今朝は投資家から注目を集めていたエヌビディアの決算がありました。
結果は予想を上回る好業績でした。ただ、中国への輸出規制で業績で対象の製品の売り上げに影響が出るというCFOのコメントがあり、株価は決算発表後に下げたようです。
この記事のポイント
- エヌビディアの8-10月の業績は良かった。売上は前年の3倍を記録し、利益も前年から大きく伸ばした。
- また、今四半期の業績見通しも予想を超えるなど、内容は悪くなかった。
- しかし、アメリカ政府が発表した中国への半導体輸出規制が業績に影響するとCFOがコメントしたことで、株価に一部売られる動きがあった。
業績は好調
エヌビディアの第3四半期の業績はとっても良かったと思います。アナリストの予想は今回はそれほど低くなかったはずなのですが、それでも予想を超えてきました。
- 調整後一株利益:$4.02(予想$3.37)
- 売上:$18.12B(予想$16.18B)
上のような書き方だと、この業績がどれだけすごいかがあまり伝わらないかもしれませんが、わかりやすくいうと前年から売上は3倍(前年比+200%)に増えています。
上のグラフを見ても急成長ぶりが一目でわかります。
また、今の四半期の業績見通しも予想よりもかなり良かったです。
- 売上見通し:$20B±2%(予想$17.82B)
中国への輸出規制について
ただ、冒頭にも書いたように株価はやや下がってしまいました。
アメリカ政府が打ち出した中国への半導体輸出規制で業績に影響が出るというCFOのコメントが決算報告書に書いてあったことが、下落の原因と言われています。
せっかくなので、決算資料から該当箇所を探して少し目を通しておきましょう。
10月17日にアメリカ政府は新たなライセンス要件(半導体規制)を発表しました。これはエヌビディアの2024年度第4四半期に該当する時期から、中国をはじめとする国々への輸出に対して有効になる制度となっています。
アメリカ政府が中国向けに半導体の輸出規制を強化したニュースを知っている人は多いと思います。それについて、エヌビディアのCFOは次のようにコメントしています。
最近の数四半期を見ると、中国をはじめとする地域で今回規制対象となった製品の売上はデータセンター部門の約20-25%に相当します。われわれは他の地域で成長を穴埋めすることができると信じていますが、該当地域での規制製品の売上は第4四半期に著しく減少すると見ています。
恐らく、このコメントが好業績でも決算発表後に売られることになった原因と思われます。
規制製品の売上が大きく下がったとしても他でカバーすると言っている点、そして先程見たように問題の第4四半期の業績見通しが予想を上回った点を考えると、傷口はそれほど大きくないようには見えます。
しかし、投資家としては2023年に順調に株価を伸ばしたエヌビディア株の利益を確定させる売りをしたくなったのかもしれません。
なお、私は2024年のアメリカの景気後退を予想しているので、この株は景気の谷が訪れてからでないと買う予定はありません。
ただ、長期的に面白い銘柄だと思っているので、景気後退で株価が下がったり今のAIブームが去った後に株価が下がれば長期保有したいと考えています。