最近の米国株は6月中につけた安値から回復している印象があります。
私は「大きな下落の中の一時的な上昇」だと思っているのですが、このような一時的な反発は何%くらい上昇するものなのでしょうか。少し気になったので、調べて見ました。
この記事のポイント
- 景気後退時のS&P500の下落トレンドでは、10%程度の株価の反発はかなり頻繁に見られる。
- 下落トレンドが終盤になって株価の乱高下が激しくなると、20%超えの一時的回復も見られるようになる。
下落トレンドでの一時的な株価回復
先週の半ばにS&P500は6月につけた安値からの上昇が10%を超える場面が見られましたが、こうした上昇は珍しいのでしょうか。
世界金融危機(2008年-2009年)とITバブル崩壊(2000年-2002年)を調べてみましたが、大きな下落トレンド中の10%の株価上昇なら割とよくある現象であることが見えてきました。
世界金融危機
世界金融危機でS&P500は57%の下落をしているのですが、単調に下がっただけではなく、その間には14%も株価が回復する局面もありました
特にリーマン・ブラザーズが破綻したあとは株価の変動が大きくなり、反発は20%を超えることもあったようです。
ITバブル崩壊時
次にITバブル崩壊時のS&P500の値動きを見ていきます。
このときのS&P500は全体で50%の値下がりをしているのですが、10%程度の株価の回復は日常茶飯事でした。
次のグラフは見づらくて恐縮なのですが、文字数が多くて読みにくくなるくらい10%以上の株価回復が頻発していることがわかります。
また、やはり下落相場の後半になってくると株価の値動きが激しくなり、一時的な反発でも株価の回復が20%を超えることもあったようです。
まとめ
さて、ここでは過去の2つの景気後退でのS&P500の値動きを見てきました。
これを見る限り、大きな下落局面で10%程度の株価の回復をすることは珍しくなく、また下落局面が終盤になると一時的な株価回復が20%を超えることもあるようです。
なので、冒頭の話題に戻ると、S&P500は大きな下落トレンドの中でも10%〜15%くらい株価が回復することは、とてもよくあることのようです。
10%株価が回復しただけでは楽観的になって「もう株価は底を打った」と決めてしまうのは早すぎるし、もう4-5%上昇したとしても一時的な反発かも知れないと疑いの目を持っていて良さそうです。