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雇用回復とインフレ鈍化が見られた7月のNY連銀製造業指数

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7月も中旬に入って6月の経済指標の発表が落ち着いてきました。早いもので一部の経済指標では7月のデータも発表され始めています。

ここでは昨晩発表されたニューヨーク連銀製造業指数を見ていきたいと思います。

最近では好調なアメリカ経済のデータが発表されることが続いていますが、このデータも以前ほど悪くはないようです。また、インフレ圧力の低下も見られます。

この記事のポイント

  • 7月のニューヨーク連銀製造業指数は予想を上回った。また、わずかな景気拡大が続いていることも分かった。
  • 雇用は一時期よりも回復しており、インフレ圧力も低下している。この1ヶ月だけみると、一見するとソフトランディングに向かっているようにも見える。
  • ソフトランディングするかどうかの結論はまだ経過観察が必要だが、7月は少なくとも景気は悪くなさそう。

わずかな景気拡大を示すニューヨーク連銀製造業指数

ニューヨーク連銀の製造業指数の7月版が発表されました。

予想をよりをわずかに上回って、6月に続き7月もわずかに景気拡大が続いていることが確認されました。

  • 予想:0.2
  • 結果:1.1(前回:6.6)

ニューヨーク連銀の製造業指数はプラスであれば景気拡大を意味します。今月は+1.1だったので、わずかではありますが製造業の景気は拡大しています。

2023年の前半ではマイナスに沈む時期も多かったのですが、前回6月と今回7月は製造業の景気が一時期よりは少し回復したようです。

雇用回復とインフレ鈍化

「7月のニューヨーク連銀の製造業指数はわずかな景気拡大を示した」と書きましたが、下の図を見ると、まだこれから景気が上向いているのか、それとも一時的な小反発なのか判断がつかない横ばいの時期にも見えます。

それでも、内訳を見ると悪くない材料をいくつか見つけることはできます。

まず、1つ目は雇用です。

景気が大きく悪化するためには失業が増える必要がありますが、製造業の雇用は7月は少し上向いているように見えます。

次のグラフは製造業指数の項目の中でも雇用者数と労働時間について集計したものなのですが、どちらも6月のマイナスからプラスに転じて雇用が回復しているようです。

そして、2つ目は価格です。雇用は回復していると言っても、支払い価格も受け取り価格も伸びが鈍化しており、インフレ圧力は強くないようです。

まとめると、ニューヨーク連銀製造業指数は一時よりは改善しているようで、低迷が続いた製造業でも6月と7月はわずかに景気拡大していたことがわかります。

内訳を見ると前月は雇用が増加に転じた一方で、価格についてはインフレ鈍化している流れがわずかにでも見られるのは良い点です。

景気後退なくインフレ鈍化が達成できるとは信じがたいのですが、このような状況が一時的でも続くなら米国株にとって追い風となりそうです。今月のニューヨーク連銀製造業指数は最近の株に強気になってる投資家やエコノミストをサポートするようなデータになりました。

ただ、これが今月だけではなく、今後も継続する動きなのかはわかりません。また、この結果はニューヨーク連銀の調査だけのものなので、他の連銀の製造業指数が7月にどうなっているかも合わせて見ていきたいと思います。


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