飲む糖尿病治療薬の経口セマグルチド、2019年第3四半期にも承認判断へ。

  • by
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

ノボ・ノルディスクの2019年2Q決算が発表されました。

ノボ・ノルディスクは糖尿病患者向けの薬を手がけるデンマークの製薬会社です。90年以上前から存在する歴史ある会社で、血糖値を抑えるインスリンのシェアで世界No1を誇っています。今後世界的に糖尿病患者が増えることを見越して、私が投資している会社でもあります。

さて、近年インスリン以外の様々な糖尿病治療薬も出てきて、ライバル企業のイーライリリーなどに追い上げをされているノボ・ノルディスクですが、今はインスリンから、別のタイプのGLP-1受容体作動薬(以下、GLP-1)呼ばれるタイプに売上の主軸を移しつつある変革期で苦戦をしていました。

GLP-1で勢いづいているライバルのイーライリリーと戦うための新薬開発も無事に終わり、日米欧で使用許可申請待ちというところまで来ました。その長いトンネルももうじき終わりが見えるかという、希望がちらっと垣間見えた2019年2Qの決算報告でした。

  • 売上:前年比+9.6%の300.3億デンマーククローネ。
  • 一株利益:4.03デンマーククローネ

近年一桁前半の売上成長が続いてましたが、10%弱の売上成長は久々の堅調ぶりです。2019年の通期売上ガイダンスも引き上げています。

ひとまず安心できる内容の決算でした。

ノボ・ノルディスクを買っていた理由

私は個別株の中で、一番大きく買っているのがデンマークの会社のノボ・ノルディスク・ファーマです。2013年から2014年にかけてこの銘柄を買いましたが、この時感じていた魅力は40%前後の営業利益率高いと、20%を超える一株利益の成長でした。加えて、世界的に流行することが見込まれている糖尿病の分野で、長年インスリン開発に取り組んできた歴史ある会社ということで、買っていました。

ノボ・ノルディスクを取り巻く苦難

2010年代後半以降は2つの驚異にさらされてきました。1つは、アメリカのインスリンの薬価引き下げ。もうひとつはインスリン以外で他社の躍進(具体的にはGLP-1分野でのイーライリリーのシェア拡大)です。

特に、アメリカでのインスリンの売上は激しく、今でも北米でのインスリンの売上は-15%で減少しています。このような背景から、ノボは主力事業をインスリンではなく別のタイプの薬である37.1%の成長率で拡大するGLP-1市場に移しています。


※10年間、年率37.1%で成長してきたGLP-1 

そのかいもあって、北米での売上構成もインスリンとほぼ同程度までGLP-1の売上を伸ばすことが出来つつあります。

期待は飲むGLP-1経口セマグルチド

しかし、この期待のかかるGLP-1市場でも、ノボにはまだ大きな脅威があります。GLP-1分野で業界2位のイーライリリーが猛追してきており、シェアは見る見る間に奪われています。

以下の赤線はノボ・ノルディスクのGLP-1分野での北米シェアを表していますが、近年急速に減少しています。

※北米市場シェア:Novo Nordisk 43%, Eli Lilly 31%

また北米以外でもGLP-1のシェア減少に歯止めがかかりません。

※北米以外の市場シェア:Novo Nordisk 50%, Eli Lilly 41%

この奪われたシェアは主にGLP-1受容体作動薬で業界2位のイーライリリーによるものでした。

期待の新薬、経口セマグルチド

このイーライリリーの攻勢をかわすために、ノボがこの数年社運をかけて取り組んできたGLP-1の新薬があります。それが飲むタイプのGLP-1作動薬である、経口セマグルチドです。

経口セマグルチドの詳細説明はこちら:
ノボノルディスク、経口セマグルチド試験完了。2019年3QでFDA承認か。

今までのGLP-1は注射タイプの薬しかありませんでしたが、世界で初めて飲むタイプのGLP-1を開発しました。患者の注射の負担を減らせるこの新薬は、GLP-1の市場シェアを奪還できるチャンスがあります。既に欧米日の規制当局に申請を出しており、2019年第3四半期にもアメリカと日本で販売可否の判断が降りる予定です。

このGLP-1の経口セマグルチドの販売は恐らく2020年以降になりますが、GLP-1市場で躍進できれば、数年続いたノボ・ノルディスクの低迷のトンネルからついに抜け出せる可能性があります。

タグ: