので投資タイミングが難しい。
- 米国債:今は投資しなくていい。2022年の利上げが控えているので、まだ売られる可能性がある。
- ゴールド:インフレが過熱するなら魅力的。ただし、もう少しだけ米国債が売られた後のほうが、投資しやすい。
- コモディティ:インフレが過熱するなら魅力的。2022年に世界の景気が減速するなら、そこで値下がりする恐れもあり。
- 暗号資産:11月後半から12月半ばにかけて上昇。また、恐らく来年2022年は悲惨な下落が待っている。
- 現金:いざという時のために、1割は持っていても良い。現金比率は2022年に引き上げても良さそう。
このうち、私が投資している割合が大きい、米国株・新興国株・暗号資産について思うところを書いていきます。
まだ上昇の余地がある米国株
昨日の記事も書きましたが、米国株全体はまだ上昇余地があると思っています。
ここでいう米国株はS&P500を想定しています。
市場の投資家は2022年6月にも中央銀行FRBが政策金値の利上げに踏み切ると見ているようですが、普通は景気が強いこと確認しつつ利上げ開始するので、6月までは恐らく米国株は大きく崩れない(20-30%の下落はない)と思われます。
>>【関連記事】米テーパリングは11月開始、利上げは来年6月が有力。
ただし、2022年後半からの数年間は、米国株の投資家はかなりの警戒して投資する必要がありそうです。
今の米国株は低金利を背景に最高値を更新し続けていますが、その低金利政策が2022年にも終わるからです。
数回の利上げでは米国株は崩れませんが、いずれ何回も利上げを重ねるうちに株価を支えられなくなる時がやってきます。そのときは大きく株価が下に動くと思われます。
買い場ばまだだがチャンスは広がりつつある新興国株
さて、2022年後半以降に米国株が弱くなるかも知れないなら、他の国の株はどうなのでしょうか。
まず割高かどうかで見ると、現時点では米国株のほうがかなり割高が進んでいる一方で、新興国株は米国株に比べれば割安な状態が続いています。
以下のグラフは、新興国株(VWO)の株価をS&P500で割って、新興国の株の割高さを図にしたものですが、今は過去15年をさかのぼって一番安い時期にあるようです。
新興国株の中心に位置する中国株は景気があまり良くない上に、不動産市場が荒れそうな気配があるので、まだ一段と下がる可能性が高いです。
ただ、今の割高な米国株に比べると長期的に期待できるリターンは中国株のほうが既にやや大きい気もします。なので、下がっている間に少しずつ買いますのも手かも知れません。
ちなみに、一般論では新興国株が輝くのはドル安の時代です。
今はまだ大きなドル安の兆しは見えませんが、もしもドルが大きく安くなる動き時代の兆しが見られたら、10年程度の期間の投資として新興国株(インド、中国株あたり)に大きく資金をシフトするのも手だと思います。
問題はドル安がいつ起きるかかがわからないことです。ですが、アメリカの赤字が大きく膨らんでいることを考えると、長い投資人生のどこかで間違いなく訪れると思います。
ドル安を見越した新興国株の投資は今はまだ機が熟していないように見えますが、長期的なテーマとして頭の片隅にいれておくと良いかも知れません。
暗号資産について
新興国株などのまだかなり時間がかかる投資とは全く反対に、2021年後半の今まさにピークが来ていて、かなり短期(残り約1ヶ月)の勝負となっているのは暗号資産です。
2021年前半にビットコインの価格が一度ピークをつけたときに「2021年の上昇は終わった」という見方が多かったのですが、私は12月中旬から下旬にピークがくるだろうと今のところは思っています。
以下は単なるお絵かきになりますが、2017年と2021年ビットコインの値動きを重ねてみたものです。2つのグラフは実に動きがよく似通っています。
2017年のような展開(上図青線)を見せるなら、11月20日前後に一度大きな価格の下落が起こった後は、面白いようにビットコインの価格が上昇する動きが見られるかも知れません。
12月中旬や下旬にピークをつけたとしても、価格がどこまで行くのかは、私にはよく分かりません。それは今回の相場の熱狂次第なので市場の動きに任せたいと思います。
どこまで熱狂に付き合うかだけは、事前に決めておきたいと思います。
また、来年2022年のビットコインは急落を予想しています。2017年12月のブームが去った後の2018年でも大きく価格が下がっているので、今回も同じ動きになるだろうと思っています。
ちなみに、ビットコイン以外の暗号資産もほとんどビットコインと同じ動きをすると予想します。
ビットコイン以外のブームのピークは2021年12月ではなく2022年1月中旬まで続くと思いますが、その後は悲惨な価格の下落が起こるを覚悟しています。