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IMF、2020年の中国GDP成長率を5.8%と予想。気になるのは減速の質。

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2020年の中国GDP成長率を5.8%と予想

IMFは2020年も中国はさらなる景気減速をすると見てるようです。

2019年10月時点の試算では2020年の中国GDP成長率は5.8%にとどまると見ていて、2018年の6.6%成長だったことを考えるとわずか数年で大きく成長速度が鈍化することになります。

中国GDP成長率
2017年 6.90%
2018年 6.60%
2019年(予想) 6.10%
2020年(予想) 5.80%

経済大国でGDP6%成長の維持は困難

そもそも中国は日本よりも遥かに大きな経済規模なのに、6%以上の経済成長率を続けるというのが無理な話かもしれません。

ちなみに、日本人はいまだに中国のGDPは日本よりわずかに大きいくらいと思っている人が多いと聞きますが、実際には中国のGDPは日本の倍以上大きいです。

こちらが証拠写真です。Google Publicデータから撮ってきました。お納め下さい。

アメリカ・中国・日本のGDP比較

見て分かる通り、中国がすごい以上に、日本が30年間何もしていないのが原因として大きいのです。長らく日本は5兆ドルを言ったり来たりして、低迷をしています。

話は脱線しましたが、今見てきたように中国は既に経済大国になっています。企業と同じで国も規模が大きくなれば成長率も鈍化するのは、ある程度自然なことです。GDP成長率を6%に維持するのは難しいというのは、中国の首相も公式に認めています。

中国首相、GDP6%成長の維持困難と発言。景気拡大ペース減速が鮮明。

なので、基本的には中国がGDP成長率を減速させていくのは仕方のないことだと思っています。ただ、私はそのGDPの減少の質が良くないと思っています。中国は景気の減速から、急速に輸入を減らしていて、それが世界の工業国の景気を冷やしているいるからです。

米国株投資家が中国の景気を気にする理由

私は基本的にアメリカを中心とした株や債券などに投資している人間ですが、近年の中国の景気についてはかなり気をつけてみています。

2019年と2020年は世界的に景気が減速すると予想されていますが、その背景には米中の貿易戦争が加熱してるだけじゃなく、世界2位の経済大国の中国が国内の景気の弱まって大幅に輸入を減らしていることがあると考えているからです。

中国の輸入の減少と世界の景気減速の詳細記事:【結論】世界の減速の原因は中国だった。

世界経済の減速に関連する記事:5回連続で世界の成長率予想を引き下げたIMF。5回分のデータを追ってみた。

世の中は米中貿易戦争が加熱して、アメリカも景気後退するという見方がかなり強いですが、本当に貿易戦争でアメリカの景気が悪くなるときには、アメリカは理由をつけて関税を撤廃するのでそれほど気にしていません。なので、最近は米中貿易戦争のニュースにも以前ほど気を配っていません。

私はむしろ世界の貿易の低迷を通じて、世界中のあらゆる国の景気が悪化して、グローバル企業の業績が悪化し、最後にアメリカ国内に大きな景気減速がくると思っています。なので、ヨーロッパや中国のGDP、そして海外売上比率の高いアメリカ企業の決算には特に注意を払ってみています。

2019年10月時点では、アメリカ企業の決算は大変良好です。中国のGDPが2019年第3四半期に6.0%増に減速したこと、ドイツが景気後退しそうなことは懸念点ですが、まだアメリカへの影響はかなり限定的と言えそうです。


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