早いもので、一部の経済指標では既に5月分のものが発表されはじめています。
4月の景気は良いもの悪いものが混在してた印象があるのですが、5月はどうなっていくのでしょうか。
まず、ニューヨーク連銀が5月の製造業の景況指数を発表しましたが、幸先はよくなかったようです。
この記事のポイント
- ニューヨーク連銀製造業指数は5月に大きく低下した。新規受注や出荷などの主要な数字に大きな低下が見られた。
- 前月に大きく数字が改善した時に、金融引き締め途中での景気回復はめったにないことから「一時的な改善」の可能性があると言ったが予想通りになった。
大きく低下した5月のニューヨーク連銀製造業指数
ニューヨーク連銀から5月の製造業の景気指数(景気の強さ)が発表になりました。
結果はかなり悪かったです。
- 予想:マイナス3.8
- 結果:マイナス31.8(前回+10.8)
前回は予想外にプラスだったのですが、前回から40ポイント下がってマイナス31.8にまで急降下しました。
今回は主要な項目も著しく低下していて、例えば新規受注も大幅に落ち込んでいました。
一時的だった前月の製造業景気拡大
思い返すと1ヶ月前は、予想外に大きな上昇を見せていました。
>>4月のアメリカ経済は意外にも好調かも知れないが、楽観できない。
このときには「一時的な好調かもしれないので楽観しすぎないでのぞみたいと思う」と書いていたのですが、その通りになった模様です。
政策金利と企業の景気
先月の景気の好調が一時的かどうかを判断するのは比較的簡単でした。今までのアメリカは金融引き締めの中にいて、そのような状況で景気が底を打つことは基本的にはありません。
もしも一時的ではない景気回復が続くなら、その場合にはインフレが退治できていない可能性がかなり高いので、どうせ追加で利上げが行われて景気は失速するからです。
一方で、面白いのはこれからだろうと思います。
5月で今回の景気サイクルでの利上げは恐らく終わったと思われるので、これから企業が現在の5.00%〜5.25%もの政策金利に順応して景況感の悪化が収まっていくのか、それともこのままズルズルと行ってしまうのかが気になります。
製造業の声を聞いてみると、6ヶ月先の景気は良くなっていると回答している企業が多いようですが(下図)、私はもう少しだけ悲観的に見ています。