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データで見る2022年の米国株の値下げ率

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残念ながら、2022年のS&P500はマイナスで終わってしまいそうです。

取引できる日も残すところあとわずかだと思うので、このまま2022年のS&P500が終値が決まったとして、この記事では過去94年分のS&P500の年間成績をつかって色々な角度からデータを眺めたいと思います。

この記事のポイント

  • 2022年のS&P500はマイナス19%で推移している。これは1928年以降でワースト7位。
  • S&P500は年間成績で下落した翌年は高確率で大幅な上昇に転じる傾向がある。しかし、まれに2年連続で下落するなら大きな下落率となる。
  • また、2023年は景気後退入りが懸念されているが、景気後退入りした年のS&P500は中央値でもマイナスリターンとなる。

2022年の米国株の成績について

まず手始めに、S&P500の1年間の値動きを確認してみると、年初から19%下がっていることがわかります。

S&P500が年間でマイナスになること事態は、それほど珍しいものではありません。1928年からの94年のS&P500の年間の値動きを調べてみると、1年間を値下がりで終えた年は約30%あるので、わりとよくあることだと分かります。

S&P500 回数 確率 値動き(中央値)
値上がり 65回 69% +16%
値下がり 29回 31% -12%
全体 94回 100% +11%

しかし、上の表でS&P500が下落して終えた年の下落率の中央値(だいたい真ん中の値)を見てみるとマイナス12%となっています。2022年のマイナス19%だったので、今年の成績はわりと大きな下落率になってしまっていることがわかります。

1928年以降のS&P500のワーストランキングを作ってみると、2022年の成績はこのままいけばワースト7位にランクインしそうな勢いです。

順位 SP500
1位 1931年(世界恐慌) -47%
2位 1937年(世界恐慌) -39%
3位 2008年(世界金融危機) -38%
4位 1974年(オイルショック) -30%
5位 1930年(世界恐慌) -28%
6位 2002年(ITバブル崩壊) -23%
7位 2022年(今回) -19%

こうしてみると2022年よりも下落している年はいずれも名前がついて語られるようになる年ばかりです。

2022年の株価下落が将来的にどう呼ばれるのかはまだわかりませんが、2022年は名だたる不況についでS&P500の成績が悪かったようです。

2023年の米国株について

さて、これだけで終わってしまうとつまらないので、もう少しだけS&P500の年間値動きのデータで遊んでみたいと思います。

これから考えることは、「S&P500が1年間不調だった次の年は成績が良いのか」です。つまり、2023年はS&P500の成績が良いのかが気になるところです。

そこで過去に1年間を通じてS&P500が下落した29回のうち、翌年に上昇に転じた年がどれだけあるのかを調べてみました(下図)。

S&P500 回数 確率 値動き(中央値)
下落翌年に上昇 21回 72% +23%
下落翌年も下落 8回 28% -21%

この結果を見ると、下落した翌年は上昇に転じる確率がかなり高い(72%)と言えそうです。しかも、年間の値上がり率は+23%とかなり良好です。

ただ、調べてみると不穏なデータもあります。

下落した翌年でも残念ながら連続して値下がりする年もあります。その場合の下落率は中央値ですらマイナス21%と2022年以上の大きな下落の年になっているようです。

つまり、2023年は大きく上昇する可能性も高いが、もしも下落するなら大きな下落になりうる振れ幅の大きな年になりそうです。

さらに興味深いのは、2年以上連続してS&P500が下落するケースです。1928年から合計8回ありますが、調べてみると4つの時期に集中していることがわかります。その4つとは、2000年(ITバブル崩壊)以降、1973年(オイルショック)以降、1939年(世界恐慌後半)以降、1929年(世界恐慌前半)です。

「4つともどこかで聞いたことある名前ばかりだ」と思ったかも知れません。この記事の上に書いた1928年以降のS&P500のワーストランキングの年に起こっていた出来事とほとんど重なります。

2022年はこれらの悪名高い出来事についで成績が悪かったので、ひょっとすると2023年は2年連続で株安になるかも知れない点、そうなった場合には大きな下落に見舞われる点には注意しようと思います。

景気後退が起こる年の成績

最後に、1つだけデータの切り口を変えてS&P500のリターンを見てみようと思います。

2023年のアメリカでは景気後退が起こると言われているので、「景気後退が起こった年のS&P500の成績」を調べてみました。

S&P500 回数 値動き(中央値) 年初来安値(中央値)
景気後退に入った年 15回 -7% -16%

こうなると流石にS&P500は分が悪く、中央値でも1年間で7%下げています。また、年初からの安値は16%ほど下がる模様なので、2023年のどこかでこれくらい下がる展開はありそうだということになります。

では、2023年に希望はないのかというと、それは「既に2022年に景気後退に陥っている場合」かも知れません。その場合、2023年は景気後退2年目になりますが、その場合にはリターンがやや上向きます。

S&P500 回数 値動き(中央値) 年初来安値(中央値)
景気後退2年目 10回 +13% -18%

しかし、その場合でも1年のどこかで年初来安値マイナス18%くらいの下落を経験することになる点には注意です。


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