米国0.5%の利下げを実施。2008年リーマンショック以来の緊急利下げ。

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FRBは予定されていた3月17-18日の会議FOMCを待たずに、緊急で0.5%の利下げを実施しました。

金利の引き下げは景気を押し上げる効果があるので、これで株が上昇しやすくなります。まだ米国の景気は強いですが、FRBは景気が悪化する前に手を打ってきました。

ただし、問題なのはそれでも米国株は3%ほど下げていることです。

今や米国株の投資家は新型コロナウイルスの恐怖に取り憑かれてしまっているのか、隙あらば売られます。

FRB利下げ実施で株価は息を引き返すかなと思っていたのですが、そう簡単には片付かないようです。

「FRBの金利引下げで株価を押し上げる効果」と「投資家が感じている恐怖で株価を押し下げる効果」のせめぎ合いで、株価の乱高下はまだまだ続きそうです。

この記事のポイント

  • FRBは0.5%の緊急利下げをした。緊急利下げは、2008年以来。
  • 米国経済は変わらずに力強いが、新型コロナウイルスのリスクの中でも、雇用の最大化と物価目標を維持するために利下げをしたとFRBが発表
  • ただし、それでも米国株は約3%ほど株価を下げた。新型コロナウイルスの影響はこれから出てくるので、新型コロナvs緩和策の構図はまだまだ続きそう。

米国FRBが0.5%の利下げ実施

FRBは0.5%の利下げの声明文を発表しました。比較的短い文章なので、声明文の全文を載せておきます。

The fundamentals of the U.S. economy remain strong. However, the coronavirus poses evolving risks to economic activity. In light of these risks and in support of achieving its maximum employment and price stability goals, the Federal Open Market Committee decided today to lower the target range for the federal funds rate by 1/2 percentage point, to 1 to 1‑1/4 percent. The Committee is closely monitoring developments and their implications for the economic outlook and will use its tools and act as appropriate to support the economy.

Voting for the monetary policy action were Jerome H. Powell, Chair; John C. Williams, Vice Chair; Michelle W. Bowman; Lael Brainard; Richard H. Clarida; Patrick Harker; Robert S. Kaplan; Neel Kashkari; Loretta J. Mester; and Randal K. Quarles.

米国の経済はまだ強い。しかし、新型コロナウイルスは経済活動のリスクになっている。リスクを考慮に入れつつも、雇用を最大化と物価の安定の目的を達成するために、政策金利の0.5%の引き下げを今日決定した。これを受けて、政策金利は1%-1.25%になる。引き続き、新型コロナウイルスの状況と影響を注意深く見て、経済を支えるために適切な行動を取るつもりだ。

(以下、略。利下げに賛成した人の名前を列挙している。)

Federal Reserve issues FOMC statement(March 03, 2020)

少しだけ気になるのは、今回は予定されていた3月17-18日のFOMCの会議を待たずに、緊急利下げをしたことです。

FOMCではなく、緊急利下げした記憶はあまりありません。過去のデータを調べてみると、かなり大きな出来事が起こった時に緊急利下げをしていることがわかります。

過去のFRBの緊急利下げ

  • 2007年9月:サブプライムローン問題の債権市場の混乱を受けて、前月から株価が10%下落し、0.5%の緊急利下げ。
  • 2008年1月:前月に景気後退入りし、1ヶ月で株価が14%下落して、0.725%の緊急利下げ。
  • 2008年10月:前月のリーマンショックを受けて9日間で株価が23%下落し、0.5%の緊急で利下げ。

新型コロナウイルスのリスクが、上のような事態と同じような規模だとは正直思えないのですが、FRBが緊急利下げをした理由が気になります。

私は、いまだに新型コロナウイルスが原因で米国は景気後退入りする可能性は高くないと思っていますが、エコノミストを数百人抱えていると言われる経済の専門家集団のFRBが緊急利下げに動いたところを見ると、何か悪い経済予想を持っているのかと推測してしまします。

新型コロナウイルス収束後は利上げも

FRBパウエル議長の会見で、記者から「新型コロナウイルスが収束したら、引き下げた金利をもとに戻すかどうか」の質問が飛んでいました。

これに対して、パウエル議長は「状況を見て行動する」と応えていたので、ウイルスが収束すれば利上げもありそうです。

つまり、今後は2つのリスクを考えながら投資をする必要がありそうです。

今後のリスク

  • 1.新型コロナウイルス収束までが長期化すると、ひょっとすると景気後退になる恐れがある(かも知れない)。
  • 2.ウイルス収束後に株の上昇が過熱すれば、FRBは利上げする。次第に、低金利を理由に上昇していた株が失速し、景気後退に突入する。

以前、このブログでも言いましたが、私が本当に警戒しているのは「2」です。過去の景気後退では、過熱する景気を抑えるためにFRBがやむをえず利上げして、景気が失速するパターンが多かったからです。

ただ、新型コロナウイルスの長期化で米国が景気後退する線も、わずかに追ってみたいと思います。2月の経済指標では、まだ本格的な景気の悪化は米国では訪れていないようですが、翌月のデータは中国同様に大きく様子が変わるかも知れません。

利下げvs新型コロナウイルスの恐怖

最近の市場の動きを見てみると、最近の米国株はかなり値動きが荒くなっています。

今は新型コロナウイルスの恐怖がかなり大きく下げ圧力になっていること、またFRBなど各国の利下げで株価が上昇する力も強くなっているので、2つの大きな力がぶつかり合って値動きが荒くなっています。

今後もこうした動きは続くと思います。

若干の心配は、米国の新型コロナウイルスの感染者数が日々拡大していること、ウイルスの流行がまだまだ続きそうだということです。

感染拡大した国の中でも。シンガポールなどでは徹底した感染者の追跡で拡大スピードを抑え込んでいると聞きますが、米国の対応はまだ脇が甘い気もします。

ウイルスの流行がなかなか収束しないと、もはや金利が1%しかないFRBにできることはそれほど多くないので、ちょっと気がかりです。


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