グーグルの親会社のアルファベットの決算がありました。
かなり苦しい今はかなりの不調に落ち込んでいるようです。サンダー・ピチャイCEOはコストを削減する大事な時期にいるという話をしており、今回の決算のような利益の低迷を見ているとまだまだ人員削減は進みそうです。
この記事のポイント
- 一株利益も売上も予想を下回った。
- ドル高と広告費削減の流れをうけて売上は前年比わずか+1%、一株利益は前年比マイナス31%と低迷した。
- 主力のGoogle広告の売上が前年割れ、クラウドの成長率はGoogleの中では高いが予想を下回った。
広告費削減で苦しむアルファベット
10-12月期のアルファベットの業績は一株利益も売上も予想を下回る、良くない内容でした。
- 一株利益:$1.05(前年比マイナス31%、予想$1.18)
- 売上: $76.05B(前年比1%、予想$76.53B)
2022年の1年間でアルファベットはほとんど毎回の決算でアナリスト予想を上回れていません。苦しい時期が続いています。
売上はわずかに前年比+1%、一株利益もマイナス31%と低迷中です。
サンダー・ピチャイCEOは今回の売上は「企業の広告宣伝費が削減されたことと、為替の影響を受けている」と発言しています。
為替の影響がなかったとしたら売上は前年比+1%ではなく、前年比+7%でした。ただ、前年比+7%でもアルファベットの成長率としてはかなり低いので、低迷の主な要因はやはりクライアント企業の広告宣伝費の削減なのでしょう。
セグメント別売上
売上についてはセグメント別の売上で、もう少しだけ詳細に見ていきたいと思います。
アルファベットの売上はGoogle検索による広告(売上構成比56%)、YouTubeの広告(同10%)、アドセンス経由の広告(同11%)などの広告収入が全体の8割を占めるのですが、これらの売上が前年比でいずれもマイナス成長を記録しています。
これらの低迷にクライアント企業の広告費の削減の影響が出ています。
売上構成(10億ドル) | 22Q4 | 構成比 | 前年比 |
---|---|---|---|
Google検索 | $42.6B | 56% | -2% |
YouTube広告 | $8.0B | 10% | -8% |
Google Network(アドセンス等) | $8.5B | 11% | -9% |
その他(定額制YouTubeやスマホなど) | $8.8B | 12% | +8% |
クラウド | $7.3B | 10% | +32% |
また、クラウドは相変わらず高い成長率を維持していますが、それでもアナリストの予想には届かなかったようです。
- YouTube広告売上: $7.96B(予想$8.25B)
- クラウド売上:$7.32B(予想$7.43B)
コスト削減に動くアルファベット
今回のアルファベットの決算ですが、一番気になるのはやはりコストカットの話になると思います。
売上がなかなか伸びない中で大きく減少した利益をどうにかテコ入れをするためには、コストカットの手を打つのは必然となりそうです。
われわれは今、コスト構造を再構築する旅の中にいる。
サンダー・ピチャイCEO
そして真っ先にやり玉に上がるのは、やはり従業員数だと思います。
前年から売上1%増加、一株利益が31%減少している中で従業員数は前年比+22%増加しているので、これを削減しないことにはコストカットは始まりません。
既にGoogleは1月に1万2千人のレイオフを発表していますが、おそらくまだ人件費の削減は進むと思われます。
2022年10月からテクノロジー業界のレイオフは下の図のように活発化していますが、まだまだ終わらないというのが私の考えです。