予想外に強かった7月の米雇用統計。市場の金利引き上げ予想は2022年11月に繰り上げ。

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既に多くのニュースで知っている人も多いと思いますが、7月のアメリカの雇用は強かったようです。

>>米雇用者数、7月は予想上回る94.3万人増-失業率は大幅低下(ブルームバーグ)

ただし、投資家としては「景気が良くて何よりだった」と単純に喜べない事情もあります。

景気が予想よりも良かったなら、景気回復のためのゼロ金利政策も予定よりも少し早く終わる可能性が高まります。そうなれば、今の金融政策に支えられて株高が続いている米国株にはマイナスの影響が出る恐れがあります。

今回の雇用統計の発表前後でも、投資家の間での政策金利の引き上げ予想に変化が見られたので、振り返っていきます。

この記事のポイント

  • 7月の雇用はかなり良かった。雇用者増加、失業率、平均時給のすべてが予想よりも良かった。
  • 市場は米国債売り、ドル高で反応した。米国株は景気に敏感な金融、石油、工業株は買われ、国債につられて売られることが多い割高なハイテク銘柄は売られた。
  • 市場の政策金利引き上げ予想はわずかに早まった。雇用統計前は2022年12月だったが、11月に前倒された。

予想外に強かった7月のアメリカ雇用統計

7月の雇用統計ですが、予想していたよりもずっと景気が強かったようです。

雇用の増加数、失業率、平均時給のどれをとっても、予想されていたよりも良い結果が出てきました。今回は旅行関連で雇用が大きく伸びたようです。

  • 非農業部門の雇用者増加:+94.3万人(予想+87万人)
  • 失業率:5.4%(予想5.7%)
  • 平均時給(前月比):0.4%(予想0.3%)

実は数日前に発表された、ADP社がまとめた7月の民間雇用統計では数字がかなり悪かったので、景気の強さを不安視する声が多かったのですが、心配する必要はなかったようです。

今回発表された強い数字に対して、市場はとてもわかりやすく反応したので、主な相場の動きを見ていきます。

雇用統計発表後の市場の反応

まず、真っ先に反応したのは米国債でした。国債は安全資産とも言われて景気が悪いほど安全を求めて買われて、反対に景気が良いと売られる傾向があります。

今回の雇用統計では予想よりも景気が良いことがわかったため、雇用統計のあとに国債は売られました(国債の利回りは上昇)。

21年7月の雇用統計後で上昇した米長期金利

また、長期米国債の利回りが上昇して金利が良くなったので、ドルが買われる動きも見られています。

雇用統計後にドル高へ

また、景気が良いと買われる金融株・工業株・石油株は上昇して、長期金利が上昇すると売られやすいハイテク株は売られています。

8月6日の米国株市場

政策金利引き上げ予想は2022年11月に繰り上げ

今のアメリカの金融緩和は雇用回復のために続けられているので、失業率が下がって雇用が回復することは、投資家にとってありがたい金融政策との別れの時が近づくことを意味します。

(変な話ですが、雇用が改善しないほうが金融緩和が長く続いて、投資でリターンが出せるのかも知れません。)

歴史的には、米国株は政策金利が上昇して数ヶ月から数年経つと下落に転じているので、いつ政策金利の引き上げ(利上げ)が始まってしまうのかが今後1年間の投資家の関心事になると思っています。

そこで市場がいつ利上げが起こると予想しているかを調べてみると、雇用統計の前後でやはり少し早まっていることがわかります。

市場の利上げ予想は雇用統計後にわずかに早まった

上の図は、市場の投資家がいつまでには利上げが起こっているかの予想をグラフ化したものです。例えば、グラフを見ると雇用統計の発表後に2022年11月の利上げ予想確率は51%となっていて、市場の過半数は2022年11月に利上げが起こると見ているようです。

ここからわかることは以下の2つです。

  • 今回の雇用統計後に、利上げ予想が全体的に前倒しされている。
  • 特に市場の利上げ予想は雇用統計前までは22年12月が多数派だったが、22年11月に前倒しされた。

8月6日の雇用統計の数字は強かったので、やはり利上げ予想は全体的に前倒しされたようです。

利上げのタイミングに注目して見ると、雇用統計発表前は2022年12月だったものが、11月に変わっているところを見ると、約1ヶ月ほど前倒しされています。

利上げの後に訪れるはずの株価の調整(下落)を気にしている投資家にとっては、投資できる期間が1ヶ月短くなったと言えるかも知れません。

ただし、冷静に考えてみると予想される利上げの時期までは、まだ1年以上も時間があります。この期間はまだ米国株が上昇する余地はあるはずなので、過度に警戒しすぎてリターンを逃すことがないように心がける必要もあります。

景気が強ければそろそろ利上げ時期が投資家の話題に出始めるかも知れませんが、利上げはあるとしてもまだ1年先なので、今はまだ株から大きく資金を引き上げる必要はないと思っています。


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