中国、中央銀行がデジタル通貨を準備中と発表。そのインパクトとは。

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「デジタル通貨や決済分野でのイノベーションを米国が主導しなければ他国が主導するだろう。米国が行動しなければ他国に管理されたデジタル通貨が間もなくできる」(デビット・マーカス)

Facebookのデジタル通貨責任者のデビットマーカスの予言は的中しそうです。この発言から1ヶ月もせずに、中央銀行である中国人民銀行は、まもなくデジタル通貨をリリースすることを明かしました。

仮想通貨だからといって、このニュースの動向をウォッチしていないと足元をすくわれるかも知れません。人民銀行のこの次世代の決済ネットワークが中国国内にとどまらずに、もしも世界で使われるようになると、少し困ったことになる恐れがあります。

小さなレベルでは、ビザやマスターカードなどが築き上げたクレジットカード決済の利用が減少していく可能性があります。大きなレベルでは、今後の仮想通貨分野では中国企業が躍進して、他の国が置いていかれる事態になるかもしれません。それほどインパクトがある出来事だと思います。

このブログでは一貫して、Facebookの仮想通貨Libraを批判するトランプ大統領やパウエル議長に反対して、Facebookがデジタル通貨での次世代決済サービスを作らなければ、中国やインドやアフリカのどこかの企業・組織が同じことやるだけだと言ってきましたが、早くもその通りの展開になっています。

【Facebook仮想通貨】トランプ大統領が犯している2つの誤解。

Libraに対抗した中国のデジタル通貨

人民銀行のデジタル通貨については、かなり情報が限られるのですが、フェイスブックの仮想通貨Libraをライバル視しているとの情報があります。

FacebookがLibraの詳細を発表した際に、人民銀行は「今後はデジタル通貨の開発を加速させる」と発言していました。

人民銀行決済局次官が語ったところによると、人民銀行が作っているデジタル通貨は2層構造で、人民銀行と商業銀行間の取引が行われる層と、商業銀行と消費者の取引を行う層が明確に別れているようです。

(ただし層をわけることで、どんなメリットを生まれるのかは私にはいまいち分かりません。金融政策に使う銀行間のデジタル通貨の総量と、市場で使われるデジタル通貨の量の総量を別に管理したいのかも知れません。)

また、このデジタル通貨がいつリリースされるかについては明かされませんでした。

パンドラの箱は既に開いている

せっかく中国に先行していたフェイスブックのデジタル通貨Libraですが、アメリカ政府の反対と足止めにあっているために、中国に抜かされかねない事態になっています。

この中国人民銀行の発表を受けて、Facebookの仮想通貨に反対していたアメリカの大統領や政策関係者はどういう反応を見せるのでしょうか。

今度の中国の仮想通貨は、さすがにアメリカの大統領でもLibraのように法律でリリースを止めることは出来ません。以前の記事で、Facebookが仮想通貨Libraを発表したときから「パンドラの箱は開いた」と言ったとおり、現金と既存の銀行システムの非効率を改善するための仮想通貨の世界的な競争は、既に始まってしまったんだと思います。

そして残念ながら、時代の先を行っているのは現時点で中国のように見えます。他の先進国の行政は新しい考えに追いていけてなく、まだスタートラインに立てていません。

早めにLibraを始めとする仮想通貨の決済機能に対して認識を改めないと、米国は中国に対して取り返しのつかない遅れをとります。米国株に投資をする投資家としても、それは大きな問題です。