フェイスブックの2021年7-9月期の決算発表がありました。
売上は予想に届きませんでしたが、これは以前から懸念されていたiOS(iPhoneの基本ソフト)の変更が影響して、iPhoneユーザ向けに効果的な広告を打ちづらくなったこと原因のようです。
500億ドル(時価総額5%相当)の自社株買い戻しを発表したこともあって、株価は2%ほど上がりましたが、本業の広告ビジネスの復調にはまだしばらく時間がかかりそうです。
長期保有もできる良い銘柄ではありますが、今はそれほど積極的に投資しなくても良いと思います。
この記事のポイント
- 21年7-9月期決算は売上がアナリスト予想に届かなかった。
- 成長率鈍化の原因は、iOSの変更により効果的な広告を打ちづらくなったため。
- フェイスブックのCOO(最高執行責任者)は、iOS対応のための広告システムの修正に数年はかかると発言。この問題は長期化が予想されている。
予想を下回った売上
今期のフェイスブックですが、一株利益はアナリスト予想を超えたものの、売上は予想に届きませんでした。
- 売上:$29.01B(前年比+33%、予想$29.57B)
- 一株利益:$3.22(前年比+19%、予想$3.19)
以下のグラフでも見てもわかるように、今期は成長率の鈍化が見られます。
iOS変更で広告売上の成長鈍化
決算発表を聞いてみると、今期の売上成長率の鈍化について、フェイスブックは次の2つの要因があったと説明しています。
- iOSの変更により、効果的な広告を打ちづらくなったため。
- ネットショッピングの成長鈍化。
このうち、インパクトが大きいのはiOSの変更です。
iOS14でセキュリティ設定が追加されて、iPhoneユーザが許可しないとフェイスブックは詳細なユーザ行動の追跡ができなくなったため、ユーザに適した広告を打ちづらくなったようです。
この件については、COOのシェリル・サンドバーグさんが決算発表でコメントしていますが、まとめると次のようなことを言っています。
- 同業他社と同じように、フェイスブックもiOSの変更の悪影響を大きく受けている。アップルの広告ビジネスに有利な状況が生まれている。
- iOSの変更により、ユーザの特性に合わせた広告を打ちづらくなり、広告効果を測ることも難しくなっている。
- フェイスブックの広告システムに更新をかける予定だが、この作業は数年かかる。
広告システムの変更に数年かかるとなると、売上成長が冴えない状況はしばらく続くのかも知れません。
また、新型コロナウイルスが流行してから、さまざまな業種のビジネスがネット販売を活用するようになり、企業がネット広告も活用する流れは継続しているようですが、その勢いは衰えていると言います。
ただ、これはウイルスを克服してきて、人々が店舗でのビジネスを再開してることを考えると、自然な流れだと思います。
さいごに
この記事では、フェイスブックの2021年7-9月期決算を見ていきました。
パンデミック時の店舗のオンライン化の流れが鈍くなったり、iOS変更対応などの様子を見る限り、これからしばらく広告ビジネスの成長は鈍くなるのかも知れません。
フェイスブックはInstagramやWhatsAppなどの世界的に有名なアプリをいくつも持っていて、長期的に投資できる企業だと思いますが、今の時期はあまり積極的に投資をしなくても良いと思っています。
ちなみにCEOのマーク・ザッカーバーグさんは、最近はVR(仮想現実)やAR(拡張現実)などの世界を推し進めようと熱心に発言をしていますが、これを投資テーマにフェイスブック株を買うのはまだ早い気がしています。
フェイスブックの売上構成を見てみると、ほぼ全てが広告ビジネスです。
次回の決算発表から業績を発表するセグメント(部門)が以下の2つに分かれるようなので、AR/VR関連の売上を見てみないとわかりませんが、その売上規模もそれほど大きくないと思われます。
- Family of Apps (FoA):フェイスブック、メッセンジャー、インスタグラム、ワッツアップなどのアプリからの売上。
- Facebook Reality Labs (FRL):AR/VR関連のハードウェア、ソフトウェア、コンテンツ売上。