アメリカの経済は1月好調でしたが、2月もそれに続くかが気になっています。
まだ2月分の経済指標は一部しか発表されていませんが、どうも2月もアメリカの景気は強かった様子が見られます。
この記事ではISMが発表したサービス業の景気について見ていきますが、2月もこの数字は強かったです。
この記事のポイント
- ISM非製造業指数(サービス業の景気の強さ)は予想を上回って好調だった。好調だった1月とほぼ横ばいを維持している。
- 新規受注も雇用も伸びている。2月のアメリカのサービス業の景気は強かったと言える。
- アメリカのインフレは抑えられると思っているが、インフレが十分鈍化するまでにはやや時間がかかるかも知れない。
ISM非製造業指数はアメリカ経済の好調ぶりと
すでに「この記事のポイント」でほとんど結論を書いてしまいましたが、具体的な数字で2月のサービス業の景気を確認していきます。
2月のISMサース業の数字は予想を上回りました。
- 予想:54.6
- 結果:55.1(前月55.2)
ポイントになるのは、2月の結果が好調だった1月の55.2をわずか0.1ポイント下回るほぼ横ばいにとどまったことです。
冒頭で「1月好調でしたが、2月もそれに続くか」と書きました。現時点で答えを出せと言われたら、しかたなく「Yes」になると思います。
内訳を見ても「新規受注」の景況感が高い水準で伸びており、雇用の伸びも2月よりも進んでいるように見えます。
雇用指数がクイッと伸びているのもやや不気味です。
まだ強いアメリカの雇用
私は2023年後半にアメリカのインフレが下がる予想を変えていません。
ですが、予想以上にアメリカの景気が根強いため、今後のインフレの鈍化ペースはゆっくりになる恐れがあるかも知れないと警戒しています。
また、雇用がとにかく強い印象もまだ拭えていません。
今週の後半はアメリカの雇用に関するデータの発表がいくつか予定されているのですが、前回まではどれを見ても雇用の勢いが落ちている印象はあまりないです。
- 3月8日(水):JOLTS(求人率の発表)
- 3月9日(木):米企業人員削減数、新規失業保険申請件数
- 3月10日(金):雇用統計
そろそろ金融引締めによる何かしらの変化を見たいところです。
既に何度か言っていますが、雇用の鈍化の傾向が見られればインフレの見通しが落ち着き、株や国債が買われるはずです。ただ、雇用が弱まるまでの道のりが随分と長い恐れが出ているので、我慢が必要な展開になっています。