少し短めになるのですが、アメリカの鉱工業生産指数と言う数字を見ていきます。
このデータは景気後退がやってくるとわかりやすく悪化するので、これからも時折見ておこうと思っています。
この記事のポイント
- 11月の鉱工業生産指数は予想通りの結果だった。
- 鉱工業生産指数の伸びは景気後退時に大きくマイナスになることが知られている。
- 現時点で前年比0.4%でマイナス圏内だがマイナス幅は小さく、アメリカの景気が大きく悪化に向かっている印象はまだない。2024年にこのマイナス幅が大きくならないかが注目。
鉱工業生産指数とは
先週、アメリカで11月の鉱工業生産指数の発表がありました。
- 予想:前月比+0.2%
- 結果:前月比+0.2%
- 前回:前月比-0.6%から-0.9%に下方修正
この結果だけ見ると、「ふーん、前月から+0.2%で、それがどうしたの?」となります。
この数字は鉱業や製造業の生産活動を数値化したものです。まずは事前の予想どおりの結果だったので、11月のアメリカの生産活動は良くも悪くもサプライスはなかったことになります。
そして、ここからのほうが大事だと感じているのですが、この鉱工業生産指数はGDPとかなり密接に関係しています。
もしも、アメリカが景気後退に陥っている場合には、鉱工業生産指数の伸び(前年比)がわかりやすく大きく悪化することが下図からわかります。
鉱工業生産指数は浅いマイナス圏を推移
さて、では現時点で鉱工業生産指数の伸びはどのようになっているでしょうか。
上図にも書きましたが、最新のデータ(23年11月)で鉱工業生産指数は前年比マイナス0.4%です。
この数字がマイナスになっているということは景気悪化の黄色信号は点っている状態ではありますが、まだ大きなマイナス幅にはなっていないことがわかります。
現時点ではやはりアメリカは景気後退の兆候はみられても、まだ景気の悪化を実感するような悪い状態ではなさそうです。
2024年になってこの数字が大きく悪化しだしたら、いよいよアメリカの景気悪化を疑い始めないといけません。それまであと数ヶ月かかるのか、1年弱かかるのかわかりませんが、しんぼう強く毎月データを確認したいと思います。