コンテンツへスキップ

市場「2023年にアメリカの政策金利は5%を超えない」

  • by

2022年に米国株や米国債に投資していた人は、政策金利の急上昇に苦しめられました。

しかし、その苦しみの原因になっていた政策金利の引き上げはまもなく終わりが近づいています。市場の予想通りなら、利上げ幅は残すところ0.50%。回数にしてあと1回か2回となりました。

この記事のポイント

  • 12月のFOMCで、政策金利は2023年に5%超えになる見通しが示された。
  • しかし、FOMC後も市場は5%手前で利上げが止まる予想を変えていない。
  • FOMCは市場の予想通りに利上げをしてきた。今回もその可能性が高く、市場の予想通りなら残る利上げ幅はわずか0.50%になった。

政策金利が5%を超えないと予想する市場

12月のFOMCが終わり、アメリカの金融政策を決めるメンバーたちの大半が「2023年は政策金利を5%以上に引き上げないといけない」と考えていることがわかりました。

>>【22年12月FOMC】FOMCの経済見通しから見える2023年の姿

しかし、冒頭にも書いた通り金利先物市場の投資家たちはそうは思っていないようです。FOMCの結果を見た後でも、投資家たちは2023年に5%を超えないと予想しています。


※グラフに書いているのは下限の政策金利です。4.75%という表記は4.75%〜5.00%を指します。

投資家たちの「早く金利上昇が終わってほしい」という願望もあるのかも知れませんが、世界中の優れた投資家たちが考えていることの総意が「2023年の政策金利は5%超えない」というものなので無視はできません。

ひょっとすると、もはや投資家たちはアメリカのインフレは2023年に収まるという確信を得たのかも知れません。

11月のアメリカ消費者物価の発表の直後、このブログでも最近のデータを見る限りは2023年にインフレが低下すると見通しがたったという話をしましたが、私よりももっと確かな考えを投資家たちは持っている可能性もあります。

>>【22年12月消費者物価】アメリカの消費者物価、伸びはさらに鈍化。

>>2023年後半にアメリカの消費者物価は大きく低下する

または、アメリカの景気悪化が迫っていることを敏感に感じ取り、5%超えの政策金利を実現できるほど景気が強くないと思っているのかも知れません。

理由はなんであれ、FOMCの話を聞かずに市場が独自の予想を通すことは今年は中々みられなかったことなので注目に値します。

FRBは市場予想に従う


さて、FRBは市場の予想通りに利上げを4.75-5.00%で止めることになるのでしょうか。

パウエル議長が就任してからの利上げは2018年と2022年で行っていますが、タイミングも利上げ幅もほぼ市場の予想通りにしか利上げを実施していません。なので、このまま市場が政策金利の上限を4.75%〜5.00%と予想し続けるなら、パウエル議長は市場の予想通りに利上げ停止をすると私は思っています。

それなら、残る利上げ幅は0.50%分です。投資家を苦しめてきた利上げがいよいよ終わりに近づいていることになります。

これは良いニュースです。問題は利上げ停止後に、アメリカの景気後退までの時間がどれだけ残されているかです。

利上げ停止で米国株に追い風が吹いても、その後に景気後退がやってきしまうと株価が大きく低下するのは前回お話した通りです。利上げ停止で浮かれていると足元をすくわれる事になってしまう点には気をつけたいところです。

利上げ停止も利下げも株価を上昇させるが、景気後退にはかなわない


本ブログからのお願い

この記事は、読者が自由に記事の金額が決められるPay What You Want方式をとっています。

「役にたった」「面白かった」など、何かしら価値を感じた場合は、YUTA'S INVESTMENT TICKETをクリックして、価値に見合った金額をお支払い下さい。

価値がないと思った場合には、お支払いは不要です。同じ記事を読み返して、新しい気づきがあった場合には、1人で何回クリックしても問題ありません。