コンテンツへスキップ

逃げたつもりが逃げられてない?国債・金が株価に連動することのリスク。

  • by

連動してしまう株・国債・金

何の結論も対処法もでない話なのですが、最近気になっていることがあります。この数年間の株、国債、金のグラフを見ていると、どれも上昇傾向にあって、連動している気がします。

試しに1つのグラフを作ってみました。株は米国株全体に連動するETF(シンボルVTI)、米国債は20年以上の米国債を扱うETF(シンボルTLT)、金はETF(シンボルGLD)を使って2005年から直近までのリターンを比べてみたのですが、2017年から3つとも連動して価格が上昇している気がします。

※グラフはPortfolio Visualizerで作成しています。使い方はこちらで解説しています。
【超便利】米国株ポートフォリオ検証ツールPortfolio Visualizerの使い方

株価が連動すると困る理由

国債や金が株価に連動するのは嬉しいことではありません。もちろん上昇している局面ではハッピーなのですが、国債と金が株と連動してしまうと下落局面で、あらゆる資産が下落して涙を飲むことになります。

多くの人にとって国債や金は、株価の急落に備えて資金を逃しておくもののはずなのに、株価と連動して下落してしまっては株価下落時の逃避先としての役割を果たせなくなります。

これは他人事ではありません。私も2019年8月末から、次の景気後退に備えて株以外の資産を増やしています。

なので、今の傾向のまま国債と金が株の下落局面で、ズルズルと下がってしまっては、何のために株から国債や金に資産を逃したのかわからなくなってしまいます。

国債と株の連動を指摘する著名人達

少し調べてみると、私だけでなく国債と株が連動していると感じている著名人がいます。2018年に元FRBのアラン・グリーンスパン氏、債権王のガンドラック氏がこの事に触れています。

アラン・グリーンスパンはブルームバーグに対して、2018年2月の時点で「2つのバブルがある。株式バブルと債券バブルだ」と、共に価格が上昇していると警告しています。

また、以下はガンドラック氏のツイートなのですが、「S&P500は6.5%も低下しているのに、米国債はわずか4bpsしか利回りが低下していない(ほとんど変化していない)」と、株と国債が連動しているとまでは言っていないものの、普通なら反対の逆の動きをするはずの株と国債の関係性が崩れていることを指摘しています。

昔は、先進国や発展途上国で株が連動しなかったので、先進国株と発展途上国の株を持つことで、リスク分散を図っていたと聞いたことがあります。最近では世界の市場で同時株安が起こることも珍しくなくなっているので、このリスク分散は既に効果を失いつつあります。

同じように、株価も国債も一緒に下落するような展開になってしまうのでしょうか。本当だとすると困りますね。それならどうしたら良いのかは、まだ見えていませんが、ちょっと気になる現象だったので、この記事で紹介しました。


本ブログからのお願い

この記事は、読者が自由に記事の金額が決められるPay What You Want方式をとっています。

「役にたった」「面白かった」など、何かしら価値を感じた場合は、YUTA'S INVESTMENT TICKETをクリックして、価値に見合った金額をお支払い下さい。

価値がないと思った場合には、お支払いは不要です。同じ記事を読み返して、新しい気づきがあった場合には、1人で何回クリックしても問題ありません。