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豪中央銀行、今後のさらなる金融政策の緩和を示唆。

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世の中ブログ多しと言えども、オーストラリアの中央銀行に触れているブログは相当レアで変わっていると私も思います。

しかし、世界の経済危機は思ってもみない場所から火がつくものです。米中の貿易戦争が加熱すれば、米中だけでなく周辺諸国も影響を受けます。

よく言われるのは、米国が追加関税をした場合に、中国への輸入金額が大きい韓国・台湾・日本が受ける影響が大きいと報じられますが、近年中国への輸出依存度を高めているオーストラリアも影響を受ける国の一つです。

「米国株投資をしていて、かつオーストラリア中銀に興味がある読者」がどれほどいるのか、その条件付き確率は絶望的に低いことをわかった上で、この記事で伝えたい事を一言でいうとこうなります。

オーストラリア経済は景気を維持できるか、景気後退入りに直面するかの曲がり角に差し掛かっており、今度さらなる金融政策が必要になる可能性が高いです。

3年ぶりの利下げ決めた2019年6月会合で、既に今後の利下げを示唆

まず、そもそもオーストラリア経済について知っている人もそれほど多くないと思いますので、簡単に紹介すると、オーストラリアはまれに見る長期的な安定した経済成長を遂げている国です。

2000年以降は中国への鉄鉱石や石炭などの資源を輸出し、リーマンショック前後でも中国の発展に支えられ景気後退入しませんでした。最後に景気後退入りしたのはなんと1991年です。

オーストラリア経済の概要はこちらの参照:中国への依存度を強めるオーストラリア、政策金利引き下げ。

しかし、近年ではシドニー、メルボルン、パースなどで住宅価格が下落し、建築許可数は1年間で20パーセント以上低下するなど、2019年第1四半期のGDPはリーマンショック時の以来の低成長にとどまっています。

危機後最低の水準、豪2019年第1四半期の前年比GDP成長率。

こうした状況にIMFもオーストラリアに警鐘をならし、オーストラリアは3年ぶりとなる利下げを2019年6月に実施していました。このときの金融政策決定会合の議事録要旨が6月18日に公開され、ある一文が話題を読んでいます。

members agreed that it was more likely than not that a further easing in monetary policy would be appropriate in the period ahead.
今後、さらなる金融政策の緩和が適切となる可能性が大きいという点でメンバーの見解が一致した。

Minutes of the Monetary Policy Meeting of the Reserve Bank Board(4 June 2019)

どうもオーストラリアは変調を起こしているようですが、別の記事でも書いたようにオーストラリア中銀やIMFが言及しているデータは2019年5月以前の米中貿易戦争以前のもの大半で、米中貿易戦争が加熱した場合にどんな影響があるのかは、まだまだ未知数なところに若干の不安がよぎります。


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