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11月FOMC、利上げのピーク時の金利は上昇した模様

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11月のアメリカの金融政策を決める会議FOMCが終わりました。

発表された声明文にはほとんど変化はなく、今回決定した政策金利の利上げ幅も0.75%で多くの投資家の予想通りだったため、パウエル議長の会見に注目が集まりました。

パウエル議長の発言は市場に厳しいタカ派だと市場が思ったのか、FOMC後に株価は大きく売られた。

この記事のポイント

  • 政策金利は予想通り0.75%引き上げられて、3.75%-4.00%となった。
  • パウエル議長は会見で、12月の利上げ幅を縮小する可能性を残した。
  • また、前回9月FOMCで考えていたよりも、政策金利の最終到達点はより高くなったと発言。今後は小幅上昇ながら高い政策金利になることを警戒した市場では株が売られた。

予想通りの0.75%利上げ

今回のFOMCでは予想通り0.75%の利上げがありました。11月の政策金利について予想通りだったために、サプライズはありませんでした。

ただ、今回の決定で(今ではありませんが)今後のアメリカの景気後退の確率はさらに増したと思われます。

パウエル議長はFOMC後の会見で「景気後退が来るかどうかは、誰にもわからない」と言っていましたが、過去のデータはそうは言っていません。

今回のFOMCの少し前から10年国債利回りから3ヶ月国債利回りを引いた値がマイナスになる現象が見られています。

そして、3ヶ月国債利回りのほうが利上げに反応して上昇しやすいので、今後はさらにマイナス幅は拡大していくと思われます。NY連銀の論文によるとこのマイナス幅が拡大するほど、景気後退の確率は上昇するとのことなので、時期は2023年なのか2024年なのかはわかりませんが、景気後退が起こる確率は上昇したと言えます。


出典:NY連銀

パウエル議長の会見

今回のFOMCで政策金利は予想通りだったので、パウエル議長の会見に注目が集まりました。

ざっと確認したところ、大事な点は次の2点だと思いました。

  • 利上げはどこかの時点でペースを落とすのが適切だが、次回になるのかその次になるのか何も決まっていない。
  • 前回9月のFOMC以降のデータを見て、政策金利のターゲットレート(最終到達点)は上昇した。

多くの投資家はいつ利上げのペースを落とすのかの手がかりを知りたかったと思うのですが、望んでいたようなハッキリとした発言はありませんでした。

一方で、気がかりなのは、政策金利の最終到達点が前回9月FOMCで想定したよりも高くなったという発言です。

9月のFOMCを振り返ってみると、このときは市場が考えてたよりも高い政策金利金利見通しが発表されて株価が大きく下落していました。

上の図は9月時点のFOMCメンバーの政策金利見通しですが、現時点では4.6%よりも高いようです。

パウエル議長の2つの発言を合わせると、利上げの最終段階は近づいてきているはずなのでそろそろ利上げペースを落とすのが適切だが、最終的にどこまで金利を引き上げるかはデータ次第でさらなる上昇もあり得ると解釈できそうです。

私は政策金利の上昇が止まる前後で、アメリカ国債への投資のタイミングも狙っているのですが、まだもう少し様子見で良さそうです。


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