この1週間は米国株の市場が低調でした。
2022年が明けてからS&P500の下げが続いていますが、今週は下落が加速したような印象があります。
そして今回株価が下げている間に、少し大きな変化がありました。今まで市場の政策金利の引き上げ(利上げ)予想は2022年に4回でしたが、5回に引き上げられました。
2022年に5回も利上げをすれば、高い確率で2022年は後半から年末にかけて株価は大きく下落すると思っています。
この記事のポイント
- 投資家が予想する2022年の利上げ回数が5回になった。
- それだけではなく、6回目の利上げがある予想も20%に達している。6回目の利上げも視野に入ってきた。
- 年内5回の利上げは株価に悪影響がでる恐れがある。また、これ以上の利上げの織り込みも株価の下落を起こす恐れがある。
2022年の利上げ予想が5回に引き上げ
つい数日前まで2022年の利上げは4回だと市場の投資家は予想をしていました。
しかし、今ではそれが5回に引き上げられた模様です。
次の図はCMEの FedWatch ツールというサイトからとってきた、2022年12月の政策金利予想を示したものです。
22年12月時点で政策金利予想で一番確率が高いのは1.25%〜1.50%になっていて、この図を見ると投資家は2022年12月までに5回分(1.25%分)の利上げを予想していることがわかります。
少し気になるのは、投資家は既に年内の6回目の利上げも視野に入れていることです。
上の図を見ると12月までに6回分の利上げ(1.50%〜1.75%)を予想している投資家も20%ほどいて、6回目の利上げが起こってもそれほどおかしくない様子になってきています。
※FedWatch ツールの見方はこちらを参照:
【CME FedWatchツール】米国金利動向の市場予測の調べ方
ニュースや経済や金融のプロの話を聞いていると「次回のFOMCでは市場は70%の確率で利下げを見込んでいる」だとか、「市場の予測では7月、9月、12月の合計3回の利下げを見込んでいる」など、市場予測の解説を聞いたことがあるかと思います。この記事では市場の金利予想の調べ方を解説します。
2022年に5回の利上げで米国株が下落する可能性
このブログでは以前から書いていたように、今の米国株には2022年の5回の利上げが起これば、利上げに耐えられず大きく株価を下げる恐れがあると言ってきました。
今のアメリカで年4回から5回の利上げは厳しいかもしれない
2022年に3回の利上げならアメリカの景気は耐えられると思っているのですが、5回目の利上げともなると景気か株式市場どちらかが低迷する可能性が十分あると思って心配しています。
もしも市場の予想通りに5回分(1.25%分)の利上げを2022年内にするなら、米国株は年内に大きな下落をする局面を迎えるはずです。
また、5回だけにとどまらず利上げ予想が6回に引き上げられると、米国株の下落時期がさらに早まると思って警戒しています。
2022年の年始から株価が低迷しているのは、こうした急速に進む利上げ予想と無関係ではない気がしています。
2022年1月の下落について
ちなみに「2022年の年始から起こっている下落が、懸念している2022年の米国株の大きな下落なのではないか」との疑問も頭にうっすら浮かびましたが、まだ懸念している一番大きな下落ではなさそうです。
詳細は別の日に書きたいと思いますが、2022年の米国株は2018年と少し似たような展開になるのではないかと思っています。
その2018年を見てみると年始に株価を下げてもその後は回復し、年末に予想外の利上げが行われたことをきっかけに株が大きな下落局面を迎えるという展開でした。
2022年と2018年はいくつか共通点があります。利上げが進むこと、景気拡大のペースがピークを超えて鈍化することなどの環境が似ているだけではなく、年始から株価が大きく下げている点も似ています。
2022年は1度も利上げをしていないのに株価がピークをつけて急落するとは考えにくいので、1月の下落は時間はかかっても回復すると思っています。ただ、年半ばから後半にかけてはかなり要注意です。