2019年11月の新築住宅販売件数が発表されました。
- 11月の新築住宅販売は予想を下回り、なおかつ前月の販売数の下方修正もされた。
- ただし、それでも9-11月の3ヶ月の新築販売ペースは、12年ぶりの高水準を維持している。
- 好調の原因は、住宅ローン金利の低下・低失業率・所得の伸び。住宅販売の伸びは、2019年第4四半期のGDPを押し上げる要因になりそう。
- ただし、住宅販売以外は11月の景気は伸び悩んでいる。
予想を下回り、前月結果も下方修正された11月新築住宅販売件数
11月の新築住宅販売件数の結果は、この月だけ見ると良くなかったです。事前予想を下回っているだけでなく、前回の結果も大きく下方修正されています。
可能修正されていなければ、事前予想も前月も下回る結果になっていました。
- 予想:73.0万件
- 結果:予想を下回る71.9万人
- 前回値:73.3万件から71.0万件に下方修正
それでも、多くの人がこの結果を悲観的に見ていないのは、今アメリカの住宅が売れ行き好調だからです。11月の販売が予想よりも伸びていなくても、過去数年に比べたら十分売れている好調期にいると多くの人が見ています。
依然として新築住宅販売は高水準をキープ
実際に過去2年間の新築住宅販売件数のグラフを見ても、この直近3ヶ月間はかなり高水準をキープしていることがわかります。
9-11月の3ヶ月の新築販売ペースは、12年ぶりの高水準だったようです。
住宅販売が好調な理由
すでに何度かこのブログでも、アメリカの住宅販売の好調さについては触れていますが、理由はつぎの3つです。
- 低下する住宅ローン金利
- 低い失業率
- 伸びる個人所得
特に住宅ローン金利については、2019年にかけて大きな下落が見られたので住宅を買う力強い後押しになったようです。それに加えて、失業率も歴史的な低水準で、鈍いながらも賃金上昇が続いていることがプラスに働いているようです。
11月アメリカ景気は伸び悩んだ
もうすでに11月のアメリカの経済指標も出揃いましたが、この月はやはりアメリカの経済が伸び悩んだ印象があります。
前月よりも良い結果が出たのは、GMのストライキ解消の一時的な要因が影響してプラスに転じた雇用統計、鉱工業生産指数、それに住宅関連くらいでした。
その他は軒並み、予想も前月の結果も下回っています。
11月米経済指標 | 予想以上 | 予想未満 |
---|---|---|
前月以上 | 雇用統計 ミシガン消費者信頼感 住宅着工件数 鉱工業生産指数 個人所得・支出 |
新築住宅販売 |
前月未満 | – | ISM製造業 ISM非製造業 コンファレンスボード消費者信頼感 ADP雇用統計 コア小売売上高 耐久財受注 中古住宅販売件数 |
株高の良い影響が実体経済を押し上げるには、まだ時間がかかるのでしょうか。それとも、株だけあがって実体経済は重く沈むのでしょうか。
年明けから、12月の経済指標が続々と発表されると、2019年第4四半期の景気の様子も薄っすらと見えてきそうな気がします。