タイトルに書いたとおりなのですが、アメリカの長期金利はピークを超えたのだろうなと思っています。
アメリカの中央銀行のFRBが発言通りインフレを退治するための政策を取り続けるなら、これからは心配されるのは景気の悪化で、そうなると長期金利は低下していくはずです。
長期金利の低下は短期的には株に良い影響を与えます。しかし、もしも長期金利の低下が景気の悪化を織り込んでいるとなると、最近の株価のの上昇が長く続かないかも知れないとも思っています。
この記事のポイント
- 長期金利は既にピークをつけたように見える。この影響は短期的に株価にはプラスになる。
- しかし、長期金利の低下が景気の減速を見越している場合には、時期に企業の予想利益悪化して株価も下落する。
- また、アメリカの金利上昇の流れを受けて、ドル円はピークを超えた可能性がある。現金で待機する資金は円にしておくのが良いかも知れない。
長期金利と銅÷ゴールドの関係
一般的には、長期金利が上昇すると株価には良くないと言われています。長期金利の上昇で米国債は利回りが増えて魅力的になり、反対に株の魅力が薄れるからです。
なので、米国株の投資家も長期金利の動きはゆるく見ておく必要があります。
そのアメリカの長期金利の動きは銅÷ゴールドを計算した値とよく動きが似ているので、長期金利の動きを占うために私はよく銅÷ゴールドの動きを見るようにしています。
では、現在の長期金利と銅÷ゴールドはどのようになっているでしょうか。次のグラフで確認してみます。
今年の前半までは先行して上昇していた銅÷ゴールド(水色線)に、長期金利(紫線)が追いつくような形で上昇が続いていました。
しかし、長期金利も最近ではすっかり銅÷ゴールドに上昇が追いついたようです。
また長期金利が上昇する可能性はないとは言い切れませんが、銅÷ゴールドの値がこのまま落ち着いているなら長期金利の上昇余地も大きくないと思います。
そして、銅÷ゴールドの値が上昇するためには世界的に景気がよくなって銅の需要が高まる必要がありますが、世界中の中央銀行が利上げして景気を抑えている2022年にその展開は考えづらいです。
今回の景気サイクルでの長期金利の上昇の大部分はすでに終わって、すでにピークを付けたのかなと思いました。
長期金利のピーク超えと米国株への影響
株価に悪影響がある長期金利の上昇が止まったことは、米国株には短期的には良い影響があると思います。先週から米国株は力強く上昇した理由はさまざまあると思いますが、その理由の1つには長期金利の低下がある気がしています。
しかし、気をつけなければならないのは、最近の長期金利がこれから先のアメリカの景気後退を懸念して下がっている場合です。
もしも、今後発表されるアメリカの経済指標で悪い数字が続き景気の悪化の可能性が色濃くなれば、どこかで企業の予想利益が減少して、株価が下落する恐れも十分あります。
6月発表のデータからすぐに悪い結果が出てくるとは思いませんが、2022年は急な利上げで景気拡大にブレーキがかかっているので、半年もたずに経済指標の悪化が見られる可能性もあると思います。
なので、先週から米国株は回復傾向が続いていますが、私はこの上昇は短期的なもの(ひょっとすると数週間)になるかも知れないと考えて、株を買い増すことはせずに見守るつもりです。
年始から減っている資産を取り返したい気持ちはありますが、2008年の世界金融危機の頃に「ようやく底を打って価格が上昇に転じた」と何度も早とちりした苦い思い出を思い出して、じっとしていようと思います。
これからは円高ドル安の懸念も
さて、長期金利の低下に加えて、アメリカの今後の利上げも一時期考えていたほど大きいものではないと市場が考えてはじめたら、アメリカの金利上昇を見越して上昇していたドル円は下落しやすくなるのだろうと思います。
今までは円安ドル高でドル資産を持っているだけで資産が増えていた私たち日本の米国株投資家ですが、これからは円高ドル安にも気を配る必要がありそうです。