昨日の金曜日ですが、少し今までと空気が変わった気がしました。
FRBの高官から今後の利上げ幅を縮小する話がいくつか飛び出し、金融引き締めが終わりに近づいているサインが見え始めています。
そろそろ利上げのペースダウンや利上げ停止を考える時期に来ているなら、次にどのような資産にどんな変化が起こるのかを考えていきます。
この記事のポイント
- FRB高官の数名が、今後の利上げペース減速について話始めた。
- 利上げのペースが鈍化するなら、これから資産家価格はどのような変化が見られるのかを考えていく。
利上げ幅についてトーンダウンし始めたFRB
金曜日ですが、FRBのセントルイス連銀とサンフランシスコ連銀の総裁から今度の利上げペースについて話がありました。
>>FOMC、利上げピークと減速時期を討議へ-ブラード氏とデーリー氏(ブルームバーグ)
詳細は上の記事におまかせしますが、ざっくりいうと、今後のFOMC(金融政策を決める会議)では利上げ幅を縮小する計画について話し合われる予定のようです。
2022年は0.75%の大幅な利上げが続いていましたが、FRBが考えている適切な水準が近づいているようなので、そろそろ利上げ幅を縮小したり利上げを停止したりしたいのかもしれません。
そして、今までの急な利上げに苦しんでいた米国株はFRB高官の発言を聞いて上昇をしたように見えます。
資産価格の変化について
さて、FRB高官から利上げペースの鈍化について話が出てきたので、そろそろ投資家は利上げ停止を意識しないといけないようです。
利上げペースの鈍化や停止が起ると、資産の価格はどうなるのか私の考えを書いておきます。
- 【インフレ高止まり】:予想以上の利上げ継続なら、株・国債価格は下落。
- 【インフレ鈍化かつ景気好調】:株高
- 【インフレ鈍化かつ景気低調】:景気後退が始まるまで株高、景気悪化懸念で株安・国債高、金融緩和があれば長期国債高、ゴールド高
資産価格の動きは、インフレと景気によって異なる道をたどると思います。
もしも、利上げペースを鈍化させた後にも高いインフレが続いたりインフレ率が上昇すれば、小幅ながらも利上げが続き、2022年に見られたあらゆる資産の下落も続くことになります。
一方で、インフレが緩やかになり景気も好転すれば株高になるはずですが、株高は続いても数ヶ月から半年程度の短命で終わると思います。
その理由は、アメリカには既に景気後退のサインが出ているからです。
>>2022年末のアメリカの景気後退入りの可能性高まる【景気先行指標】
なので、株高は起こったとしても数ヶ月で、2022年末から2023年前半にかけては景気後退への懸念から長期米国債が買われるのだろうと思います。
また、景気後退が本当にやってきたときには金融緩和が再開されますが、そのとき株は企業利益の悪化に見舞われているので上昇せず、金融緩和のメリット受けられる国債とゴールドが株よりも先に上昇すると思っています。
いずれにしても、そろそろ株の下落だけを考える時期でもなくなってきたので、どのようなポートフォリオにしたらよいのかを、景気とインフレの様子を見ながら時間を使って考えたいと思います。