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米GDPにFOMC、10月末の重要イベントの注目ポイントを整理。

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10月もいよいよ残すところあと1週間をきりました。10月末のハロウィンが終われば、街はクリスマスに向かって、装飾をはじめます。今年もあと2ヶ月です。早いですね。

ただし、今年を振り返るのはまだ早いです。10月は最後の2日間で、重要なイベントが数多く待っているからです。

  • 10/29-10/30:FOMC(アメリカ金融政策決定会合)
  • 10/30:アメリカGDP第3四半期(速報値)
  • 10/31:日銀金融政策決定会合
  • 10/31:ユーロGDP第3四半期(速報値)

この中でも、圧倒的に重要なのはアメリカGDP速報とFOMCです。アメリカ株投資化へのインパクトとしては、GDP成長率が大きく減速するようだと景気後退を恐れる動きが広まって今後しばらく株が売られる恐れがあります。また、FOMCで決定される金利は、引き下げられれば株価にプラス、金利維持や今後は金利が引き下げしない意向が示されると、株価にはマイナスに働く可能性があります。

市場の予想では、アメリカGDPは第2四半期の2.0%成長から、1.6%へとやや大きな減速すると見られていて、FOMCは0.25%の政策金利の引き下げが行われると見ているようです。

GDP成長率の減速を予想する市場

実は、今回のGDP速報ではアナリストの予想はかなり悲観的になっています。

  • 実質GDP:前期2.0%成長に対して、今期は1.6%成長を予想。
  • 個人消費:前期4.6%成長に対して、今期は2.5%成長を予想。

その原因は第3四半期の後半、特に9月にアメリカの景気の成長スピードが鈍っていることが、多く経済指標で見られているからです。このブログでもアメリカの主要な経済指標を追いかけていますが、9月の様子を伝える経済指標は軒並み予想を下回る結果になりました。

19年9月米経済指標 景況感 実体経済
予想より悪い ISM製造業指数
ISM非製造業指数
ADP雇用統計
生産者物指数
小売売上高
鉱工業生産指数
耐久財受注
適温 雇用統計
予想より良い

ただし、実質GDPが2.0%から一気に1.6%に減速すると見るのは、やや悲観的すぎるかも知れません。

アメリカ中央銀行のFRBのアトランタ連銀は、GDP予測値を頻繁に更新していますが、最新のGDP成長率は1.8%と市場ほどの大きな減速はしないと見ているようです。

GDP Now(FRB Atlanta)

いずれの予想でも成長が減速するとみているようですが、アトランタ連銀の予想通り0.2%だけで収まるのか、それとも市場の予想通り0.4%まで下がるのかが注目です。

10月01日FOMCで政策金利0.25%引き下げへ

さて、アメリカのGDP速報を受けたあとですが、今度はFRBによる政策金利の決定が行われます。

10月25日時点の市場予想では、93%が現状の1.75-2.00%の金利から1.50-1.75%へ0.25%分引き下げると見ているようです。

政策金利の市場予想の調べ方はこちらに詳しく書いていますので、気になる方は覗いて見て下さい。
【中級者向け】米国金利動向の市場予測の調べ方

現時点のパウエル議長になってから、市場の利下げ予想がここまで高くなっている状況で利下げしなかったことはないので、10月は0.25%の金利引下げを実施する可能性は非常に高いです。もし引き下げない選択肢があるなら、もっと早い段階でFRBが市場に「引き下げない選択肢もあると」警告をしていたはずだからです。

引き下げが既定路線なので、今回はFOMCの注目ポイントは金利を引き下げるかではなさそうです。今後の金利の引き下げ方針としてFRBが何を言うかに注目が集まります。

そして、経済の専門家達は10月のFOMCを最後に、金利の引き下げはしばらく打ち止めにするとの考えが浮上しています。

今年3回目の米利下げ決定後、休止を示唆か-エコノミスト調査(ブルームバーグ)

90年代後半の株高の再現を狙うFRB

2019年3回だけ利下げをして打ち止めにする案が浮上していますが、これは90年代後半にFRBがやったことと同じです。

グリーンスパン氏がFRB議長だった時代の1998年のケースでは「本格的な景気後退に入る前に、3回だけ金利引下げ」をして、景気拡大期を数年引き伸ばし、その間大きな株価の上昇させることに成功しました。今のFRBもその再現を狙っているように思います。

当時は3回の利下げで景気が回復しましたが、今回はどうでしょうか。うまく3回の利下げで景気回復を実現できれば、90年代の再現ができます。一方で、誤って金利引下げのペースを緩めてしまった場合には、アメリカ経済は減速を続けることになるので、とても重要な判断が10月に行われる可能性があります。


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