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2023年の個人消費をささえた超過貯蓄

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今年も残りあとわずかになってきたので、2023年のアメリカ経済に大きな影響を与えていたと思われるものとして「超過貯蓄」について書いていきたいと思います。

これによって2023年はアメリカは景気後退を免れたと言っても良いと思います。

ここから先に書くことは今までこのブログで書いてきたことばかりで真新しいことはないのですが、アメリカの貯蓄は2023年の景気を支えた大きな要因だと思うので、今一度丁寧に説明をしておきたいと思います。

この記事のポイント

  • コロナ後の現金給付によってアメリカの個人貯蓄は2021年9月までいつも以上のペースで増え続けた。
  • 2021年9月以降は蓄えた超過貯蓄を使って消費を続けている様子が見られるが、その超過貯蓄も2024年5月には尽きようとしている。
  • 2024年5月以降にアメリカの消費は衰える可能性はある。

超過貯蓄とは

まず、超過貯蓄とは何のことを言っているのかをおさらいしておきます。

アメリカでは2020年になるまで、毎月の貯蓄額がほぼ一定で少しずつ増えていっていました。しかし、2020年にコロナで政府から給付金が配られたあたりから、貯蓄が急激に伸びていく動きがみられました。

実際にみたほうが早いですね。下図がアメリカの毎月の貯蓄額の推移です。

2016年から2020年までは経済成長とともに貯蓄額がゆっくりと一定の速度で増加をしていたのですが、2020年から2021年の3回の政府からの現金給付で貯蓄額がおかしなほど膨れ上がっています。

貯蓄をためる時期と吐き出す時期

2020年と2021年でアメリカの貯蓄が大きく増えたのがわかったと思いますが、一方で2021年後半以降は貯蓄のペースは一気に落ちています。

下のグラフを見ると、2021年9月をさかいに通常のペースを超えて貯蓄を貯めていた時期から、貯蓄のペースを緩めて消費をする時期に入ったことがわかります。

上のグラフは2023年11月までのデータを反映していますが、現時点でも「コロナで貯めた貯蓄を使って、普段よりも大きな消費を続けている時期」が続いていることがわかります。

過去1年くらいのアメリカの実質個人消費の伸びを見てみると、2023年は衰えるどころか2%前後の安定した伸びを見せています。

コロナ時に蓄えた貯蓄を使って普段以上の消費をしたアメリカでは個人消費が堅調に伸び続け、2023年のアメリカは景気後退を回避できたように思います。

2024年5月にも尽きると思われる超過貯蓄

しかし、余分にたくわえた貯蓄はいつまでも残り続けてアメリカの消費を支えるわけではありません。

コロナ流行後から2021年9月までにどれだけ余分に貯蓄を貯めることができたかを表したのが下の図です。

これを見ると2021年までに余分に蓄えた貯蓄(超過貯蓄)は2021年9月以降に急速にその額を減らしていることがわかります。そして、その余分な貯蓄は2024年5月には尽きようとしています。

この貯蓄が尽きたからと言って急速にアメリカの消費が衰える訳ではないと思いますが、消費も雇用も強かった来年5月以降にはあまり見られなくなるだろうと私は思っています。


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