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弱気から強気に転じ始めるプロの投資家たち

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今年の投資は本当に難しいです。

新型コロナウイルス以降に、米国株に悲観的な見方をしていた有名な投資家や投資のプロの一部で、6月末以降に強気に転じている動きがあるようです。

この記事のポイント

  • 投資のプロでも強気に転じている動きがあるように見える。
  • 投資のプロも、S&P500の売りポジション(下がることに賭ける取引)を6月中旬以降に、急速に縮小させている動きが見られる。
  • S&P500は半値以下の1600まで下がると発言していたスコット・マイナード氏も、短期的にはFRBの政策のおかげで株は上がると意見を更新している。

投資家の売りポジションが急速に減少


ヘッジファンドなどの投資家の先物市場でのS&P500のポジションを調べてみると、急速に売りポジション(株価が下がれば儲かる取引)が縮小していることがわかります。

以下の図では、下にいくほど売りポジションが多く、上に行くほど買いポジションが多いことを表すのですが、6月以降は大幅に下に振れいたグラフは急速に上昇し始めています。

S&P500の大幅下落を予想していた投資が強気なコメント


6月末時点で、7月以降に米国株のS&P500は約半値の1600ドルになると予想している投資家のスコット・マイナード氏の意見を紹介しました。

7月中旬になって、マイナード氏も短期的には米国株に対して、しぶしぶ強気に意見を変えつつあるようです。

米株式相場は上昇へ、バブル期並みの評価でも-グッゲンハイム(ブルームバーグ)

投資家は一つの考えの固執せずに、状況に合わせて柔軟に対応することが求められるので、意見を変えること自体は悪いことではないと思います。気になるのはその理由です。

ブルームバーグの日本語の記事では、さらっとしか紹介していませんでしたが、本人出演の動画を見る限り、以下のように説明していました。

マイナード氏が短期的に米国株が上がると考える理由

  • S&P500は主要な5社(マイクロソフト・アップル・アマゾン・フェイスブック・アルファベット(Google))で時価総額の30%ほどを占める。
  • 分析をすると株は社債には強い関係がみられる、社債が買われると5社も買われる。
  • FRBが社債を買っているが、この政策の終わりがすぐに来るようには見えない。
  • だから、私達はおそらく株が上昇を続けると期待するべきなのだろう。

要するにFRBがアメリカ企業の社債を買っている政策が、協力で今後も株が上昇し続けると考えているようです。

また、株は割高でありながらもしばらく上昇を続けるバブルに似た相場になるかも知れないとの考えもあるようで、以下のように言っています。

  • バブルの性質というものは長く続く、そしてどう終わるかが予測がつかない。
  • 90年代後半のバブルは2年以上続いた。
  • 株式市場でもリターンを生むだろうが、リスク調整後のリターンは社債やハイイールド債のほうが良いだろう。

さいごに


この記事では、ヘッジファンドなどのS&P500の売りポジションが急速に解消されつつあること、更に普段からかなり弱気な予想をするスコットマイナード氏が強気な発言をしている旨を紹介しました。

マイナード氏は短期的(数ヶ月から約2年程度?)に米国株は上昇しうると言っています。

私は基本的にはその意見に賛成です。

私個人の見解

  • 短期(数ヶ月):大きな株価下落があるかも知れないが、FRBや米政府が支えればかなり短期に回復可能。
  • 中期(2-3年):基本的に強気。ただ、次の景気回復期は景気が加熱するかも知れない。その場合、インフレ率が上昇が止められなければ株高をささえた低金利の時代が終わりかねず、金利が上がって多額の借金を抱えた米企業が大打撃を受けて景気後退もありえる。
  • 長期(5-10年):インフレ率が2%前後で安定なら、株が有力な投資対象になる。ただし、中期で見られたインフレ率が上昇が止められなければ、インフレ率上昇と景気悪化の同時進行もあり得る。(株よりも金・商品・不動産が有利な時代)。

ただし、短期で書いた「大きな株価下落」は、近いうちに新型コロナウイルスのアメリカでの再流行・再ロックダウン(都市封鎖)が引き金になって訪れる恐れがあるかもと思って、かなり警戒しています。

6月中旬に1日約2万人だったアメリカの新規感染者数は、7月中旬に3倍に増えて6-7万人を記録しています。幸い死者数は大きく増えていませんが、有効なワクチンが開発されて人々に接種されるまでに、再び都市封鎖することなくウイルスを抑え込めるのかが気になっています。


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