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ディズニー、売上がアナリスト予想を下回る。ディズニープラスの加入者数の伸びも鈍化【21年1-3月期】

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ウォルト・ディズニーの2021年1-3月期(2021年第2四半期)の決算発表がありました。

一株利益は予想以上の結果を残しましたが、売上は予想を下回ってしまいました。

少し気がかりなのは動画配信サービスのディズニープラスの加入者数が、思っていたほど伸びなかったことです。

動画配信サービスの加入者が伸び悩んでいるのは、ネットフリックスでも見られた動きです。ワクチンの接種が進んで人々が街に出かけているためか、動画サービスの成長は鈍化しているようです。

ディズニーで唯一といっても良い成長分野で伸び悩んだことが、売上予想の未達につながってしまったようです。

この記事のポイント

  • ウォルト・ディズニーの1-3月期の決算は、一株利益は大きく予想を上回ったものの、売上は予想を下回った。
  • コロナの低迷の最悪期からはかなり復調が進んだ点は好材料。特に一株利益は予想以上に大きく伸びた。
  • ディズニープラスの加入者数が予想を下回ったことは、少し懸念材料。同様の動きは動画配信サービス会社に広く見られる。

2021年1-3月期の業績


今期のディズニーは一株利益は予想を大きく上回りましたが、売上は予想に届きませんでした。

  • 売上NG:予想158.7億ドルに対して、156.1億ドル(前年比マイナス13.3%)
  • 一株利益OK:予想0.26ドルに対して、0.79ドル(前年比+32%)
  • ディズニープラス加入者数NG:予想1億930万人に対して、1億360万人
  • ESPN加入者数OK:予想1340万人に対して、1380万人

後ほど主要な売上を見ていきますが、1-3月期はまだテーマパークや映像作品の売上がかなり低調なままでした。

そんな中でディズニーで数少ない貴重な成長分野の「ディズニープラス」の加入者数も予想を下回って、伸び悩んでしまっています。それが影響してか、売上はわずかに予想よりも伸び悩んでいます。

それでもコロナからの回復は継続

それでもこの決算の中には、いくつか安心できる点もありました。

そのうちの1つは、売上も利益もコロナの絶不調からかなり回復を遂げていることです。まだ前年比マイナス成長ながら、マイナス幅は毎回の決算で縮めています。

また一株利益は予想以上に伸び、既に前年比でプラス成長を遂げているのも良かった点です。

未だ低迷するテーマパークと映画館の売上


先程、売上は未だに前年比でマイナス成長に落ち込んでいると言いましたが、そのうち改善されるはずなので、恐らく心配いらないです。

売上のマイナス成長はテーマパークや映画館からの収入が大きく減っていることが大きく影響していますが、これらはコロナの収束で業績の回復が見込めるからです。

売上(単位B:10億ドル) 21Q2 前年比
メディア・ケーブルテレビ $6.7B -4%
D2C(動画配信サービス) $4.0B +59%
コンテンツ売上(映画など) $1.9B -36%
米国テーマパーク $1.7B -58%
海外テーマパーク $0.3B -45%
グッズ $1.2B +13%

しかし、これは新型コロナ感染予防対策で満足に商売ができていないことが大きく影響しています。アメリカをはじめ世界でワクチン接種が進めば、次第にこれらの業績は回復するはずです。

ディズニープラスの加入者数の鈍化

上記の表を見ると、ディズニーの中で唯一大きな成長率を見せているのは動画配信サービスです。

しかし、今期はディズニーで一番、成長の期待がかかっている動画配信サービス「ディズニープラス」に加入者数の陰りが見られました。

冒頭でもお話したように、この現象はアメリカなどでワクチンの接種が進んで人々の消費が外に向き始めていることと関係があるように感じます。

ただし、今期の加入者数はディズニーの想定の範囲内のようで、ディズニーが掲げている2024年までのディズニープラス加入者数目標(2.3億〜2.6億人)は変わらないとのことでした。

投資家としても、今はそれほど慌てる必要はなさそうです。このサービスはもう少し長い目で見る必要があると思ってます。

まとめ


この記事では、ディズニーの2021年1-3月期の業績を見ていきました。

ディズニープラスの加入者数はやや伸び悩み、売上はアナリスト予想を下回ってしまい、決算後に株価が大きく売られる場面もありました。

しかし、コロナの不調からはかなり回復している様子が見られ、特に一株利益は予想0.26ドルに対して、0.79ドルと大幅に上回った点は、個人的には好印象でした。

私は株が割高かどうかを調べる時に、予想PER(株価を一株利益で割った値で、高いほど割高)を見ることが多いのですが、一時期よりも予想PERは少し低下(わずかだけ割高感は解消)しています。

ディズニー株のアナリスト予想

とは言え、まだどうしても割高に見えるので、今すぐ手を出さなくて良さそうです。

ディズニー作品は他社が簡単には作り出せない高い完成度のものが多く、長期的に強みが衰えない企業だと思っているので、どこかで買い増ししたいと思っていますが、買えるタイミングまではじっと我慢しようと思います。


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