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株の買い場が来たと宣言したJPMとバンカメ。株を減らしたUBS。プロでも評価が別れた理由。

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「株の買い時が来た」

JPモルガンチェースとバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの2社は、株を買うタイミング到来した宣言して、米国株に強気に転じました。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチは8月末、JPモルガンは9月明けにそれぞれ買い時が来たと判断ことをブルームバーグが伝えています。

参考記事:リスク資産強気に転じる、BofAのブル・ベア指標「買いシグナル」(ブルームバーグ)

参考記事:株の買い時が到来、「ワイルドカード」にもかかわらず-JPモルガン(ブルームバーグ)

テクニカル指標と金融緩和で株高が訪れるとするJPモルガン

情報が限られているので、何をもって株の買い場が来たと言えるのか根拠に乏しいのですが、2社ともに近い時期に株の購入タイミングを指摘しています。

JPモルガン・チェースのストラテジストはテクニカルな指標とこれから行われる金融緩和を考えると、今が株の購入タイミングだと勧めています。

また、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチも、投資家がどのくらい強気か、または弱気かを数値化したブル・ベア指標を見る限り、株の買い場が訪れているように見えると発言しています。

ただし、バンク・オブ・アメリカの指摘では、2019年内は株と商品に強気な一方、2020年の見通しは明るくないとも発言しています。この株の買い場と上昇の期間は、長くても数ヶ月の比較的短命に終わると見ているようです。

顧客の資金を運用する機関投資家は株投資に悲観的

一方で顧客から資金を預かって運用している機関投資家の多くは、株投資に悲観的な姿勢を見せています。銘柄の推奨を提示するJPモルガンチェースとバンク・オブ・アメリカが株を強気に見ている姿勢とは対照的です。

たとえば、富裕層向けに運用代行を行うUBSウェルス・マネジメントは2019年8月に株の保有比率を下げたと発表しました。株の保有比率を引き下げたのは、2009年から始まったユーロ危機以来、初めてだと言います。

世界最大のウェルスマネジャー、株式弱気に転換-ユーロ圏危機以降初(ブルームバーグ)

また、日系企業では第一生命が2019年5月に米中貿易戦争が激化して以降、2回に渡って株を売却し、リスクを回避する資産に切り替えたといいます。

株投資の強気・弱気は、投資スタイルによる違い

プロの間でもJPモルガンチェースとバンカメの強気派と、UBSウェルス・マネジメントや第一生命の弱気派に分かれる理由はなんででしょうか。

その違いは、売買頻度の違いです。UBSウェルス・マネジメントや第一生命は運用している金額も大きく、高頻度で株を売買する投資ではなく、じっくりと長く保有するスタイルです。

一方で、JPモルガンチェースやバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ買い推奨のアドバイスは、買い場が現れた時に「買い場」といい、売り局面が訪れたときには「売り」とタイミングよく予見することが求められます。

つまり、機動力はある投資ができる人であれば、JPモルガンチェースなどが言うように、今は株を買って危機前に売り抜けることで利益を出せるチャンスだと言えます。

また、株の上昇局面が短期で終わることを予想していたり、その後に危機がくることを見越している投資家には、UBSウェルス・マネジメントや第一生命のように今は株の保有を引き下げる、という投資スタイルが適しています。

私はタイミングよく株を売買するタイプではないので、株には弱気な姿勢をとって、これからの株高の時期を過ごそうと思います。


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