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1月のアメリカ企業、景気拡大ペースが大きく鈍化した模様。

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最近、アメリカの景気拡大ペースが鈍化しているのが気になります。

11月、12月は小売を中心に消費が伸び悩みましたが、1月は企業が感じる景気もかなり低調だったようです。

IHSマークイットが調査したデータによると1月のアメリカの企業に景気の伸びはほとんど見られず、景気の縮小に転じるところまでかなり近づいています。

しかし、1月は新型コロナウイルスの再流行など一時的な要因で景気が鈍化していることもあるので、これからすぐに景気後退になるとも言い切れないようです。

景気が鈍化しているデータが続いて悲観的な予想もついついしたくなりますが、コロナの流行が少し落ち着いた頃にどれだけ景気が戻るかを見てから次の景気後退までの距離を測りたいと思います。

この記事のポイント

  • IHSマークイットが調査したアメリカの企業の景気指数は「景気拡大圏内」にはあるものの大きく下がった。
  • ただし、景気鈍化の主な要因は新型コロナウイルスの流行と言われているので、景気鈍化は一時的かもしれない。流行が収まった後にどれだけ景気が回復するかを見守る必要がありそう。

低調だった1月のアメリカ企業


アメリカの企業の好不調を知るために翌月1週目に発表されるISMの景気指数を見る投資家が多いです。

しかし、知名度はISMよりも低くても同じようなデータはIHSマークイットから少し早く発表されるので、参考程度にそちらを見ることもできます。

そのIHSマークイットが発表した1月のアメリカ企業の景気指数(景気の強さを表した数字)ですが、結果は前月からだいぶ低下していました。

  • 結果:50.8
  • 前回:57.0

この数字は50を超えていれば景気が拡大しているという見方をします。反対に50を下回ると景気後退期のように、景気が悪化していることを意味します。

今回の1月の結果は50.8とかろうじて景気拡大が続いている程度の弱いものでした。

前回と比べても大きく低下している上に、去年2021年の頃と比べてもだいぶ景気拡大のペースが鈍化しているようです。

景気鈍化の要因ですが、IHSマークイットのコメントでは新型コロナウイルスのオミクロン株の流行などの一時的な悪影響があったと伝えています。

接客を必要とするサービス業を中心に従業員が感染して企業活動が縮小したり、従業員を採用しようと思っても人手が足りないなどでビジネスが制限されていたようです。

もしも、この低迷の理由があたっているなら既にアメリカではオミクロン株の流行はピークを超えているので、このまま景気縮小に突き進むのではなく少し回復することも期待できそうです。

景気後退までの距離


その他、IHSのレポートを読んで気になった点をさっとまとめておきます。

  • 資材価格は低下している。12月のISMの結果でもわかっていたが、素材株はもう保有しなくてよさそう。
  • サプライチェーンの問題は長引いているが、徐々に和らいでいる。インフレ圧力は低下している。
  • サプライチェーンの問題の緩和の兆候が見られて製造業の先行きは1年ぶりの楽観的になっている模様。

冒頭でも話をしましたが、1月の企業の景気が悪かったからと言って、これからも悪化の一途をたどるとは言えないようです。

1月の景気の低迷の原因になった新型コロナの感染者が減り始めている上に、2021年に苦しんだサプライチェーンの問題の緩和の兆しがあるので企業は先行きを楽観視しているので、まだ景気がしばらく拡大する展開は十分ありそうです。

コロナの感染が収まった時に、どれだけ景気が戻るのかを見守りたいと思います。

そのときに景気が浮上しないなら、それこそ大きな問題です。

この記事を書いている時点で投資家は2022年に4回の利上げを見込んでいますが、アメリカの景気が弱いなら4回の利上げも耐えられない恐れがあります。


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