アメリカの感染者数の増加が止まりません。
私は「アメリカで新型コロナウイルスの感染増加数がピークをつけ」、なおかつ「アメリカ企業の社債の大量売りが収まったら」、株を買おうと思っています。
しかし、問題の感染者数の増加が止まらず、3月22日現在、ついにアメリカの感染者数は中国とイタリアにつぐ世界で3位になってしまいました。
この記事のポイント
- アメリカの新型コロナウイルスの感染者数が複利のように増えている。
- 毎日の感染者の増加数はピークをつけるどころか、増加率が減っている傾向も見えていない。
- 3月11日に全土で店舗閉鎖をしたイタリア、同じく14日に閉鎖したフランスは感染者の増え方に減少傾向が見られる。それでも毎日の増加数はまだピークをつけていない。
- アメリカもすぐさま全土で店舗閉鎖を行ったとしても、今後2週間以上は収束に時間がかかる。3週間後には決算シーズンも控えていて、決算期にウイルスの収束見込みがないと大きく株が売られかねない。
そろそろ株に投資をしたいのですが、まだ時期が来るのを待たなければいけない状態が続きそうです。
アメリカで増える感染者数
アメリカでの新型コロナウイルスの感染者数が、世界中でも1位2位を争うハイペースで急増しています。
以下では毎日の感染者の増加数をグラフ化してみましたが、勢いが衰えている印象はありません。
毎日の感染者数がピークをつけるタイミングで、恐らく新型コロナウイルスが株式市場に与える影響もピークになるはずなのですが、その時期が訪れる気配はありません。
先行するヨーロッパの国とアメリカの増加率の比較
直前に「毎日の感染者数がピークをつける(…)気配はありません」と書きましたが、「気配」ではなくちゃんとその時期が近づいているかどうかを見るためには、感染者数の増加率を見る必要があります。
アメリカの感染者数のデータを元に、毎日の感染者数が全体の何%分増えているか(増加率)を計算してみましたが、平均値の34%を上回ったり下回ったりしているものの、まだ増加率が減少している様子がみえません。
先行するヨーロッパの国とアメリカの増加率の比較
増加率のグラフは、アメリカのものだけ見るよりも、先に感染が拡大したイタリアやフランスと比べてみたほうがわかりやすいかも知れません。
アメリカとイタリアの増加率の比較
以下が、感染者数2位イタリアと3位のアメリカの増加率のグラフです。
イタリアは増加率が緩やかに減少しているのに対して、アメリカはまだ減少傾向にないのがこれでわかると思います。
アメリカとフランスの増加率の比較
「いやいや。感染者数がアメリカの倍もいるイタリアと比べたら、アメリカの増加率が大きいのは当然では?」という声もあると思うので、次にアメリカよりも感染者数が少ないフランス(感染者数7位)とも比較してみます。
困ったことに、アメリカはフランスよりも累計感染者数が多いのにも関わらず、増加率もフランスより大きいようです。
そして、増加率を抑えつつあるイタリアやフランスでも、いまだに毎日の感染者数のピークをつけたとは言えない状態にあります。
かろうじて、もしかしたらフランスはピークが近い香りがする程度です。
イタリア・フランスですらピークが来ていないので、アメリカにはまだウイルスの収束の見込みは立っていないと言えます。
全土での店舗閉鎖を実施したフランスとイタリア
せっかく、イタリアとフランスの話を出したので、少しだけ両国の話も触れておきます。
イタリアとフランスはアメリカに比べると、感染者の増加率が減少傾向にありますが、わずかでも抑え込む兆しが出てきたのは、おそらく3月半ばに実施した国内全土での店舗閉鎖が効果を発揮し始めているのだと思います。
ヨーロッパの店舗封鎖
- イタリア:3月11日に、イタリア全土で店舗を閉鎖すると発表。期間は2週間でスーパー・薬局・銀行・郵便局は閉鎖対象に含まれない。
- フランス:3月14日に、フランス全土のレストラン・カフェ・映画館などの「国民生活に不可欠でない」店舗の営業を禁止。
特に、フランスではこの判断が早く、感染者数が2000人を超えてわずか2日で全土での店舗閉鎖を実行しています。
一方、イタリアは2000人を超えてから8日後に、ようやく国内全土での店舗閉鎖を宣言しました。この判断の速さの違いが、イタリアとフランスの感染者数の違いになって現れているようにも見えます。
そして、肝心のアメリカはというと、この記事を書いている3月22日の時点で、感染者数が2000人を超えてから8日が経ちました。しかし、州ごとの店舗閉鎖はあっても、アメリカ全土での店舗封鎖はしていないです。
このことからも、おそらくアメリカはイタリア以上の感染者数まで広がると思います。このままのペースでは、イタリアと中国の感染者数を抜いて世界一の感染者数に拡大するまでに1週間かからないでしょう。
アメリカの収束時期はまだ見えず
イタリアの例を見ても、アメリカがすぐに全土で店舗封鎖をしたとしても、収束まで2週間以上はかかることがわかりました。
この2週間の間は、新型コロナウイルスの影響を受けたアメリカの経済指標が続々と発表されるはずです。また、3週間後にはいよいよアメリカ企業の決算シーズンが始まります。
新型コロナウイルスの感染が収束しない状態で、アメリカ企業の決算期を迎えてしまうと、1-3月期の売上低迷とウイルスのせいで見通しのつかない売上見通しの両面で、株が売られかねません。
なんとなくですが、4月は荒れそうな気配がしています。