ノボノルディスク、経口セマグルチド試験完了。2019年3QでFDA承認か。

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期待の飲む薬がFDA承認へ

ノボノルディスクは開発していた新型の飲む糖尿病治療薬、経口セマグルチドの試験が2018年までに全て無事に完了した模様です。

今まで注射での投与しかできなかったGLP-1受容体作動薬と呼ばれるインスリンの分泌を助けるタイプの糖尿病治療薬としては、画期的となる”飲む”タイプの薬が、他社に先駆けてノボから発売されることになりそうです。

これはとてもいいニュースですね。糖尿病患者の注射する痛みと手間を緩和できれば、処方数をずっとのばすことができそうです。しかも、この飲み薬の経口セマグルチドは、ライバルのイーライリリー社の既存の注射型GLP-1薬よりも血糖を下げる効果が高いとの臨床試験の結果も出ています。

残す関門のアメリカ当局(FDA)の承認については、2019年第1四半期で”優先審査(priority review)”の申請を出す予定で準備を進めており、早ければ6ヶ月の審査を経て2019年第3四半期までに承認を得られるようです。2019年前半には、ヨーロッパでの申請を出す予定とのことで、販売に向けて着々と前進していることが、2018年決算報告にて発表されています。

このブログでも、2-3年前から注目していた経口セマグルチドがようやく販売に向けてあと1歩のところまできました。今後も注目して、ニュースを追っていきたいと思います。

しかし、素人の人間が、専門性の高い糖尿病の治療薬のニュースを読むのはシンドいですね。最新ニュースは、とくに日本語化されていないものも多いので、英語で専門外の内容を理解するのは骨が折れます。。。

この経口セマグルチド関連のニュースを他のサイトやプレスリリースを理解するために必要な背景・知識をまとめましたので、お役立てください。

糖尿病とは

糖尿病は、主に肥満や運動不足によって血液中に流れる糖が増えてしまう病気で、神経や目や腎臓などにさまざまな合併症を起こすことが知られています。世界の糖尿病人口は爆発的に増え続けており、WHOの発表では2017年で糖尿病有病者数は4億2,500万人に上る現代病です。

この糖尿病治療薬の老舗製薬会社は古くからインスリンの製造を手がけてきたノボノルディスク、イーライリリー、サノフィの3社がありますが、私はこの中のノボの株を買っています。

GLP-1受容体作動薬とは

一般的には血糖を消化するインスリンを注射をする治療が有名ですが、実はそれ以外にも糖尿病患者は複数の薬を併用して治療をしています。インスリンの分泌を助ける「GLP-1受容体作動薬」「DPP-4阻害薬」、血液中の過剰な糖を尿中に積極的に排出させる「SGLT2阻害薬」がインスリンと合わせて使われますが、近年は飲み薬で投与できる「DPP-4阻害薬」と「SGLT2阻害薬」が最近の流行りになっていました。

今回のノボ社の経口セマグルチドは、従来は注射型でしか実現できなかったGLP-1受容体作動薬を飲み薬にできた点で大きな進展をみせました。

経口セマグルチドの効果

ノボ社が発表した試験結果によるとこの経口セマグルチドは、ライバルのイーライリリー社から発売しているトルリシティよりも優れた血糖低下(HbA1c)と体重減少を示し、有害事象の発現件数も同程度だったとのことです。

平たくいえばノボの新薬は、糖尿病患者の注射の痛みから開放されて、注射型薬品よりも効果も抜群で、リスクも増えないという、画期的なものができたと思っています。(※効果はあくまでにイーライリリーの既存製品との比較です。イーライリリーも注射型ではあるものの、トルリシティよりもずっと効果の高いGLP1薬を開発してます。)

FDAの優先審査とは

薬の販売の前にはアメリカ食品医薬品局(FDA)の審査が必須ですが、FDAが重要と認めている病気で、従来の治療薬に比べて大幅に効果が改善される画期的な治療薬の承認に限っては、通常10ヶ月かかる薬の承認審査を6ヶ月に短縮できる優先審査(priority review)を行っています。

ディズニーランドのファストパスみたいなものですね。

今回ノボ社は、経口セマグルチドをこの優先審査でFDAに申請することを公表しています。それを事前に決算発表でCEOが公表していることから、ノボ社はこの経口セマグルチドにかなりの自信を持っていることがわかります。