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マイクロソフト、今期もクラウド好調で好決算【22年1-3月期決算】

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マイクロソフトの1-3月期の決算発表がありました。業績は好調でした。

昨日グーグルのクラウドの話をした時に、個人は新型コロナ流行時に流行った消費(動画など)から離れている一方で、企業はコロナ流行でクラウド化の流れを加速させた動きが継続しているという話をしましたが、マイクロソフトでもやはり同じような動きが見られました。

この流れがあるなら、クラウドの売上比率が高いマイクロソフトは必然的に好調が長く続くはずです。反対にマイクロソフトが崩れるときには、米国株企業全体で大きな景気の低迷が来ているはずだと思いました。

この記事のポイント

  • マイクロソフトの22年-13月期の業績は予想を超える好決算だった。
  • 今期も好調が続いた要因はクラウドの高い成長率。マイクロソフトのクラウドサービス(Azure)は成長率を落とすことなく安定して稼げている。

好調だったマイクロソフトの業績


22年1-3月期の決算でグーグルの親会社のアルファベットやネットフリックスはともに、新型コロナ流行時の消費の勢いがなくなり不調に終わりました。

しかし、売上の多くを企業向けのビジネスで稼いでいるマイクロソフトはまだ好調を維持しているようです。マイクロソフトの1-3月期の業績は売上も一株利益もともにアナリスト予想を上回る好業績でした。

  • 一株利益:$2.22(予想:$2.19)
  • 売上:$49.36B(予想:$49.05B)

一株利益は+14%、売上成長率は+18%なのでIT企業としては高い数字を残しているわけではないのですが、投資家はこの企業が安定して稼げているところを評価しているように見えます。

単位B:10億 22Q3 前年比
収益 $49.2B +18%
営業利益 $20.4B +19%
一株利益 $2.22 +14%

四半期毎の売上や営業利益がきれいに右肩上がりのグラフを描いていることからも、この企業の業績が安定している様子がわかります。

上のグラフを成長率を確認すると、たしかに売上も利益も下がってはいるのですが、ネットフリックスグーグルなどの他の企業と比べるとその下がり方は緩やかです。

今期もクラウドが売上を牽引


昨年からIT企業は成長率が落ちたり、業績見通しを引き下げているなか、マイクロソフトの業績が崩れずに安定している理由はクラウドにあります。

マイクロソフトには次の3つの部門がありますが、その中でもクラウドに関連するインテリジェントクラウド部門が今期も好調でした。

部門説明

  • プロダクティビティ&ビジネスプロセス部門:Word・Excel・PowerpointなどのOfficeソフト、CRM(顧客管理)製品のDynamics、LinkedInを提供する部門。主にビジネス向けのソフトを扱う。
  • インテリジェントクラウド部門:クラウドコンピューティングのAzure、Windows Server、SQL Server、GitHubなどのIT基盤製品の提供と、企業向けのコンサルティングサービスを行う部門。
  • モアパーソナルコンピューティング部門:Windows OS、Surface PC、bing検索、Xboxなど大衆向けのソフトや製品を提供する部門。

この3部門のなかで売上規模が一番大きなインテリジェントクラウド部門なのですが、最近この部門は好調で最も高い売上成長率を見せています。

単位B:10億 22Q3 構成比 成長率
プロダクティビティ&ビジネスプロセス部門 $15.8B 32% +17%
インテリジェントクラウド部門 $19.1B 39% +26%
モアパーソナルコンピューティング部門 $14.5B 29% +11%
合計 $49.4B 100% +18%

アマゾンもグーグルもクラウドコンピューティングサービスを手掛けていますが、クラウド関連の売上の割合はマイクロソフトほど高くありません。

新型コロナウイルスが流行してから企業はクラウド化に舵を切って、何年もクラウド業界は好調が続いていますが、この恩恵はマイクロソフトが一番受けやすくなっているように感じます。

1-3月期の業績から見えてきた傾向


1-3月期の業績をいくつかの企業で見てきましたが、わかってきたのは次のことです。

  • 新型コロナ流行時の在宅娯楽(動画、ゲーム、フィットネス、投資)のブームは過ぎた。
  • 新型コロナをきっかけにした企業クラウド導入の流れはまだ継続。

企業のクラウド導入の恩恵を受けるのはクラウドサービスを提供するマイクロソフト、アマゾン、グーグルですが、このうちにクラウドの売上比率が高いマイクロソフトは売上成長が長く続くという展開になっています。

かつて大手IT企業をGAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)と呼んでいたころがありましたが、今の景気サイクルではマイクロソフトは一番最後まで業績が伸びる企業に見えます。

逆を言うと、マイクロソフトの業績がつまずいたときには、(マイクロソフトのクラウドの利用顧客となりうる)米国企業の多くがまずい状態になっている恐れがありそうです。


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