中国5月貿易統計、輸出は予想外の前年比プラスも安心はできない理由。

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2019年6月10日、中国の貿易統計が発表されました。結果は、輸出が予想外の前年比プラス成長の一方、輸入は想定以上に冷え込んでいました。一見すると解釈に困る結果が出ました。

  • 輸出は事前予想-3.8%に対し、発表値が前年比+1.1%
  • 輸入は事前予想-3.8%に対し、発表値が前年比-8.5%

予想外の輸出増加は、課税前の出荷を急いだか

まず輸出についてですが、結果は予想外の前年比+1.1%でした。アナリストの事前予想では5月から米中の貿易戦争の影響を受けて-3.8%に留まるとの見方でしたが、フタを開けてみたらかなりのポジティブサプライズでした。

これが米中の貿易戦争の影響を受けていないことを示すかというと、そうではないと思います。というのも、一部のアナリストはアメリカ政府が3000億ドル相当の中国輸入品に関税を発動される前に、出荷を急いだ可能性があると指定しています。

6月28-29日に大阪で開かれるG20首脳会議でトランプ大統領は習近平国家主席で会談を儲けた後で、3000億ドルの25%の追加関税を発動するかを判断するとしています。6月いっぱいは前倒しの出荷は想定され、その場合は6月の貿易統計でも輸出の数字は高めに出る可能性があります。

2018年12月ブエノスアイレスでの関税延期発表のように、6月28-29日の米中トップ会談後でも関税延期の発表がされる可能性としてはまだ残っていますが、大方の予想はG20での会談でも協議はまとまらず米中協議は長期化するとの見方が優勢です。

まだまだ予断を許さない展開が続きます。こちらもポジティブサプライズを願うばかりです。

急激な輸入の現象は中国経済の弱まりか

一方、気にあるのはむしろ輸入のほうです。予想が前年比-3.8%だったのですが、-8.5%とこっちは思いっきりネガティブサプライズですね。中国へ輸出している国を金額別に見ると、米国はそこまで大規模ではないでので、中国が関税を引き上げた影響というよりは中国自体の景気の弱まりもある気がします。

2017年中国の輸入対象国・地域別ランキング

順位 国・地域 輸入割合
1 韓国 9.7%
2 日本 9.0%
3 台湾 8.5%
4 米国 8.5%

ちなみに気がかりなのは、韓国、日本、台湾の3カ国です。中国への輸出が減っているということは、この3カ国の輸出が減少していることを示します。特に、中国へ輸出に頼っている韓国はちょっと心配です。

韓国にとっては、中国は輸出全体の27%を占める最大の貿易相手国なので、中国の景気減速で輸入が減ることの影響をモロに受けてしまいます。特に品目別に細かく見た場合、スマートフォン部品の輸出額の8割は中国に出荷されていて、2016年の輸出額は244億ドル(約2兆6千億円)にも登ります。

頑丈なガラスでも1点を集中的に攻撃を受けると、パリンと割れることがあります。このスマートフォン部品メーカーにヒビが入るようだと、韓国のその他の企業に波及する恐れがあり、気がかりです。

既に出ている数字を見てみても、2019年4月は貿易輸出額が減ったことで、韓国の経常収支が7年ぶりの赤字に転落しています。これはまだ米中貿易戦争が加熱する前のデータです。

このブログでは、米中貿易で最初に音を上げる国はアメリカでも中国でもなく、余波を受けてしまう小さい関係国だと言ってきましたが、ともすると韓国もその危険があるかもしれません。