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【新型肺炎】1ヶ月遅れで中国を追体験する世界の国々

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世界中で新型コロナウイルスが広まっていますが、どうも1ヶ月前の中国を追体験しているように見えます。

1ヶ月前の中国の状況と似ているのは、感染者数の拡大だけではありません。

株価の急落も、急落後の中央銀行の相次ぐ金融緩和策で株価の下落を止めようとする動きも、1ヶ月前の中国に似ています。

この記事のポイント

  • 世界のコロナウイルスの状況は、1ヶ月前の中国を追体験している。
  • 世界の感染者数は1ヶ月前の中国とほぼ同じ。株価の急落も1ヶ月前の中国と同じように起こっている。
  • 1ヶ月先行した中国は、ちょうど1ヶ月前に中央銀行が相次いで緩和策を打ち、上海総合指数が値を戻しつつある。
  • 世界の中央銀行も相次いで緩和策を発表しているが、中国と同じように株の下落を食い止められるか大事な時期にきている。

2月に大きく下落した世界の株式市場は、3月から少し状況が変わりました。

米国、日本、ヨーロッパの中央銀行がつぎつぎと景気を支える金融政策に前向きな声明を発表し、株価の落下スピードは弱まっています。

これからは「新型コロナウイルスの恐怖で株価が下がる力」と「世界の中央銀行が株価を支える力」の綱引きで、どちらが強いかの勝負になります。

新型コロナウイルスで1ヶ月先行する中国は、最近は株価を急落前まで値を戻しつつありますが、世界の株式市場もこれに続けるか注目です。

世界の新型コロナウイルスの流行は、中国から1ヶ月遅れ

中国以外の世界の国の感染が人がっていますが、新型コロナウイルスの感染者数はちょうど中国に1ヶ月遅れる形で流行しています。

グラフで見ると、その様子がよくわかります。

株価の下落も1ヶ月遅れ

興味深いのは、世界の株価の急落も中国の株式市場に遅れること1ヶ月でやってきています。

株価を見ても、1ヶ月遅れて下落しています。

これは多分、偶然ではないです。

以下のような仕組みで、株の下落も感染者数の変化に合わせて1ヶ月遅れでやってきていると考えられます。

世界の株価が中国に1ヶ月遅れでやってきた仕組み

  • 世界は中国に1ヶ月ほど遅れて、新型コロナウイルスの感染が見られた。
  • 中国も世界の国も、しばらくして感染者数が一定の規模になると、企業の生産活動や売上に影響が出始め、株価が売られた。
  • 感染拡大ペースが中国も世界もほぼ同じなので、株価が売られるタイミングも新型コロナ流行と同じ1ヶ月遅れでやって来た。

思い返せば、米国の株が売られ始めたのも、アップル・マスターカード・マイクロソフトなどが次々と売上目標の未達を発表してからでした。

>>アップル、新型肺炎で売上目標の達成が困難と発表

1ヶ月前の中国の感染者数と株価の関係をよく見ていれば、2月の世界的な株安ももっとうまく対処できたかも知れないです。失敗しましたね、既に後の祭りですが、2月中旬にアップルの売上目標未達を発表した時に、気づくべきでした。

先行する中国は相次ぐ金融緩和で株価を支えた

1ヶ月先行している中国の株をみれば、ひょっとすると未来の世界の姿が見えるかも知れません。

上の中国株の上海総合指数のグラフを見てみると、2月3日を底値に株価は回復していますが、このタイミングで中国の中央銀行と政府が矢継ぎばやに景気支援策を打ち出しています。

中国中央銀行と政府の対応

  • 2月3日:中央銀行、1兆2,000億元を市場に供給
  • 2月4日:中央銀行、5,000億元を市場に供給
  • 2月9日:財政省、約700億元の新型肺炎対策を発表
  • 2月10日:中央銀行、新型肺炎対策で特別再貸付資⾦を供給
  • 2月20日:LPR(ローンプライムレート)の引き下げ

こうした中央銀行と政府の対策で、中国株は株価を戻しつつあるようです。

世界の中央銀行が動き始めた


一方で世界を見渡すと、やはり中国から約1ヶ月遅れで次々と中央銀行が動き出しています。

次々と動き出す世界の中央銀行

  • 米国FRB:パウエル議長が利下げを示唆する声明を発表(2月28日)
  • 日本銀行:市場の国債やETFの買い入れを発表(3月2日)
  • 欧州ECB:「全ての政策ツールを適切に調整する用意がある」と発言(3月2日)
  • イングランド銀行:金融の安定のために「必要なすべての行動」を起こすつもりと発言(3月2日)

さらに早ければ、3月3日にも緊急でG7の中央銀行が強調した緩和策を打ち出すために電話会談をするようです。

(蛇足ですが、こうした緊急の会談が組まれるニュースを聞くと、リーマンショックを思い出します。たしか、あの時は政府は支援しないが、民間で救済する銀行がいないかを話し合うために、あらゆる米銀CEOが緊急で会議していた記憶があります。)

こうした動きを受けて、ダウは3月2日の1日で5.1%上昇しています。2009年以来の大幅な1日の上昇率だったようです。

新型コロナウイルスで1ヶ月先行する中国は、次々と緩和策を打ち出すことで株価を急落前まで値を戻しました。世界の株式市場もこれに続けるか注目です。


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